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5つ星のうち 5.0
良質のコメディは飽きない, 2009/6/12
良質のコメディは飽きない。スルメのように噛めば噛むほど味がじわーと滲み出してくる。 かつて映画評論家の荻正弘氏が、「期待していない映画で、何気なく国際線の機内で 見ていたのだが、だんだん見るうちにただものでないと感じてきた。」という趣旨のことを 語られていた。確かに二ールサイモンのお話は、何でもない話がただものでない。 脚本も役者も巧いのだが、音楽も凄くいい。最近特に邦画で多いのだが、何か制作上の 制約かタイアップか知らないが、物語と関係なく有名歌手の歌が流れビックリして白ける ことがある。「グッバイガール」はエンドロールはこうでなくっちゃと思えるお手本だ。 この映画はラストシーン含め「公衆電話」が重要アイテムだ。映画を見ていて、ここで 携帯電話使うといいのに・・と時々思うことがある。だから「携帯前」と「携帯後」とに 分けて映画を考える必要がある。でないと話が成り立たない場合がある(特にサスペンス) それからどうでもいいこと言うけど、洋画には、よくスバルが登場するんだよね。 これもタイアップかな?
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5つ星のうち 5.0
結構イイ味の80年代邦画, 2009/5/24
1980年代の作品を見ると、観ちゃいられない気分になる時がある。ファッションにしても 台詞にしても古臭い感じがして、いっそ古典ならまだしも近い過去に反って嫌悪してしまう。 ポストモダンというものが、ちっとも「現代の次の時代」に感じられないのと一緒である。 ところが、この「探偵物語」に限っては、ギリギリのところで結構イイ味を出しているのだ。 いつもと違う松田優作もいい。「ブラックレイン」「野獣死すべし」といった狂気迫る演技や 「それから」のように心まで描ける役者だが、この作品では計算して肩の力を抜いている。 薬師丸ひろ子も上手い。チークダンスを踊る時のなんともいえないピュアな恍惚とした表情。 最後にひとりで松田優作のアパートに訪れた時の台詞回し。単なるアイドルでない将来性を 感じさせる。そしてラストは・・満場一致で日本映画史上BESTキスシーンにランクインだ。
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5つ星のうち 4.0
痛々しい愛のチカラ, 2009/5/4
パニック症候群で失業した若者が新興宗教に傾倒し、同棲相手の彼女は救い出そうとするが チカラ及ばず、ついに崩壊する過程を淡々と描いた映画。と言ってしまえばそれまでである。 何故題名は、「ある朝スウプは」なのか? 何故コピーは、「純愛100%映画」なのか? 答えは最初と最後のシーン、朝日射す小さな部屋で食事をしながら交わされる二人の会話に 凝縮されている。「違うこと考えていた」「結局他人なんだね」。しかし作者は、その先に 宗教も超える愛がきっと芽生えているという一縷の希望を残したかったんだ、と思いたい。 ひとつ難点を言えば、登場人物がほぼ二人だけで、それだけ台詞が重たい映画だけに、その 台詞自身が聞き取りにくいということは、自主映画ということを割り引いても残念であった。
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5つ星のうち 5.0
閉塞感からの脱却, 2009/4/30
赤い布切れは、潮風にボロボロになりながら、枯れ枝に纏わりついている。 飛ばされて空に舞いたくても舞えないまま、やがて朽ち果てて行きそうだ。 四国西南端の田舎町、滑稽なまでに精一杯生きている人々。 大きな絶望を含んだ閉塞感で、今にも押し潰されそうな自分という存在。 溺愛する母親の小鳥を逃がすことで、自分も脱却できるのか・・。 祭りの準備をしてきたが、きっと憧れた東京には祭りなどない。 ドロドロした自らの故郷にこそ祭りは確かに存在し、そのことを知った主人公は、 原田芳雄の妹のように、節の外れた荒城の月を歌いながら帰ってくるのだろうか。 中島丈博の脚本、黒木和雄の監督、原田芳雄の快演という夢のような コラボレーションによって、この作品はATGの頂点を極めた。 竹下景子のお宝映像など忘れてしまいそうなエネルギーだ。
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5つ星のうち 4.0
夏木マリのようなお母さんは好きですか?, 2009/3/23
60年代のオールディーズに乗って、親娘の奏でる軽いタッチのラブコメディ。これが全てだ。 しかし幾つかの発見もあった。例えば64年のニューイヤーパーティー。なんと年が明けて、 みんなで「蛍の光」を歌ってた。それが普通なのか?私は知らなかった。またシャレた台詞も あり英語の勉強にもなる。例えば、「So,call me Lue.」「So,Lue call me.」とかね。 それから、ケネディ大統領の暗殺がテレビやラジオで流れる。この事件を扱った映画は、 「JFK」「ダラスの熱い日」はじめ枚挙に暇が無いが、学校の授業中に先生が突然教室で 生徒に告げたり、あちこちでの町の人たちの嘆きや悲しみの様子が登場したのは珍しい。 ただいただけないのは、新しく流行しているツイストの解説が、喪に服しているであろう その翌日のテレビで流れたことだ。その当時の風俗を描くあまり策に溺れた結果であろう。 まあ、そんなこと関係なく三女性(ひとりはおませな娘)を覗き見て楽しめば良い映画だ。
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5つ星のうち 4.0
夏木マリのようなお母さんは好きですか?, 2009/3/23
60年代のオールディーズに乗って、親娘の奏でる軽いタッチのラブコメディ。これが全てだ。 しかし幾つかの発見もあった。例えば64年のニューイヤーパーティー。なんと年が明けて、 みんなで「蛍の光」を歌ってた。それが普通なのか?私は知らなかった。またシャレた台詞も あり英語の勉強にもなる。例えば、「So,call me Lue.」「So,Lue call me.」とかね。 それから、ケネディ大統領の暗殺がテレビやラジオで流れる。この事件を扱った映画は、 「JFK」「ダラスの熱い日」はじめ枚挙に暇が無いが、学校の授業中に先生が突然教室で 生徒に告げたり、あちこちでの町の人たちの嘆きや悲しみの様子が登場したのは珍しい。 ただいただけないのは、新しく流行しているツイストの解説が、喪に服しているであろう その翌日のテレビで流れたことだ。その当時の風俗を描くあまり策に溺れた結果であろう。 まあ、そんなこと関係なく三女性(ひとりはおませな娘)を覗き見て楽しめば良い映画だ。
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5つ星のうち 4.0
エスプリの効いたお気楽アート映画, 2009/3/14
「B級映画だなぁ」とダラダラ観ているうちに、意外と崩れず最後はなかなか面白かった と思えてくる作品である。ラストシーンは昔の邦画「また逢う日まで」の名場面と同じだ。 (と言っても、みんな解らないからネタバレにならないよね。解る人がいたらゴメン!) 特にこの映画の良いところは「アート」の扱いである。アーティストがテーマの映画は、 その人の作品が使えないので、どんなに似せてもうそ臭く、結果ほとんどつまんなくなる。 ところがこの映画はアートスクールが舞台なので、みんなの作品がヘタクソでも問題ない。 またライバルの稚拙な「スポーツカー」の絵の評価が「動態から動きを削り落とした作品で、 アウトサイダー・アートに通じる。」などと、なかなか的を得たコメントや場面が出てくる。 主人公が名声を博する原因も、昨今のアートシーンを風刺していて私には面白いと思えた。
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5つ星のうち 4.0
エスプリの効いたお気楽なアート映画, 2009/3/14
「B級映画だなぁ」とダラダラ観ているうちに、意外と崩れず最後はなかなか面白かったと 思えてくる作品である。ラストシーンは昔の邦画「また逢う日まで」の名場面と同じだ。 (と言っても、みんな解らないからネタバレにならないよね。解る人がいたらゴメン!) 特にこの映画の良いところは「アート」の扱いである。アーティストがテーマの映画は、 その人の作品が使えないので、どんなに似せてもうそ臭く、結果ほとんどつまんなくなる。 ところがこの映画はアートスクールが舞台なので、みんなの作品がヘタクソでも問題ない。 またライバルの稚拙な「スポーツカー」の絵の評価が「動態から動きを削り落とした作品で、 アウトサイダー・アートに通じる。」などと、なかなか的を得たコメントや場面が出てくる。 主人公が名声を博する原因も、昨今のアートシーンを風刺していて私には面白いと思えた。
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5つ星のうち 5.0
hitori noオーエルno kurasi to kokoro, 2009/3/1
ATGとしては後発の作品である。今改めてDVD化されて観ると、そうか昭和54年頃の 京都の大学を出たばかりのOLの生活と、恋愛観や仕事観等ものごとの考え方は、およそ こんな感じだったんだなぁと振り返り理解できる。カナダ人監督の極めて深い洞察である。 即興の台詞と同時録音で創ったらしく、そのことが台本を読むよりリアリティを醸し出し、 ひとりのOLの生活をまるで覗き見るようなドキュメンタリー的な味わいを増加させている。 今村昌平や原一男といったドキュメンタリー作品とは、また異なる「しっとり感」である。 keikoとしたところは「外国人監督の」という意図があるのかも知れないが、それを省いても 十分だった。さらにアマチュアっぽい創りだが、音楽は深町純であり、重要な助演の絡みは きたむらあきこと押さえどころがしっかりしているから、最後まで厭きることがない。 若芝順子さんという主演女優のことを調べても、どうしても判らなかったが、ある建築家の ブログの何気ない記述に発見した。keikoの時代と比べて便利な世の中になったものだ。
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5つ星のうち 5.0
色々想像させるのが映画?, 2009/3/1
Wパブロ監督が、「観客に色々と想像させることが映画の役割」と言っているくらいだから、 まさにラストシーンはそのような終わり方になっている。まず何故ゆえにハコボはマルタに 妻役になってもらったのであろうか?またそのように弟に偽る必然性があったのだろうか? これはある程度答えが用意されている。母親の看病をマルタが手伝っていたのではないか? ところが、ラストは皆目見当がつかない。これは上記は答えが用意されていたが、その後は まったく作者も答えを用意していないからであろう。(こういう時、責任者出て来いこい! という漫才が昔あった。)私は単に「普通に戻った」と思えた。皆さんは如何でしょうか? それにしても東京映画祭に出展される見ず知らずの国の映画は、なかなかのもので侮れない。 生みの苦しみがあった映画祭であるが、知らない国の知らない映画を知るという定位置を 年々獲得しつつある。ミニシアターを潤し、私たち自身の知識や興味を広げてくれている。
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