DSK

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ベストレビュワーランキング: 419
レビューについて、参考になったとの票を受け取りました: 77% (参考になった数:4,179(投票総数:5,426))
自己紹介:
男の、というか男なら!という女性の皆様ゴメンナサイな肉欲煩悩中枢刺激ジャンルとライトノベルという、アンダーでマイナーで偏ったカテゴリーに特化して、裏街道という名のスキマに徹する変わり者。特に官能小説ではレビュアーが少ないので孤軍奮闘!と勝手に勘違いしている
 

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ベストレビュワーランキング: 419 - 参考になった投票の総数:5426中4179
桃源郷で逢いましょう (廣済堂文庫) 葉月 奏太
現実性は乏しいのだが男の肉欲的理想というか妄想めいた世界を描く官能ファンタジーに、まるでおとぎ話のような昔話のような本来のファンタジー要素を盛り込んだアイデアに新味を感じた作品。女性ばかりの集落はタイトル通りの『桃源郷』だが、秘められた過去の現実にはもう1つの切ない意味がある。

希望を失って旅に出た主人公(29歳)が辿り着いた集落で出会う淑やかな人妻(31歳)を主軸としながら、村の資産家の嫁というセレブ感と妖艶さのある熟女(36歳)や、その妹(20歳・生娘)といったヒロイン達がバランス良く配置されている。どの人妻も何らかの理由で夫が不在な状態や、どことなくズレた会話などを通じて主人公が感じる違和感を読み手も抱いていく。この辺りはちょっとしたミステリーっぽさもあって悪くない。何より良い意味で官能小説らしくないところに新鮮さがある。

ただし、情交描写は言うまでもなく官能小説らしい。むしろ、ストーリー展開においては男女の恋情とは別のところに物語の根幹があることから官能描写は開放的ですらある。一抹の恋心と肉欲と切なさの三乗効果が刹那に燃え盛り、当初の恥じらいから次第に大胆になっていく振り幅の大きさがダイナミックにいやらしい。積極的な振る舞いが一見無節操にも写る終盤の露天風呂での4Pは、ある意味で後腐れの無い関係を強いられるヒロイン達の最後の舞とも称せられる切なくも淫らな官能のクライマックスと言えよう。

少々毛色の異なる、ちょっぴり変わったファンタジー官能小説としておすすめしたい。
ゆうわく海の家 (竹書房ラブロマン文庫) 美野 晶
タイトルにもある海の家を舞台にした「ひと夏の経験」が、予想を越えて就職浪人中な主人公(22歳)の人生をも変えていく官能ラヴコメロマンス物語。

冒頭よりやけに気風の良い母親が出てきて主人公を強引に海へ行かせるのだが、この海の家を切り盛りする女性(母の後輩・36歳)がまたガサツというか男勝りで異彩を放っている。これが情交時には可愛らしくなるのもさることながら、「姉さん」と慕う母との関係でオモシロ可笑しい設定を盛り込んでいるところに作者の自由なアイデアを感じた。この女性の弟とかつて恋仲だったメインヒロン(28歳)や、女性の姪っ子で主人公の幼馴染みでもある女子大生(18歳)にビーチバレーのアイドル選手(23歳)が入り混じるココロとカラダの人間模様が心地良い。海の家は皆の拠り所なのである。

官能面においても、押しに弱かったり実はMっぽかったりする「昂ぶってからの豹変ギャップ」が淫猥度を高め、深い想いを抱く生娘の健気さがこれに競演している。岩場の影もあったが基本的には海の家での営みばかりだったので、シチュエーション的にはもう少しバラエティを持たせるとさらに良かったかもしれない。

どちらにせよ、コミカルなテイストが効果的に散りばめられた胸キュンなラヴストーリーが淫靡な官能描写と共に楽しめる作品であり、作者が自信を持って執筆していると思わせる安定した路線を今後も楽しみにしたい。
人妻鑑賞会 (双葉文庫) 川奈 まり子
このタイトルで、ただ単に人妻を鑑賞するだけに留まらないことは言うまでもないほどの想定内だが、こんな世界だったかという驚きは想定外である。自分なりに相当数の官能小説を読んできた自負はあるが、今まで目にしたことのない世界だった。我々が捉えるハーレムというのは本来こういうことでしょ?と、川奈まり子というお姉様に諭されているかのよう。割り切った関係だからこその明け透けないやらしさに軽い嫉妬心を塗し、これをコミカルに仕上げた独特の世界観には感服するばかり。実に不思議、そして、実に淫靡な作品である。

しかし、冒頭は全く異なる。フツーのサラリーマン主人公が会社の前にある弁当屋で弁当を買うところから始まる展開は、その弁当屋で働く人妻に密かな恋心を抱くベタなラヴストーリーである。健全な乱交(?)じみた人妻鑑賞会パートとラヴストーリーパートが交互に出てくるものの、その接点が一向に見えてこないところに本作の不思議たる所以がある。人妻を愛しく想い続ける主人公と、些細な言動のみでこっそり忍ばされた人妻の想いがすれ違う胸キュンほのぼの展開と、清らかにも写る酒池肉林とのコントラストが極端なだけに引き込まれる。… 続きを見る