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アデスタを吹く冷たい風 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
アデスタを吹く冷たい風 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
トマス・フラナガン著
エディション: 文庫
価格: ¥ 972

17 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 名短編集の復活, 2015/6/5
【収録作品】
アデスタを吹く冷たい風
獅子のたてがみ
良心の問題
国のしきたり
もし君が陪審員なら
うまくいつたようだわね
玉を懐いて罪あり

寡作だが名手として知られる著者のミステリ短編を日本独自に編んだ短編集の待望の復刊。
冒頭の四作はフランコ独裁政権下のスペインをモデルとしたような架空の共和国の憲兵、テナント少佐を主人公とした連作。
自己の良心と抑圧的な体制との狭間で苦悩し葛藤するテナントの姿を見事に活写しながら、チェスタトンを思わせる盲点を突いたアイデアと驚きに満ちたミステリとしての興趣が相反する事なく一体化している。巧妙な密輸方法を描いた表題作と「国のしきたり」、アメリカ人医師の射殺事件の意外な真相「獅子のたてがみ」、さらにナチス残党を巡る事件「良心の問題」といずれも素晴らしい出来栄えであり、陰翳深いテナントの肖像は永く心に残り続ける。
「もし君が陪審員なら」と「うまくいったようだわね」の二篇は存分に捻りの効いた皮肉な展開のサスペンス。どちらも辛辣なサプライズ・エンディングが待ち受ける。
そして傑作揃いの本書に於いて白眉と云うべきは「玉を懐いて罪あり」だろう。別題「北イタリア物語」としても知られ、頻繁にアンソロジーに採用されている歴史ミステリの逸品であり不可能犯罪物の名作。典雅な筆致の中に権力の冷酷さを滲ませる結末が印象的。ポケットミステリ版では冒頭に置かれネタバレとなっていた訳注が末尾に移されたのは喜ばしい。
新たに加えられた千街晶之氏による解説も読み応え充分だ。


穴 [DVD]
穴 [DVD]
DVD ~ 京マチ子
価格: ¥ 2,039

3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 スタイリッシュな演出と京マチ子の素晴らしいコメディ演技を堪能, 2015/6/5
レビュー対象商品: 穴 [DVD] (DVD)
ノンクレジットだが、ウイリアム・ピアスンのミステリ「すばらしき罠」の映画化。脚本は久里子亭(クリスティのもじり。市川崑と妻、和田夏十の共同名義)による。
京マチ子が意外なまでに素晴らしく可憐なコメディエンヌぶりを見せる大活躍。
スタイル至上主義者、市川崑の面目躍如と云うべき軽快でドライなタッチのサスペンス喜劇。そして大映の数多い翻訳ミステリ映画化の中でも一二を争う傑作。
時代の寵児だった石原慎太郎がセルフパロディめいた役回りで歌声を披露するご愛嬌もあり。


処刑の部屋 [DVD]
処刑の部屋 [DVD]
DVD ~ 川口浩
価格: ¥ 2,039

1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 冷徹な演出と美貌が生む異様なクールネス, 2015/6/5
レビュー対象商品: 処刑の部屋 [DVD] (DVD)
石原慎太郎による物語は時代性を鑑みてもいささか通俗的だが、市川崑のスタイリッシュで冷徹な演出と若き日の若尾文子の美貌、それが醸し出す異様なまでのクールネスから目を離すことは出来ない。同じく太陽族を材に採った中平康の煌びやかな傑作『狂った果実』の叙情美と好対照を成す傑作。


平城商事 虫とりシート 吊るしてGET虫ミニ(10枚入り) GT-002
平城商事 虫とりシート 吊るしてGET虫ミニ(10枚入り) GT-002
価格: ¥ 648

5つ星のうち 3.0 設置場所に注意, 2015/6/1
Amazon Vine 先取りプログラム メンバーによるカスタマーレビュー (詳しくはこちら)
小蝿が多いベランダに設置してます。粘着力はまずまずですが、風に揺れて周りに着かないよう設置に結構苦労しました。むしろ床に敷いてゴキブリ取りなどに使う方がいいかも。農薬など使わないエコな点や往年の蝿取り紙風な感じは気に入りましたが。


街角の書店 (18の奇妙な物語) (創元推理文庫)
街角の書店 (18の奇妙な物語) (創元推理文庫)
フレドリック・ブラウン著
エディション: 文庫
価格: ¥ 1,015

20 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 奇妙な味とブラックユーモアを堪能させるアンソロジー, 2015/6/1
【収録作品】
ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」
イーヴリン・ウォー「ディケンズを愛した男」
シャーリイ・ジャクスン「お告げ」
ジャック・ヴァンス「アルフレッドの方舟」
ハーヴィー・ジェイコブズ「おもちゃ」
ミルドレッド・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」
ロナルド・ダンカン「姉の夫」
ケイト・ウィルヘルム「遭遇」
カート・クラーク「ナックルズ」
テリー・カー「試金石」
チャド・オリヴァー「お隣の男の子」
フレドリック・ブラウン「古屋敷」
ジョン・スタインベック「M街七番地の出来事」
ロジャー・ゼラズニイ「ボルジアの手」
フリッツ・ライバー「アダムズ氏の邪悪の園」
ハリー・ハリスン「大瀑布」
ブリット・シュヴァイツァー「旅の途中で」
ネルスン・ボンド「街角の書店」

創元推理文庫の中村融氏によるアンソロジーはテーマ性と収録作品の質、希少さのバランスが絶妙で常に敬服する。本書も期待に違わぬ内容だ。乱歩曰くの《奇妙な味》を漂わせた、黒い哄笑が聞こえてくるようなユニークな短編が揃う。
一見典型的なアメリカン・ユーモアの「肥満翼賛クラブ」のグロテスクな結末に思わず仰け反る。有名な「くじ」の作者らしからぬ心暖まる「お告げ」、本好きの究極の夢を叶えたような表題作、以上の三作品を改めて紹介するのが本書を編む主因であったそうだが、いずれも読後強烈なインパクトを残す名編で納得。
ウォーの英国人らしい取り澄ました顔で見せる底意地の悪い残酷さ、唐突な結末に慄然とするヴァンス、ゼラズニイの見事なアイデアの掌編、ドナルド・E・ウエストレイクの別名義によるビザールなクリスマス・ストーリー「ナックルズ」、ヒュー・ヘフナーをモデルにしながらも余りの奇想に言葉を失うライバー、不吉な寓話のようなハリスンなど有名作家のレアな作品が並ぶ中、最大の驚きは文豪スタインベックによるとは思えぬ、唖然とするほど愉快な法螺話。
読み手も凍てつきそうな極寒の描写のリアルさと幻想が見事に交錯する「遭遇」も素晴らしいが、個人的なベストは「姉の夫」だ。玄妙な筆致の中にアンモラルな感情と冷ややかな恐怖を忍ばせた英国怪談の傑作。
コメント コメント (3) | 固定リンク | 最新のコメント: Jun 11, 2015 12:40 AM JST


堀辰雄/福永武彦/中村真一郎 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集17)
堀辰雄/福永武彦/中村真一郎 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集17)
福永武彦著
エディション: 単行本
価格: ¥ 3,024

6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 反知性主義の対極として, 2015/5/31
明治から昭和にかけて、否、万葉の昔から日本の文化史は海外からの知識や教養を如何に自己流に昇華して行くかどうかの試行錯誤と葛藤にその興趣があった筈だが、反知性主義などと呼ぶのにも値しない無知と無恥が跋扈する現代日本に於いて、懸命に欧米流の、ことにフランス文学の骨法を自分なりの表現にしようと格闘した彼等の試みを振り返るのは真に意義深く思える。それが今読んでも面白いのなら尚更だ。「廃市」の悲痛で美しい詩情は特にその素晴らしい結実であろう。編者は遠慮があるのかも知れないが福永武彦は一巻を与えられるのに相応しいのではないか。


ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ
ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ
価格: ¥ 1,080

5つ星のうち 5.0 ソフトロックの象徴であり最高峰, 2015/5/31
本当は何も言葉が要らない永遠の名盤。
全てが素晴らしい楽曲と歌唱、演奏の儚い美しさに涙する。
日本人がイメージするソフトロックの象徴であり最高峰。


何かいいことないか子猫ちゃん
何かいいことないか子猫ちゃん
価格: ¥ 1,080

5つ星のうち 5.0 華麗なるバカラック・タッチ, 2015/5/31
トム・ジョーンズによる過剰なまでにパワフルでユーモラスなタイトル曲、スウィンギン・ロンドン只中の息吹を伝えるマンフレッド・マンの軽快なMy Little Book、ディオンヌ・ワーウィックがしっとりと唄う名曲 Here I amなどヴォーカル曲も素晴らしいが、バカラックによる劇伴がヒップかつエロティックで、いささか狂騒的な映画の内容に相応しい最高の出来栄え。まさに華麗なるバカラック・タッチ。


シングス・フォー・プレイボーイズ
シングス・フォー・プレイボーイズ
価格: ¥ 1,080

1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 1950年代アメリカの粋と優雅, 2015/5/31
主役のビヴァリーの時に弾むように可憐な、時にしっとりとした情感を漂わせる歌唱が実にチャーミング。当を得たピアノ伴奏もスウィンギー。
ユーモラスなジャケット写真の印象通り、粋で優雅な1950年代アメリカの光の部分を象徴するかのような作品。


一瞬の敵―リュウ・アーチャー・シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1244)
一瞬の敵―リュウ・アーチャー・シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1244)
ロス・マクドナルド著
エディション: 新書

1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 良くも悪くも典型的な後期アーチャー・シリーズ, 2015/5/31
今は亡き瀬戸川猛資氏も確か『夜明けの睡魔』の中で本書を賞賛していたがエラリー・クイーン顔負けのフーダニットとしての面白さは第一級。
しかし多過ぎる登場人物の未整理が物語を必要以上に錯綜させ停滞させている点や、準主役というべき悲劇的で無軌道な少年のキャラクターを活かしきれず、テーマ性がいささか希薄になってしまったのが残念な所だ。
殴られたアーチャーが自らの老いを実感する場面などシリーズの読者には感慨深い箇所も。
良くも悪くも後期ロス・マクドナルド作品の特質が露わな作品だ。


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