遊鬱

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レビュー

ベストレビュワーランキング: 2,295 - 参考になった投票の総数:5423中4159
赦す人 大崎 善生
赦す人 大崎 善生
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
団鬼六の生涯のあまりの絢爛豪華さに目眩がしそうになった。元々縁あった著名な文豪・芸能人の数々にも驚かされたが、その後、団鬼六という惑星(それは単に金回りによるものではない)の下にさまざまな魅力ある人間が引き寄せられていくさまは、筆者も記しているが現実ではなくフィクションではないかと思わずうならされてしまう。

この一冊を読んで、それまでのSMの大家という先入観は完全に吹き飛んで、文豪・快楽主義者として尊崇の念を抱かざるをえない。快楽主義なればこそ、世界を愛する、「赦せる」ということがその最期まで含めて心地良い余韻が残る。”何せうぞ、くすんで一期は夢よ、ただ狂え”という父親の言葉を団鬼六がそれこそ生涯を賭けて思想へと結実したと。
詐病と精神鑑定 西山 詮
詐病史(世界・日本)、詐病研究、具体的事例における検討と一冊で「詐病」を通覧することが可能な大著です。

詐病は精神司法における問題(38条・39条)の問題と矮小に考えていたが当著を読むことで、病気の治療以前に病気かどうかという判定の有効性が確保できるか否かは既存の精神医学・心理学の根幹を揺るがしかねない問題であると認識できた。著作内でも批判的に記されているがローゼンハンのジャーナリズム的心理実験を、既に詐病研究は乗り越えている。

脳の状況を直接覗いて画一的に病気診断をできるところまで、脳科学研究が進歩していない以上、DSMを代表に臨床的知見にどうしても頼らざるをえない。生活保護や高齢者医療問題など社会保障制度という大きな観点からも詐病研究の発展は今後ますます重要となることが予想される。

●PTSD詐病を確立するための臨床的決定モデル(Resnick,West&Payne)
A.PTSDを詐病することが理解できる動機

B.以下の基準の内少なくとも2項
1.不規則な雇用または仕事に対する不満
2.損傷に対する請求の既往
3.レクリエーションの能力はあるが、仕事ができない
4.悪夢がないか、またはあっても市民生活の外傷の正確な反復
5.反社会的人格特性(刑事司法ケースには適用できない)
6.回避的態度または矛盾
7.評価の際の非協力

C.以下の基準のどれか一つによって詐病を確認する… 続きを見る
残穢 小野 不由美
残穢 小野 不由美
28 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
別出版社から同時発売された『鬼談百景』が百物語(正確には99物語)短篇集となっているのですが、それをメタストーリーとして含むつくりとなっております。怪談と現実、メタと現実の間を意識が行き来する内になんとも言いがたい圧倒的なリアリティ、恐怖が奥底から湧き上がるのを感じます。

小野先生の熱狂的なファンとして、この新刊が出るまでの長い長い9年以上の空白期間を説得あるもの、埋める近況報告として、愉しむことも可能でしょう。

本当は、久方ぶりの新刊ということで、1日1ページずつぐらい大事に読もうと思っていたのですが、1日で読み終えてしまいました。次の十二国記の新刊発売まで一日千秋の思いで待たせて頂きます。