志村真幸

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レビュー

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平翠軒のうまいもの帳―“食のパトロン”が作った素晴らしき“食べもの宝箱”へ (〓文庫) 中島 茂信
5つ星のうち 4.0 全国から, 2013/5/19
 倉敷に平翠軒という食品小売店がある。隣接する森田酒造の三代目森田昭一郎が開いた店で、全国から選りすぐりの美味いものが集まり、並べられている。味、安全、素材、作り手にこだわった逸品ぞろいで、全国にファンがいるという。
 本書は、平翠軒で扱っている50点ほどをカラー写真で取り上げ、店主の解説を聞き書きとして添えたもの。
 出ているのは、牛タンシチュー、焼き鯖鮨、豆腐の味噌漬け、牡蠣の塩辛、夏みかんジュース、鮎の魚醤などなど。いずれも生産量が少なく、全国的にはそれほど有名ではないものばたり。それを店主が探し当て、作り手を口説き落として入荷し、細々と売っているのである。
 店主の語る「出会いのエピソード」、美味しさの表現、希少さの強調が、実に巧みだ。いますぐにでも買いに行きたくなる。
お化け屋敷になぜ人は並ぶのか  「恐怖」で集客するビジネスの企画発想 (oneテーマ21) 五味 弘文
 著者はお化け屋敷プロデューサー。
 90年代初めからお化け屋敷の企画に関わるようになり、後楽園ゆうえんちでの「麿赤児のパノラマ怪奇館」、「楳図かずおのおばけ屋敷」、「赤ん坊地獄」などを手がけてきたという。それまでのお化け屋敷とは発想もつくりも異なり、革新をもたらしたとされる。
 本書では、どうしたら怖くできるのか、なおかつ楽しんでもらうにはどうしたらいいかの理論や方法論が紹介されている。
 非常に作り込まれ、よく考えられた方法論であり、恐怖と娯楽の関係がよくわかる。
 ただ、もう少し自作のお化け屋敷について具体的に語ってほしかったかも。
エクソシスト急募 (メディアファクトリー新書) 島村 菜津
 著者はイタリア、スローフード、エクソシストなどを手がけるライター。
 1999年の『エクソシストとの対話』の続編的な位置づけ。もちろん独立しても読めるが、合わせて読めば理解が深まるだろう。
 イタリアでは近年、急激にエクソシストの数が増えているのだという。その背景には、心の病の増加がある。エクソシストたちの扱う症例のうち、悪魔が関与しているものはごくごく一部に過ぎないとされ、大部分は心の問題なのだという。そのあたりの事情を、現地での綿密な調査をもとに紹介してくれている。
 教皇庁の側でのエクソシスト養成の実際、悪魔払いの現場体験、受けた人たちへのインタビューなどなど。
 もちろん、なかには本物の悪魔が取り憑いたとされるものもあり、興味深い。
 何人ものエクソシストに取材しているのだが、彼らがそれぞれ違うスタンス、異なった方法論を持っているのも面白い。祓い方はひとつではないのだ。
 また、背景にはイタリア社会や宗教のあり方の変化も透けて見える。
 文章にやや難あり。

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