第3回「美少女ゲームアワード2008」

第3回「美少女ゲームアワード2008」とは:2007年9月から 翌2008年8月に発売されたタイトルのうち、ソフトハウスから参加申込がありましたタイトルが選考対象となります。ユーザーの投票よってノミネート作品を選出し、雑誌編集長などの業界の識者によって構成された「美少女ゲームアワード審査委員会」の審議により受賞作が決定されました。

詳しくはオフィシャルホームページで。<http://www.bishojyogameaward.org/>


大賞・シナリオ賞・グラフィック賞・ユーザー支持賞

G線上の魔王 通常版
『G線上の魔王 通常版』

【大賞】

激戦となった第3回美少女ゲームアワードだが、大賞は『G線上の魔王』に決まった。

シナリオ賞、グラフィック賞、純愛系作品賞など、8部門でノミネートされその内6部門が1位を獲得しているのだから、総合的に頭一つ抜き出ていたと言っていいだろう。

冷酷無比な犯罪者である“魔王”と、魔王を追う“勇者”を名乗るヒロイン・宇佐美ハル。

この二人の「頭脳戦」によるバトルを前面に押し出したストーリーは、良質のミステリーを読んでいるように面白い。それには一風変わったメインヒロイン・ハルの魅力に負うところも大だろう。

普段はボサボサのロングヘアーでぶっきらぼうな彼女が、推理になるとキリッと変身するギャップがたまらなくカッコ良く、グイグイ作品世界に引き込まれていくのだ。

そんな本作の一番の見所は、終盤の怒濤の展開。

さすが頭脳戦を売り物にするだけはある衝撃の連続。

そして「命をかけた純愛」というキャッチコピーに相応しいラストは、涙なしには読めないだろう。

人気シナリオライター・るーすぼーい氏の力量はもちろんだが、舞台となった北の大地を見事に表現したグラフィックや、クラシック曲を効果的にアレンジしたBGMなど、周りを固める演出陣の素晴らしさも見逃せない。

必ずしもハッピーエンドと言えないラストに、これだけのユーザーの支持が集まったのは、美少女ゲームが小説や映画に負けない成熟したエンターテインメントとなったことの証だろう。

(BugBug編集部 大澤編集長)

【シナリオ賞】

今年度のシナリオ賞は金賞が「G線上の魔王」銀賞が「世界でいちばんNGな恋」となった。

「G線」はハードボイルド調の作品の中で、このシナリオライター独特の叙述トリックを散りばめながら、

このゲームを描いている。そしてそれを“魔王は誰か”という謎解きと共に、

読者を物語世界の中に引き込みことに成功したシナリオと言えるのではないだろうか。

また学生が主人公でありながら物語の舞台の軸を学園ではなく街に置いたというのも興味深い。

銀賞の「NG恋」はTVの連続ドラマ的な手法を採り入れたシナリオだ。

この作品は一見すると、主人公とメインヒロインの肉体的な身長差を物語の前面に押し出しているのだが、

その実、この二人の精神的な目線の高さの違いと変化を楽しむことこそを、

物語の真のテーマとしているのが心憎い配慮だといえよう。

最後になるが賞に選ばれたシナリオライターの方々におめでとうの言葉をお送りしたい。

(コミックマーケット準備会 共同代表市川氏、山下氏)

【グラフィック賞】

昨今は背景も含み、全体的に「塗り」のクオリティが上がってきている。その中でも、みずみずしいグラフィックで目を引いたのが、新規ブランドABHARの『水平線まで何マイル?』だ。

夏空と澄んだ海は非常に美しく、魅力的な人物たちと相まってドラマ性を感じさせる。

『殻ノ少女』は絵画のような幻想的なグラフィックで、ブランド独自の世界観とこだわりを見せてくれた。

『G線上の魔王』は金賞にふさわしく、物語とマッチした雰囲気あるグラフィックに目を奪われた。

背景は部分的にやや粗い感じも受けたが、総合的な魅力がそれを十二分にカバーしている。

(パソコンパラダイス編集部 帆刈編集長)