、この手の本にあり
がちなのだが、やはり無理に旧説を批判して、多様な競合する説を単純に無視し、単一
の革新的、挑発的な見方を示したがったがためにいろいろ無理も出ている。それは著者
の専門外の進化について臨界点を超えている。
いくつかとりだしてみると、体毛の薄さの進化に関して著者は異性の好みが後押しして
、10万年ちょっと前におこり、利点はなかったが、彼我の区別に役立った。ネアンデ
ルタール人はわれわれのように話せなかったし、寒さのため分厚い毛皮があったはずで
、食い物として食われたため滅びたなどと述べているが、
ここだけで、'@体毛の進化も化石からわからない以上、まだ断定的にいつ起こったなど
といえない。'A薄い体毛には利点はあったとする説も、毛深いことのほうが利点があっ
たとする説もある。'Bなんで他の動物で、そもそも薄い体毛が性淘汰で進化しないのか
ここからわからない。'C彼我の区別がどうとかいうならそもそもまた分厚い体毛がまた
進化してもいいはず'Dネアンデルタール人はわれわれと全く同じようにしゃべれる解剖
学的構造をもっていたとする説もある。'E著者の単純な論理とは別に、現生人類ですら
、氷河時代に匹敵する寒さの場所で服なしで暮せている民族は存在する。'Fネアンデル
タール人は服をつくるための石器の使用法をしていたことが石器からわかるとする説も…
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