シンプリーライフ

 
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レビュー

ベストレビュワーランキング: 92,141 - 参考になった投票の総数:1984中1302
インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫) 阿部 和重
12 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
友人がこの本を読んだというので感想を聞くと、この一言。
「B級小説だね」

最初、ムッとしたのだけれど、しばらく後に「言いえて妙である」
と腑に落ちた。そう、この作品はまぎれもなくB級なテイストを
思う存分漂わせた小説である。スリリングにストーリーは展開して
ゆきながら、最終的には文学たりえているのだ。

その鍵はもしかしたら、文中に登場する「フリオ・イグレシアス」
にあるのかもしれない。冒頭と最後で象徴的に登場するフリオ。

なぜ、フリオっ? てところが文学。そして、表紙も当時は大胆で
奇抜で新しかった。「インディヴィジュアル・プロジェクション」
というタイトルが英語なのも、今までにほとんど例がなかったらしい。

阿部和重の輝かしい出世作。J文学はここから始まった。
時代が回転する小説がコレだ!

ニッポニアニッポン (新潮文庫) 阿部 和重
8 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この小説は、佳作としてある作品のような気がします。

政治的なテーマが通低にあるような気配を漂わせながら、
引きこもりな凶悪少年の妄想がついに現実へと向かう、
その一部始終が、緊張感を持って語られていくさまはなかなかの
ものがあります。

初読の際は、「うーん、つまらんかも」と思ったのですが、
しばらく経って再読したら「うーん、おもしろい」に変わって
いました。

初読の当時は、まだ、『ニッポニアニッポン』のもつ時代性を
掴みきれていなかったのかもしれません。その意味でも、じつに
同時代性を伴った作品だとは思います。

最後に、阿部氏のロリータ・コンプレックス描写は小気味いいもの
があります。 ボクは好きです、こういうの。

無情の世界 (新潮文庫) 阿部 和重
1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
阿部氏のパルプ的小説づくりの才が爆裂した感のある短編集。

狂気と笑気が絶妙なバランスでブレンドされ、ラストへ向けて
駆け抜けていきます。

鏖(みなごろし)は、その映像が次々と浮かんできて、どうしよう
もなく楽しめました。 ほんっと悔しくなるぐらい!

本当は、この作品で芥川賞をとってもらいたかったですよ。

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