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ベストレビュワーランキング: 737,926 - 参考になった投票の総数:162中126
The Future of Ideas: The Fate of the Commons in a &hellip Lawrence Lessig
38 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者が前著『CODE』で展開した「素朴なリバータリアニズムに対する批判」と基本的に同じ観点から、社会全体のイノベーションを促進するためには、法律とコマースによる制約に意識的に介入する必要があると論じる。著者は、インターネットの成長とそれに伴うイノベーションを可能にしたのはインターネットが持っていた共有地としての本質的な自由さであり、これを法律とコマースが壊しつつあるという危機感を抱いている。

Napsterやオープン・ソースなど、インターネットと知的所有権の衝突に関わる昨今のさまざまなトピックを、テクノロジーに強い法学者の視点から明快に解説している。これらのトピックを細かく追っていない人にはハンディな情報源となるだろう。

著者は本書で、インターネットの自由さを守るべき理由として、社会全体のイノベーションの量の最大化という概念を持ってきたわけだが、私は「イノベーションをつねに最大化することが必ずしも望ましいわけではない」という反論がありうると思った。特に著者が例として示すコンテンツ・レベルでのイノベーションはあまり魅力的ではないので、いまひとつ説得力がない。

しかしいずれにせよ、インターネットの自由を守るためには意識的な介入が必要なのだという「規制による自由」論者の理論武装に役立つ刺激的な本である。テクノロジーにそれほど詳しくない人には、日頃深く考えずに使っているインターネットの意義を考えるきっかけとしてお勧めする。

アラーが破壊した都市―砂漠の都ウバール発掘 ニコラス クラップ
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
『コーラン』や『アラビアンナイト』で、悪徳が栄えたせいで崩壊した町として言及されているが、その所在が不明だったウバール/イラムの町を、アラビア半島の現在のオマーンに発見したアマチュア考古学者の話。発掘が行われたのは1990年代に入ってからのことで、つい最近の話である。

衛星画像を使用したハイテク考古学の一例ではあるものの、著者が町の発見にこぎ着けるまでの経緯は、『レイダース』とか『ハムナプトラ』のような前時代的な冒険そのもの。

本書はあまり注目されていないようだけれども、とにかく面白いノンフィクションとしてあらゆる人に強くお勧めしたい。著者は一般読者を対象に書いており、アラビア史とか考古学に関する予備知識がない人でも、本書を読み進めるにつれてこの発見がなぜ画期的なのかが理解できるようになっている。でもそれ以前に、ノンジャンルの「面白本」なのである。

Silent Witness Richard North Patterson
Silent Witness Richard North Patterson
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
『サイレント・スクリーン』の弁護士アントニー・ロードを主人公とするリーガル・スリラー。殺人の容疑がかかった親友を弁護するために、28年ぶりに故郷の町に帰り、そこで新たなトラブルに巻き込まれるという帰郷もの。

『サイレント・スクリーン』のアントニー・ロードは非常に陰気な人物だったが、本作に描かれている彼の少年時代を知れば、あれほど陰気になるのも無理はないと思えてくる。その悲惨な少年時代と、帰郷した彼が新たに直面する危機のおぞましいつながりが徐々に見えてくるにつれ、読者は主人公に心の底から同情したくなるだろう。

青春小説と中年小説を組み合わせてリーガル・スリラーという容器に入れた叙情豊かな作品。私は『罪の段階』と並ぶリチャード・ノース・パタースンの最高傑作の1つだと思っている。