近年、彼らの音楽性の幅はどんどん広くなっていた。
それを象徴するのが「手をたたけ」や「極東ID」などのバラエティ豊かな楽曲群であり、アルバム「HUMANIA」だった。
ただそれ故に極端な部分もあり、賛否両論でもあった。
今作はもう一度NICOの原点を見直し、バンド名である「Wall」に向き合い、
結果的に第2のデビューアルバム的な、NICOというバンドをそのまま表したような作品が出来た。
このアルバムではNICOの元々の持ち味である衝動的でカオスな世界観の曲や、ノスタルジックな儚げな曲が多く並ぶ。
それらは1stの頃の彼らを感じさせるが、そこからアルバム4枚分のキャリアで得た新しい要素も上手く散らしている。
「アビダルマ」のRAPであったり、「Mr.ECHO」のアコースティックなサウンドなどがそれだ。
つまり原点に戻りつつも、進化も同時に見せているのだ。
刺激の強いアルバムではあるものの、「手をたたけ」のような楽曲が好きな人を困らせる作品ではない。
1曲1曲は非常に濃く、メンバーも「ラーメン二郎的なアルバム」と表現したりしているが、
後味は意外と濃すぎる感じでもない。それが「Mr.ECHO」や「ランナー」などが果たす役目なのだろう。
そういった意味で、今作はいつの時代のファンも気に入る作品になったのではないかと思う。…
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