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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
大学を考える上ではずせない一冊, 2009/9/23
生き残りをかけて近年大きくかわった大学について その出自を今一度確認しておくことは無意味なこと ではないだろう。 時代時代でその役割を変えながら現在の形になる までの紆余曲折を、主に明治期にフォーカスしな がら、時どきの法律規定とその意図を丁寧に跡付け た、長年の著者の教育社会学の集大成といえる。 良くも悪くも帝国大学との距離感のなかで、その姿、 役割を変形し、発展してきた官製・私立大学。 国家と教育の密接な関係性を改めて理解できる。
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31 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
はじめに「対抗」ありきなところが旧左翼的, 2009/9/22
既存の労働組合、正社員が既得権益側にスライドして しまった今、「対抗」の場は「ストリート」に。。 というのは、なるほど、現在はそうなのかという状況 認識としては理解できる。 しかし、「マルチチュード」や「帝国」を援用しても、 はじめに「対抗」ありきの発想そのものが、何か 旧態依然とした左翼的で、自閉的な発想にしか思えない。 NAMがなぜ失敗したのか、本書からは伺いしれない。 ポスト資本主義にガッチリくみこまれつつ、毎日の 仕事をきちんきちんとこなしていくサラリーマンに とっては、誤解をおそれずいえば、本当に「こぼれ おちた」ポジションにいることは、「帝国」のせい なのか?それ以外の要因はまったくないのか? 多様性という耳障りのよさに、単なる相対主義に 陥っていないのか?埋もれ全うすることを選び取る ことこそが王道ではないのか?といった懐疑が微塵も 感じられない議論、 メインストリームでないこと、それだけで諸手を あげて肯定的な見方をするような弱者絶対主義(に みえる)偏った方向軸には、正直胡散臭さしか感じ られない。 ムーブメント?の現状をおさえる、という「啓蒙的」 要素しか本書には感じないが、その役割としては 有益ではあるので、星3つです。
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7 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
資本主義の原理論が「不均衡動学」なら、法人の原理論が本書, 2009/9/22
画期的で斬新です。 要は2つのキーワード。 1法人の二面性 2組織特殊的な人的資源 モノとしての法人(売買される客体)が ホールドアップの危機から、2を守るため にもつヒトとしての法人の顔(所有する主体)。 2を資源として、法人の存在理由として原理的に 位置づけた意義は計り知れない。 「暗黙知」といったタームで組織論やコミュニケ ーション論の枠内でしか語られなかったものを 明確に原理論として、「資源」と定義した(でき た)枠組を提出しえた力量はさすが。 資本主義に対する原理論が「不均衡動学」や「貨 幣論」なら、法人に対する原理論が本書。 岩井氏の面目躍如といえる重要な一冊。
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
世界の見え方が変わる有名な論考。文庫の意義は大きい。, 2009/9/22
古代、中世、近世と絵画やレリーフにみられる空間とモノの 描かれ方を分析し、パースペクティブ=世界の把握の方法が どのように遷移してきたかをあとづけたあまりに有名な論考。 「近世の均質的透過的空間」や「風景」といったことが議論 されるときには、ふれられることも多く、かなり以前から論 文の存在と議論のアウトラインだけ間接的には知っていた (すでになんとなく読んだ気になっていた感すらある)。 それ自身が文庫化された意義は大きいと思う。 その考え方を知る前と後とでは、世界の見方が変わってみえ る1冊。 初めて知る方には、是非おすすめする。 物理的、構造的にカメラの比喩で語られることの多かった 視覚について論じた部分は、画法やイコン分析を超えて、 身体的な意味論や脳科学にも通しる視覚認識における可塑性 を論じており興味深い。というより、見えるものをそのまま みている、ということへの明らかな懐疑から、遠近法を「象 徴形式」として論じる。
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21 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人が行う行為の奥深さ, 2009/8/11
本書の面白さについてはdvrmさんのレビュがうまくまとめられて いるのでくりかえしません(本書の解説より見事だと思います)。 われわれが行っている経済的な行為が、もともと実効性などの 単純な経済的な価値からだけでおこなわれてきたのではないこと。 宗教的、審美的でもある「全体的社会的事象」であること。 物々交換も貨幣経済も派生的なもので、交換する人と物とか 混交した贈与という行為こそが、一般的に見られる仕組みで あったこと。 人と物とがあたりまえのように切り離されていることに慣れた われわれが、時に富の呪縛に翻弄されるのも、これらの残滓な のだろうか。
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26 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
音声を消しても楽しめることの素晴らしさ, 2009/8/10
圧倒的な波のうねりやポニョの疾走感で90分押し切った作品。 もはやこざかしいストーリや、カット技法はふきとんでしまいます。 アニメーションとは動きそのもの、ということを改めて教えてくれます。 たぶん、文法や意味から自由で、動きそのものを直視できる子どもには 胸躍る作品だと思います。 「圧倒的」という形容がふさわしい。 ある意味、宮崎駿の仄暗い衝動が全開しています。 ジブリ作品のなかで一、二を争う芸術性の高さです(純粋にアニメーショ ンとは何かだけにこだわっている点で)。
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14 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
戯言シリーズ文庫化完了。あらためて読んで。。。, 2009/8/2
シリーズ1作目から再度通読してみましたが、 やはり心地いい疾走感でした。 戯言の文字どおりに、ある意味コトバ自身が主人公。 伏線回収などのつじつまあわせは、もはやどうでも いい気がしました。 物語ることを仮に装いながら、ほとんどオートマチック な横滑り感で疾走していく戯言を楽しむシリーズです。 特にネコソギ3巻の「物語」を紡ぐことへの、愚直すぎ るほどの懐疑(のフリ)、しかし、結局はハッピーエン ドを選び取る諦念と確信(のフリ)は、西尾さんにとっ て、必然だったように思えます。 このプロセスをへて、あらためて物語を書くことへの 西尾さんなりのスタンスがかたまったように思えます。 (「化物語」等との色合いの違いも、たくましさかな?) 伊坂某とか読んでてつまらないのは、やはりこうした 恥ずべきこと、しかし今や必ず経なければならないことを 経由していない能天気さを感じるからかもしれません。
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2 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
このミス1位の根拠を教えて欲しい, 2009/7/19
それなりに面白いし、職人芸的な文章の上手さを感じさせます。 シミタツ本は本書がはじめてです。非常に安定した実力をお持ち の上手い作家さんなのは、よめばすぐにわかります(今野敏と同 じようなそつないうまさデス)。 マーロウみたいにハードではないが、そこそこありそうなハード ボイルド的シチュエーション、露骨にならない程度に抑えた理想 的な欲望の交感や、感情移入しやすいダメだオレ的失望感。。。 中年サラリーマン向けの「萌要素」をきちんとおさえています。 そういう意味では、本書は新幹線の往路で読むには、それ相応に 楽しめます。伊坂某のように、陳腐な似非文学臭を漂わすこともなく 読んだ時間を返せ!と思うことはありませんでした。 その意味で作品そのものへの評価は★×3ぐらい。 2時間ドラマの原作本にうってつけってレベル。 が、帯の「このミス1位」という文句に惹かれて買った経緯を勘案 すると、★1つ減点です。 それと、本編とは関係ないけど、解説が最低レベル。 「最高の夫婦小説」とか書いてるんだけど、正直どうしようもない なと思いました。「夫婦小説」としてみたら、あまりにチープで類 型的な関係描写でまったくつまんないでしょ。 こんな関係を理想の夫婦と夢想できるところになんかむなしさを感 じました。
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
頭のいい軍人だったをことうかがわせる文章, 2009/7/19
太平洋戦争の際、まさに陸軍の中枢にいた本人の手記 というそれだけで読む価値があります。 評論家、歴史家の「復元」や「裁定」からは窺えない ものが本書にはあります。 歴史が実際に個人にどのようにたちあわれるのか。 一兵卒の「オーラルヒストリー」と同じように、 中枢にいた将官の生身の太平洋戦争が刻まれた手記です。 戦況の詳述部分は、ある程度その戦いについて、教科書的 な知識がないとわかりつらいです。しかし、文章そのものは、 極めて簡潔です。個人的にはこういう文章をかく人物は 信用していいように思えました。 その証言で武藤を絞首刑にさせたといわれる田中隆吉の手記 とあわせて読んでください。 (文庫ででていましたが、今は品切れのようす)。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
だれもが一度はもつ視点を突き詰めた本, 2009/6/27
「相対主義」は自分や他人の価値観とか、コミュニケーションとか の問題を考えたことのある人ならば、一度は到着する立場だと思い ます。 そうして、もう少し深く考えた人は「自己言及性」「再帰性」とい った問題を考え始めるんじゃないかと思います。 だいたいこの辺までは、ちょっと内向的な少年少女なら、一度は考 える青春のテーマ(Wなのだと思います。 その後は、本格的に論理学や言語哲学へ突き進む人も中にはいるか もしれませんが、普通の人は「人の考えはそれぞれだよなあ」とか なんとかいって、まずは一区切りつけ、考えることをやめるわけで す。 本書はさらにその先にこだわった本です。 そういう意味では、著者は皆がとうにやめてしまった遊びを、みん なにかわってずっと続けてきて、大人になった今でもなお極めてく れているわけです。 本書はその鍛錬の中間報告になります。 是非、読んでみて下さい。
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