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5つ星のうち 3.0
解き明かせない実情, 2011/9/3
プレートテクトニクスでの地震発生原因が常識化しているが、ほんの数十年前まではこの理論は無く、1960年代の岩波の雑誌「科学」に地下爆発説なる大部の論文が掲載されていたのを記憶している。 爆発説を裏付けるたいそうな数式がならんでいたが、空論であった訳だ。 この説を掲載した大先生も現在はプレート説であろう。 今回の大地震で、単純なプレート説だけでも駄目だという学会の流れらしい。 最近のNHKサイエンスZeroの番組らしく書名はいささか誇大表示であるが今回の震災に関するデータを概観する約には立つ、それ以上はあまり期待できない。地震学の現状であろう。 現状を率直に認めている著者の姿勢は是としたい。 東京湾はもと利根川の河口で地震発生源になる地層は90Kmくらいの下層であるから例え直下型でも大災害とはならないという説があるが如何なものであろうか? 現在の地震学に回答を期待するのは酷か? さりながら、本書は地震学の現状を知る意味で有効であり、更には無駄な有人宇宙飛行のような予算を地震、津波、原発処理技術分野に廻すべき思いを強くした。
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11 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
意図不明の書, 2011/8/28
若いポスドクの書物と割引いてみても内容が無さすぎる。 独立行政法人の研究者らしいが、公共機関の研究者として一層の研鑽を望む。 国公立の研究者には優秀な人がいる反面、地位に甘んじ、極めて微温湯的な人物が多いのに驚いた経験がある。 中小企業の相談窓口、問題解決支援の目的で設立された立派な研究所の研究者が 「自分の論文作成の役に立たないテーマは体よく断る」と私的な会話で公言したのには 民間の研究者として衝撃を受けた想い出がある。 著者紹介欄に血液型が記載されているが、科学書としては稀有である。 1980年代の都立大学心理学学科の「血液型で性格が決まるを信じる人の性格」なる研究報告がある。 著者に一読を奨めたい。
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5つ星のうち 4.0
医療関連の項目が欲しい, 2011/8/27
原発に関する技術面、社会科学面などを網羅した好著。 放射線障害と予防、治療などに関する項目が欲しかった。広島、長崎、福竜丸、チェルノブイリなどを参考にしたものが出版されることを期待したい。 子供の将来に悩んでいる親にとっては最大の関心事でもある。 チェルノブイリ事故後の甲状腺がんは当時5歳以下の幼児の10年後の発病が多いようだが(菅谷昭、下記)、TV映像では圧倒的に思春期の女性患者が多い印象を受けるが、発病に性差はあるのだろうか? この辺りを考慮した続編が欲しい。 たとえば、チェルノヒブイリ診療記の菅谷昭、原発事故を問うの七沢潔、チェルノブイリクライシスの奥原希行などの寄稿を望みたい。 東電の事故時の全データー公開は人類に対する贖罪である。それらのデーターを本書の技術面を担当した面々などが協力して解明し、報告されることを大いに期待する。 七沢氏の「原発事故を問う」によればチェルノブイリ原発責任者は刑事罰を受けている。東電事故は国際刑事罰ものである。 色々な意味で本書は原発事故に関するシリーズの第一巻と捉えるべきであり、今後更に充実させるのは岩波書店の義務でもある。 本書は勉強会資料としても有効だが、参考文献リストが無いのは残念。
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5つ星のうち 4.0
進化論誕生前夜の科学と教会の暗闘, 2011/8/23
怪獣の化石続出に驚く200年前の英仏の学会の実態が面白い。 旧約聖書のノアの洪水伝説がいかに強固なものか驚く。 当時の英国の大学教授は聖職者の色彩が強く、現在でも残っているガウンを羽織る習慣はこの名残らしい。 つぃ最近まで教会の権威は絶大で、それに英国の階級制度の影響の大きいことが判る。 宗教界の圧力は、宗教ファシズムとも思われるイスラム教だけが例外ではないらしい。 ダーウインの進化論誕生の背景としても興味がある。 色々と考えさせられる著書である。 P.90の植物(シダ)の直径1フィート(30cm)の記述は1インチ(2.5cm)の間違いであろう。14インチ(約30cm)の周囲長(直径は約10cm)の植物化石との比較である。
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5つ星のうち 4.0
最前線戦女性通訳の見た戦争と政治, 2011/8/14
原題は「戦場の女性通訳」、ドイツ軍がモスクワ郊外に最接近した非常事態からベルリン陥落、ヒットラーの自殺体遭遇までの記録と、それにまつわるスターリンの陰謀を戦後数十年後に公文書館で発見した長期間のドキュメンタリ。戦争とともに政治についても考えさせられる労作。 まずは、モスクワ接近の独軍の背後に落下傘部隊を降下させる作戦に降下経験皆無の女性通訳までを緊急参加させると言うソ連軍の発想には驚く。 ソ連時代の女性の社会参加は他国よりは進んでいたがここまでとは思わなかった。ウーマンリブの観点からも興味がある内容。戦地での交通整理担当の女性や女性狙撃兵などの話もある。 戦場の通訳として、逮捕され動転状態のドイツ軍斥候の異常な精神状態や、捕虜の尋問状況、ヒットラーの命令書や家族との書簡などからも戦争の内側が伺える。 ユダヤ、ポーランド、ロシア人殲滅や退却、降伏禁止のヒットラー命令、スターリンの捕虜経験者の冷遇などを当時の日本軍の状態と比較するのも一興。 独ソ不可侵条約締結後、ヒットラーに倣ってユダヤ系の優秀な将軍を粛清してソ連軍を弱体化してしまったスターリンの失敗が独ソ戦で大苦戦した一因らしい。 本書の後半はヒットラー最期の地下室やゲッペルスの日記などに相当の頁が割かれているが、ヒットラーとスターリンの両独裁者の話や、翻弄された名将軍ジューコフやその孫娘との戦後の対談は本書を概括する意味で重要である。 ヒットラーの歯型確認に協力したドイツ人歯科助手が後日スターリンの情報操作の犠牲となり、シベリア送りになった話は痛ましい。 モスクワ郊外からポーランド、ドイツまでの女性ならではの戦場経験や民家の主婦との交流などが興味深い。 232pのエルザスはアルザス?
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5つ星のうち 3.0
参考例のひとつ, 2011/8/14
過去にも類似症例のある話。一酸化炭素中毒で視覚機能障害を受けた患者の例。 全く新しい症例で、それに関する斬新な研究結果を期待すると失望をする。 問題解析法にも特別鋭さはない。脳科学、実験心理学の一般書の範囲を出ない。 関連分野の One of 'em の一例として一読する程度の内容。
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津波と原発
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佐野 眞一著
エディション: 単行本 |
| 価格: ¥ 1,575 |
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
大衆はいかにして原発導入に踊らされたか, 2011/8/9
「東電OL殺人事件」の著者が十数年後に東電原発事故について著述した、因縁めいた著書。 東電OL取材時の経験も本書に生かされている。最適の著者ともいえる。 福島原発のある相馬地区の江戸時代の情報は断片的に知っていたが、戦後の堤康次郎の話や、横須賀、群馬、福島の原発誘致合戦、米国と組んだ正力松太郎の原子力平和利用の人心誘導など原発導入の経緯を知る上でとても参考になった。 当時の新聞記事を整理すれば判ることではあるがプロパガンダに踊らされる怖さが改めて判る。 纏めは流石に手馴れており、読み易い。
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最強国の条件
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エイミー・チュア著
エディション: 単行本 |
| 価格: ¥ 2,940 |
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9 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
非西欧人の世界史, 2011/8/4
邦訳の題名と、著者がスパルタ教育のTiger Motherということで身構えて読んでみたが、むしろ親しみ易い世界史概観で、高校生の副読本として一読すれば暗記物の世界史に血肉が付く感じであろう。 4,5千年以前の文明初期では70歳以上の老人は殺されたとか、旧約聖書の事例と史実との関連など興味がある。 十字軍が二百年も苦労したイスラムを蒙古は二年で制圧、シルクロードの征服で金銀財宝をせしめた蒙古がさらに攻め込んだ当時の欧州は余りに未開発で期待はずれなど、西側史観とは違った視点で世界史が読める。 題は Day of Empire という極めて平明なもので内容も邦題のような仰々しいものではない。 日本の項目も含めて、公平な視点で書かれている。 p.218の「石鹸煮沸業」は洗濯屋のことであろう。
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
福島で生かせなかった貴重な記録, 2011/7/28
チェルノブイリ事故直後の情報未達のまま汚染地区で生活をした5歳未満の子供に10年後に甲状腺がんが多発している。チェルノブイリ原発関係者の居住していた原発直近の町の住民は事故後2-3日以内に退去しているのでこの種の病状は少ないらしい(本書では触れていないが)。 むしろ遥かに離れていた地区の幼児が10年後にがんに苦しんでいる。内陸でヨード摂取が日常的に少ないので、放射性ヨードの取込が多かったと著者は推定しているが、今回の福島の日本人で検証することになりそうだ(残念ながら)。 放射性降下物については類似事例が25年後の福島原発周辺で繰り返されている。和光市の理化学研究所敷地内の観測データでは水素爆発直後の3/15-16に高濃度の放射性ガス、キセノン133が記録されている(1.62μSv)、そして降雨時の3/21-24にはヨウ素131、セシュウム137が殖えている(0.2μSv超、その後は漸減し0.1近辺。理研ニュース,p11、図3,July2011)。 以上の事実を総合すると、福島原発近辺住民の退去はいかにも遅かった。風向、降雨などの気象条件を考慮した放射能警報システムが用意されていなかった、或いは隠匿されていたことは許しがたい。 気象庁自慢のスーパーコンピュータはお飾りか? チェルノブイリ事故後5年目くらいにIAEAは放射能の影響は軽微なる報告を出しているが、当時の幼児が思春期に達した10年後には甲状腺がんが続発している。IAEAは原発推進の国際機関だからこのようなものであろう。 広島原爆後のABCC、チェルノブイリ、福島と人間がモルモットになっている。広島原爆時には米軍も内部被爆のデータや知識は無かったらしい。ABCCで働いていた日本人軍医が「内部被爆を口外したら殺す」と米側に脅迫されていたとの証言を最近知った。ABCCは核戦争時の人体への影響の研究をしていたのであろう。 こうして外部被爆、内部被爆、危険線量などの情報が蓄積されていくとは何とも情けない。 本書は社会主義国の医療の実態を知る上でもよい参考になった。福島事故を受けての新版で「新版」のまえがき、あとがきも著者の人柄をしのばせる。 名文とは言えないが、誠実な著書である。
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5つ星のうち 3.0
唖然とする国連活動の実態, 2011/7/22
国鉄民営化移行時代にバンコクの国連事務所で働いていた鉄道技術者の経験談。 当時の在籍者の居なくなった現在、赤裸々の実態を記述。 かなりお役所的な国鉄に在職した著者も驚くRedTape。 各国の役人が国連職員として派遣されている集合体であれば当然にこの様な雰囲気になってしまうであろう。 「あれはトラブルメーカーだから国連にでも派遣してしまえ」と言うのもある筈で、この種の人物の集合体は想像するだに恐ろしい(この書物に登場する人物はこんなのが多い)。 国際協力、国際貢献の美名とその実態を知るのには好適。 人間集団に問題は付きものだが、それに外交官特権が絡むとどんなものか想像できる。 ユネスコ関連の理解しにくい組織が日本にもある。
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