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民宿雪国
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樋口毅宏著
エディション: 単行本 |
| 価格: ¥ 1,470 |
| 在庫状況: 在庫あり |
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4 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
労働の時間, 2011/6/14
語り手が読者の思い込みをひっくり返してゆく手法は、小説ならではのもので、作者の仕掛けの高度さを感じ、面白く読んだが、それが日本の戦後世相史とリンクさせてゆく後半部から、単に薄っぺらであざといものとなった。パワーはあるが、それは小説という制度に乗っかっただけのもので、人間は描かれていない。人間はこんな奇形なものではない。だから逆に小説という仕掛けを使うと、こんなにも人間は奇怪なものに描けるという可能性を示した。作者が農林漁業や工場労働などの労働時間を繰り込むようになると、また面白い世界が描けるような気がする。
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49 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
酸欠の金魚, 2006/10/27
酸欠の金魚がぱくぱくいっているような映画。 うんざりだ。 ひとつしかない位相で懸命に詩を刻んでいる。 監督自身がそこにいる。 そんなに自分の傷が正しいか。 そんなに自分の位相を守りたいか。 金魚鉢を破壊すること。 自分を満たすエーテルから脱出すること。 少年少女の無間地獄を救うにはそれしかないのに、 岩井俊二は美化と自愛で酸欠の金魚を閉じこめている。
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6 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
我修院達也である, 2006/7/24
PARTY7の失敗は我修院達也の出番が少なかったことだろう。 鮫肌での我修院は魂が浄化されるほど鮮烈だった。 我修院が「若人あきら」だったと知って尚おどろいた。 この人の活かし方で日本映画の質は格段に変わるだろう。 高倉健とか役所広司なんかとも組み合わせてみたい。
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15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
重さの音, 2006/7/24
ジョゼが椅子から投身するたびに、生きることのやりきれない重さの音がした。 池脇千鶴はぶっきらぼうな関西弁で、ジョゼの諦念を好演していた。 引き受けざるを得ない自己条件が違う時、分かり合うことはあり得ない。 ただ互いの幻想が癒し合い傷つけ合う。 別れた後、その断層の深さに気づき、自分を忘れて泣くばかりだ。 だが、老婆のようだったジョゼの諦念は、ツネオとの恋愛の後、美しい強さを湛えている。 それが世界の真ん中に立っている。
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ある子供 [DVD]
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| DVD
~ ジャン=ピエール・ダルデンヌ |
| 価格: ¥ 3,135 |
| 在庫状況: 在庫あり |
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5つ星のうち 4.0
神の視線, 2006/7/13
ダルデンヌ兄弟の、人物に張り付くような視線は、今作で少し俯瞰し、風が通ったように思った。 ひとりの人間を、予定調和の物語に流されることなく見続けること。 僧の苦行のような行為を観客は強いられるが、それがいつの間にか「神の視線」に近づくことであることを知らされる。 ダルデンヌ兄弟は、どうしようもない人間を凝視することによって、世界の裸像を見せる。 それは決して絶望的なものではない。
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5 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
壊れているだけ, 2006/3/9
塾講師が反抗的な女子生徒の魅力に負けて、行くところまでいっちゃった、てな映画。女子生徒の方も、ここまで付き合ってくれた大人はあなただけ、と情が移ってしまいました。それにしてもいまだにインドは神秘と救済の国かい? 色んなステロタイプに、これは「お笑い」か、と思いきや、意外に大まじめに話を引っ張ってゆきます。ただ単に監督が壊れているだけなんじゃないでしょうか。
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49 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
空気の悪い密室劇, 2006/2/12
「ユリイカ」の青山真治がこんな安っぽい映画を作るとは。 喋る、喋る。阿呆かと思えるほど皆しゃべる。 沈黙が表現たりえることを「ユリイカ」で示した青山が、ここでやっていることは何なのか。 山も空も湖も屹立せず、子どもを理解不能の向こうへ追いやって、未熟な「大人」どもが薄汚く自閉してゆく、空気の悪い密室劇だ。 互いが互いの他者と成り得ないこと。 その契機を示せないこと。 ただ死体だけが厄介者としてそこにある。 こんなものが「時代の病」なら、もうすぐ洪水が押し寄せて、みんな死体になるしかないんだろう。 「お受験」だの「親子」だの「愛人」だのアホか。 みなで仲良く湖の底に沈んじまえばいい。
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9 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
天使の歌声, 2006/1/23
ラストシーン、金色の(異形の)天使が蒼空で唄い、それを見上げるオルランドが、異星人の眼差しで真っ直ぐにこちらを見詰めるとき、深い遠いところからの私が、一気に浄化されるような気がした。 突き抜けて 壁を突き抜けて 溝を飛び越えて あなたの所へ 一つに合体するこの瞬間 歓喜に身をゆだねて 私はついに自由を手にした ついに過去から 切り離されて 手まねく未来からも 解放されて… 突き抜けて 壁を突き抜けて 私はもう女でもなく 男でもない 顔は人間で 一人に溶け合った 顔は人間で 一人に溶け合った この地球にいて 同時に宇宙に存在する この世に生まれ 同時に死を迎えている この地球にいて 同時に宇宙にも存在する この世に生まれ 同時に死を迎えている 監督サリー・ポッターのメッセージは明確で、過去からも未来からも、いまここからも、存在は解放されてありうるということを、私たちは既にそれを知っているということを、まるでキャッツアイ星雲を鮮明に捉えたハッブル宇宙天文台のように、あなたの日々の中にある一瞬の美のように、唄いたかっただけなんだ。
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31 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
それで充分, 2006/1/13
人間賛歌。 それで充分だ。 戦争も拉致も民族も恨も差別も何かがクリアしてゆくだろう。 ハッブル宇宙望遠鏡がぼんやりした星雲を次々にクリアな画像にしてゆくように。 要は現実を解放する大きな視点があればいい。 この映画はそれをエンターティメントにした。 政治のあれこれは所詮貧しい。 日々の生活を美しくする以外何があるというのだ。
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息子のまなざし [DVD]
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| DVD
~ ジャン=ピエール・ダルデンヌ |
| 在庫状況: 再入荷見込みが立っていないため、現在ご注文を承っておりません |
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6 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
深くなる眼差し, 2005/12/4
作品を批評するとは、その作品の先を行って、折り返す行為だと思っているが、この作品の先へはなかなかゆけない。それだけ考えに考え抜かれている。 極端に狭い視野と説明のないセリフ回しは、中年男がつけ回す少年との関係が明らかになるまで、見る者を不快な宙ぶらりん状態に置く。だが、「ことの次第」が分かってくると、私たちの眼差しは一気に深くなる。 主人公の至近から離れないカメラワークは前作「ロゼッタ」と同じだ。 この息苦しいような距離感は、一人の人間をじっと見詰めるという行為をわれわれに強いて、いかにわれわれが世界を薄い情報、薄い視野で裁定し、やりすごしているか突きつける。 役者の力量も大したものだ。
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