verkhovenski

 
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四銃士 [Blu-ray] <b>Blu-ray</b> ~ オリヴァー・リード
四銃士 [Blu-ray] Blu-ray ~ オリヴァー・リード
前篇の「三銃士」と同時に撮影されたので、体形も顔つきもそのままの同一キャストが演じてゐます。音楽はミシェル・ルグランから、「ダーティハリー」のラロ・シフリンに交代。私はルグランの方がいい(特に「愛のテーマ」To Love a Queen)と思ひますが。

仏王妃(ジェラルディン・チャップリン、喜劇王チャーリーの娘)を窮地から救つたダルタニャン(マイケル・ヨーク)と、三銃士ことアトス(オリヴァー・リード)、ポルトス(フランク・フィンレイ)、アラミス(リチャード・チェンバレン)が、今度は敵国イギリスのバッキンガム公爵(サイモン・ウォード)を、リシュリュー枢機卿(チャールトン・ヘストン)が放つ刺客から守らうと奮戦しますが…好漢アトスと妖婦ミレディー(フェイ・ダナウェイ)の因縁が明かされ、ボナシュー夫人(ラクェル・ウェルチ)に危機が逼り、そして修道院でのロシュフォール(クリストファー・リー)とダルタニャンの決闘(原作とは違ひますが)へと、いよいよ物語は大詰めを迎へます。

キャストばかりでなく、美術や衣装にも贅を尽くした、剣と恋の大ロマンではあるのですが、それが一筋縄ではゆきません。まるで結婚式で新婦の感謝の言葉に両親が感極まつたその時、風船を割つて驚かすかのごとき悪ふざけをふんだんに鏤め、悪役は勿論のこと、四銃士も、そして美人のヒロインですら、容赦なく笑ひの種にされてゐるのが、この映画の大変風変はりで面白いところです。それでゐて堂々たる風格を失はず、原作を読んだ子供の昔の、胸躍る思ひを懐かしく追体験できる、まことに不思議な作品です。… 続きを見る
月下の一群 (新潮文庫 ほ 3-1) 堀口 大學
5つ星のうち 5.0 翻訳詩の宝, 2014/8/6
「月下の一群」は堀口大学による、フランス近代詩の名訳集です。ボードレール、ヴェルレーヌ、ランボー、アポリネール、コクトー等の作者別詩集も、新潮文庫から出てゐますが、旧仮名旧字体の面目を保持してゐるのは「悪の華」と「月下の一群」のみで、しかも後者は今や、この通り古本しか手に入りません。他の出版社から現役で出てゐるものは、新漢字に置き換へられてしまつてをります。

フランス象徴派は、鈴木信太郎訳もなほ岩波から旧仮名旧字体で出てをります。関係者には未来永劫、新字体への変更を許さないやうお願ひしたいものですが、ただ、私は堅苦しくゴツゴツした鈴木訳より流麗な音楽的な堀口訳の方が好きです。

コクトーの「私の耳は貝のから」も、アポリネールの「ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ/われ等の恋が流れる」も入つてゐます。ヴェルレーヌもヴァレリイもジャムもラティゲもあります。ただランボーがありません。執筆当時「どうしても僕の日本語にはなりがたい種類の詩人」で、10年後に翻訳したと後書きにあります。
007/ダイアモンドは永遠に オリジナル・サウンドトラック ~ サントラ
映画本体はあんまりお奨めできませんが、「ダイヤモンドは永遠に」の主題歌は、007シリーズ中最高にイカした曲だと思ひます。「ゴールドフィンガー」の絶唱で007シリーズの成功に大いに貢献したシャーリー・バッシーがここでも、男は信じられないがダイヤモンドは裏切らない、といふ、何とも即物的な現世的な、そして007らしい性的な含みのある歌詞を、痛快に歌ひ上げます。ダイヤモンドの燦めきを模したイントロを始め、作曲者のジョン・バリーとしても会心の出来ではないでせうか。
所詮映画の伴奏ですからほかの曲はつまりませんが、ぜひ単独で歌を手に入れてお聞きになるとよいと思ひます。