ファド

 
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ベストレビュワーランキング: 17,494 - 参考になった投票の総数:262中233
妖精姫の花嫁修業 (一迅社文庫アイリス) 月本 ナシオ
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本作は作者さんが世界観設定を詰めて独特のキャラを表現してきた過去作とは一線を画し、ふんわりした中世西洋風の世界観で「風変わりなお姫様の、花嫁修業の顛末」を語っています。
最初は「何だか売れ線で来たなあ」と思ったのですが、ヒロイン・フィリアナはある事情から「妖精郷で長い長い幼年期を過ごした変わり者」。序盤の幼い語り口が、なんとも可愛い。加えて朴念仁のヒーロー・ライルの地味な口の悪さの中に垣間見える気遣いに好感が持てましたし、作者さん本来の味がぎゅっと凝縮されたチャラいユニコーンのキャラがあちこちでスパイスをきかせて楽しく読めました。
今回、これまでの作品なら必ずあった「血しぶき」がなかったことには「売れ線向けにフラットになってるなあ」とも思いましたが、なくてもフィリアナが子供そのものから成長していくさまや、ライルの建前(姫を嫁に出す)と本音(恋)がだんだん乖離していくさまをほほえましくというよりはニヤつきながら楽しみました。従来の血しぶき・変身・異形好きを期待するとハズレですが、マジョリティ層にはきれいにまとまった1作だと思います。
ただ正直、今回は本のパッケージングの雑さに驚かされました。まず脱字が2カ所。「こんなところで改行?」と思ったら句点抜けだったりするのは興ざめです。… 続きを見る
枕の絵草子 山口 椿
枕の絵草子 山口 椿
青年のような視線で見た「乱れごと」を、老成された麗しい文体で語る不思議もあり。軽妙でゆるくとぼけた語り口もあり。エッセイ一篇ごとに挟まれた、エロスと気品を兼ね備えた眩惑的な素描といい、ただただ浸ればいい逸品です。
敢えてレビューをアップしたのは、本書をAmazonに出品した出版社にもの申したいからです。せっかくの美しい装丁を、ネットオークションの見本のごとき床に置いたスナップで紹介するなど論外です。カスタマー画像をアップさせて頂きましたので、よろしければご覧下さいませ。
あやしの恋 約束は花のしとねで (一迅社文庫アイリス) 月本 ナシオ
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本作はあやしの恋 螺鈿の君と春雷の怪 (一迅社文庫アイリス)の続編です。
和風世界を舞台に、人間と怪(あやかし)の仲立ちのためにがんばるヒロイン・いちきと彼女を一途に愛する怪の青年・春雷。そこへ現れた薬師の青年貴族・雨堂が突然いちきに結婚を迫ったことから、メインカップル二人の微妙なギクシャクが始まります。
この雨堂、表紙左上では思わせぶりな笑顔ですが、実際は聡明であると同時に薬師道&思いこみまっしぐら過ぎの直球笑顔キャラです。後半は公式紹介文にもある「異国の美貌の怪」も加わって、増えた人数分パンチが弱めなのが少し残念ですが、ラストまで貫かれた表紙通りの笑顔には好感が持てました。
そして「異国の美貌の怪」の登場と設定は嬉しいプレゼントでした。あの方のフカフカサービスも健在。今回は最初のイラスト(21ページ)のいちきがうらやましい。今上帝の末の妹・楓の宮(11歳)の百雷への急接近も楽しめました。ちんまりした姿に化けて楓の宮をお迎えするチビ怪集団が可愛くて、ビジュアルを見たいなあと思っていたら、折り込み口絵に描かれていて。今回も人外好きの自分にはサービス満足度高めでした。… 続きを見る