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判事ヴィルヘルムさんが書き込んだレビュー
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Buon Vecchio Charlie
Buon Vecchio Charlie
価格: ¥ 3,045

1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ハイテンションで泥臭く哀愁爆発 こういう音こそ、まさにイタリア!, 2013/2/23
レビュー対象商品: Buon Vecchio Charlie (CD)
71年作。イタリアのプログレバンドBuon Vecchio Charlieがデビュー作用に録音しリリース予定がありながらも、当時はリリースされずに、お蔵入りになってしまった作品。サックス・フルートをフィーチャーした、ハード・クラシカル・ジャジーな作風。The Nice系統のオルガンロックに力強いサックスが入ったような、COLOSSEUM(特に「The Valentyne Suite」等)への憧れを感じさせるサウンド、フルートが活躍するとJethro Tull色も出てくる。血管が破裂して血が噴き出てきそうな熱いサックス・フルートは、オザンナのElio D’Annaと同じ臭いがする。攻撃的に転げ回るオルガン。荒々しいギター。勇ましくクラシカルなメロディで、サックス・フルート・オルガン・ギター・ベース等が絡み合う様がカッコイイ。血気盛んな、ハイテンションで勢いのある曲調が多く、一気に聞かされてしまうのが良い。イタリア語ボーカルは哀愁たっぷり。The Nice系の躍動的なクラシカルロック、ジャズロック的な熱くスモーキーな演奏、素朴なフォークソング等の要素を、生の素材のままごった煮にした感じ。少し強引で整理されてない、情熱・勢いだけで作ったような感じもある、だがその情熱・勢いが全てを超越してしまっている…これぞイタリアンロックな作品。大好きな作品です!
「VENITE GIU AL FIUME」は12分の大作。グリーグの「ペール・ギュント」の「山の魔王の宮殿にて」の旋律を用いクラシカルかつ邪悪に畳み掛ける展開(重厚なユニゾンと、飛び跳ねるフルート中心の疾走とが、激しく行き交うのが印象的)を軸に、熱狂し、様々なソロ中心の演奏へ繋がっていく。序盤は男臭く情念あふれるギターソロ(途中でサックスが割り込むのも絶妙)に胸が高鳴る。ボーカル部はフォーク調で、攻撃的なインスト部との落差でより叙情的に響く。中盤の小気味よく暴れ回るオルガンソロの後、熱情・哀愁をたぎらせたサックスが朗々と歌い上げるような場面はカッコよくて泣ける!シブい!思い切り感情移入してしまう。「EVVIVA LA CONTEA DI LANE」は優しく牧歌的な歌モノ(だが、オルガンが妙に忙しなく軽快なのも面白い)。フルートが美しい。後半は雄大な広がりを感じさせるインスト部へ。その中で身悶え金切り声をあげるサックス!たまらない。「ALL’UOMO CHE RACCOGLIE I CARTONI」は15分の大作。1曲目を更にめまぐるしく破天荒にしたような印象の曲。冒頭でアコギとフルートが提示するクラシカルでもの悲しいメロディを出発点にして、ハードに炸裂するギター・縦横無尽に駆け回るオルガン・身をよじり絶叫するサックス等が行き交いせめぎ合う前半インスト部はとにかくスリリングで興奮する!豪快さと疾走感が良い。情熱的かつ感傷的なボーカルが現れる中盤辺りは叙情性がグッと前に出て、まばゆい光に目を細めるような感動と、ヨーロピアンな翳りとを感じさせる。後半は大人っぽいジャズ風の展開があったりしつつ、最後は叙情的な大団円を迎えるのかと思いきや、前半のスピード感ある展開が甦り怒涛の終幕。

Juste Un Ligne Bleue
Juste Un Ligne Bleue
出品者:__inandout
価格: ¥ 3,386

5つ星のうち 4.0 クリスチャン・デカンのソロ作, 2013/2/23
レビュー対象商品: Juste Un Ligne Bleue (CD)
90年作。フランスの重鎮プログレバンドANGEのボーカル、クリスチャン・デカンの2ndソロアルバム。79年の1stソロ作の時の名義CHRISTIAN DECAMPS et Filsを再び使う。ほとんどの曲をクリスチャンデカンが作詞・作曲。フランシスがメインで作曲する本家ANGEでは出せる機会が少なかったクリスチャンデカンの作曲の才能が、存分に発揮される。デカンはボーカルとともに、キーボードとプログラミング等も担当。そこに曲に応じた様々なゲストを招く。ほとんどリズムは打ち込みで、バンド色薄めの曲が多く、本家ANGEではできないようなことをやっている、ソロらしい内容と言える。全体的に80年代的なスタイリッシュで軽い感じの作風だが、これはこれで悪くない。個人的には、8と16曲目がかなり好き。全16曲。
「Poeme narcotique」は次曲への前奏曲的なインストに、詩の朗読が乗る。「Juste une ligne bleue」は80年代ANGEを支えたギタリストSerge CUENOTが参加。更に、ANGEの86年作に参加した女性ボーカルMartine Kesselburgが一緒に歌う(彼女は本作中の多くの曲に参加)。どこかユーモラスでほんわかした音色の曲。「Le psychedeclique celeste de la vallee du Breuchin(inclus les amnesiques volontaires)」は前曲のテーマを引き継いだインストと、詩の朗読。「A nous deux le cosmos…」は女性ボーカルと一緒に歌う。美しくロマンチックなメロディが素敵! 聖歌を歌うようなシンセ音が印象的で、伴奏も歌・コーラスであるかのような感覚がある。「Sacapus ou La legende de Sacapucci」は再びSerge CUENOT(ギター)が参加。リズムこそ打ち込みだが、ギターが活躍しており、80年代ANGEにかなり近い雰囲気の曲。「Je, theme…..」は14秒の小曲。子供の遊び歌のような響き。「Pas tout de suite, pas ici !(je voudrais te dire !)」はもの悲しいバラード。メロディが素晴らしい。デカンの歌声が強く胸を揺さぶる。ひたれる。感動的。「Mozart, Hendrix et Schubert…」はANGEの80年代初頭のギタリストRobert DEFERが参加。ドラムは打ち込みでベースも居ないが、楽曲自体はシンフォニックロック的。ワクワク胸が高鳴るようなメロディ、力強い歌声が突き進み、閃光のようにシンセがひらめき、そこにギターが切り込みメロディアスに絡み付いていく。勢いがあり痛快!大好きな曲です。ちなみに、この曲をちゃんとバンドサウンドで演奏したライブ音源(ライブ盤「V’SOUL VESOUL V’SOUL」収録)があり、そっちも最高に好きだ。「Topo d’une passion…」は詩の朗読と子供の騒ぎ声。「Toile, mon etoile」は70年代ANGEのベースDaniel HAASがクラシックギターを弾く。彼とは別にベーシストも参加。ロマンチック、優しいメロディの中に滲みだす切ない表情に、胸をキュッと締め付けられる。「Revele ta lumiere…」は息子トリスタン・デカンが歌う曲。「Matou maton」は詩の朗読。「Pepsi nana」はPatrice METZGERという人が作詞。クリスチャンデカンがキーボードを弾いて歌うだけでなく、ギターも弾いている。「Incompatibilite」は詩の朗読。「Un dimanche au zoo」は70年代後期ANGEのギターClaude DEMETが参加。ゲストのサックスが舞う、都会的でお洒落な曲。「Tous les tacots, les locos…」はMichel BUZONという人が作詞。この曲もClaude DEMETがギター。更に生のベースもちゃんと入る。感傷的な旋律の演奏に乗せた語りから始まり、女性ボーカルとともにリズミカルに歌い出す。ギターソロの背後から演奏がシンフォニックに高まり出し、狂おしい女声とともに爆発。ドラマチックな押し引きが絶妙。壮大でカッコイイ。

血の濫觴
血の濫觴
価格: ¥ 2,800

2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 濃すぎる!しびれる! 昭和の湿った闇が息づくアングラ演劇ロック, 2013/2/16
レビュー対象商品: 血の濫觴 (CD)
ストロベリーソングオーケストラ、2009年のフルアルバムの再発。男女ツインボーカル・ギター・ベース・ドラム・ピアノを基本編成に、曲によって三味線・バイオリン等が参加、更に多くの劇団員が盛り立てる。作品全体としては寺山修司・天井桟敷の音楽劇「身毒丸」をヘヴィな音で現代に甦らせたようなイメージ。犬神サーカス団、初期筋肉少女帯、人間椅子、五人一首、陰陽座をごちゃ混ぜにしたような凄まじい音楽だ。日本的な哀愁と怨念が漂うメロディの、血泥まみれの力強さ。寺山修司や江戸川乱歩の影響を感じる詩世界は怪奇で病的、閉塞感と狂気に満ちつつも、同時に不条理な現実を突き破る力強さをあわせ持つ。仏壇・お線香の匂い、子供の頃に「かくれんぼ」「かごめかごめ」「花いちもんめ」に感じた名状し難い怖さ、お祭りの向こうの暗闇、村八分、紙芝居、人さらい…暗いノスタルジー渦巻く、日本人にしか作り得ないロック。
「狂れた埋葬虫、電波、赤マント」は冒頭の語りに三味線が入ってくる瞬間にしびれる。攻撃的な疾走曲に、血の桜吹雪のようにピアノ・三味線が打ちつける。泥臭く駆けずり回る男声、絶妙に合の手を入れる女声。一緒に叫びたくなる熱さ。筋少の「モーレツア太郎」+三味線って感じ。「非傀儡宣言」は高揚感抜群。衝動的な激しさの中を、叙情的な女性ボーカルが突き抜ける。三味線ソロに女声が重なって激情たぎるギターソロへ繋がり、影男が宣誓を読み上げる…この展開がカッコよすぎ!「大空を失った男」は子守唄のような寂しげな曲だが講談風の語りを挟んで徐々に加熱し後半は爆発、ギターと三味線の壮絶なバトルへ。スリリング!歌詞は寺山修司の「人力飛行機のための演説草案」を連想させる。「噂のフォークロア」は寺山修司の詩を用いた曲。孤独な朗読、もの悲しい歌、狂おしい絶叫が交錯。最後に残されるピアノの生む余韻がグッとくる。「木偶の縫子」はジャジーでノリノリ。入り組んだ悪夢のような詩世界。「最後の審判」は無数の訴え声が飛び回る展開から、勇ましくヘヴィな音像が駆け出す。人間という大罪…語りがカッコイイ。「新月に君想う」はバイオリンが美しいバラード。「ジクムント」は破壊的な中に切なさを滲ませ突っ走る。ヒステリックに狂い乱れるピアノ、つむじ風のようなバイオリンに鳥肌立つ。目の前にある現実は呪わなければならない!叩き潰せ!「胞衣の劇場」前半はシブい講談か演歌の前口上のような語りから哀愁ギターソロが燃え上がる。後半は演歌・民謡調の歌メロ、女性ボーカル中心に合唱も入って盛り上がる。「血の軌跡が故の慟哭」は熱く突進するバンド、叩きつけ乱舞するピアノ、力強い歌声、殺気立った語り…血管が切れそうなほど興奮する。血の涙を流し叫ぶようなラストは感動的!

Mes Vers Solitaires [DVD] [Import]
Mes Vers Solitaires [DVD] [Import]
DVD ~ Christian Decamps
価格: ¥ 4,813

5つ星のうち 3.0 半分はミュージシャンとして、半分はパフォーマーとしてのライブ, 2013/2/16
レビュー対象商品: Mes Vers Solitaires [DVD] [Import] (DVD)
フランスの大御所ロックバンドANGEのボーカル、Christian Decampsのソロでの、93年のライブ映像。本当の意味でソロ、クリスチャンデカン1人だけで全て歌い演奏するライブ。ゆえに曲は全て弾き語りになる。全24曲にトラック分けされているが、曲をやるのはその内の半分だけ。もう半分は、マイク1本を前に、デカンが語り・しゃべりで観客を驚かせたり笑わせたりするステージ。朗読、一人芝居、漫談、小話…たぶんそういう類のもの。純粋にミュージシャンというだけではなく、半分はパフォーマー・芸人のようなライブである。単に音楽を聞きたいと思って見るとガッカリしかねない内容のDVDなので、注意が必要。とは言え、オモチャみたいな変な小道具を使ったりしつつ、身振り手振り、強烈な表情・声で、観客を引きつけるデカンの姿は面白い。あと、Christian Decamps et Filsの90年作「juste une ligne bleue」が好きだという人ならば本作はかなり楽しめると思う。打ち込みのリズムに合わせてデカンが1人でキーボードを弾きながら歌ってみせると、ほぼそのアルバムで聞いた通りの音が実際に再現される…というのはけっこう感動するものだ。曲目は、クリスチャンデカンのソロアルバム(Christian Decamps et Filsの)、79年作「Le mal d’Adam」と90年作「juste une ligne bleue」からの曲を中心に、ANGEの曲も少しやる。
「La Psychedeclique Celeste de la Vallee du Breuchin」は90年のソロ作より。入場曲として使われる。「Le mal d’Adam」は79年ソロ作より。アコギの弾き語りに。シンプルになっても力強い。「Pele-mele」も79年ソロ作より。これもアコギ弾き語りに。甘美な良曲だと再認識。「Une chaine neuve a mon velo」も79年ソロ作。これもアコギ弾き語りに。シンセの部分を口笛で再現したりするのが面白い。「Poeme narcotique」は90年ソロ作より。曲は無く、語りのみ。「Juste une ligne bleue」も90年ソロ作より。打ち込みのリズムに合わせて、キーボードを弾きながら歌う。女性ボーカルやギターは無いものの、わりと原曲がきれいに再現されているという印象。「Pepsi Nana」も90年ソロ作。これもキーボードの弾き語りだが、原曲よりも壮大で感動的になった印象すらある。「Sheherazade」はANGEの83年作。心にしみる。キーボードの弾き語りだが、途中で語り・パフォーマンスのパートを挟む。「Bleriot」は79年ソロ作。キーボードの弾き語りになったが、これまた雄大で感動的。「Ode a Emile」はANGEの75年作。この曲は当然のようにアコギの弾き語りに。「Un dimanche au zoo」は90年ソロ作。キーボード弾き語り。原曲はわりとリズミカルな印象だったが、リズム音を入れずピアノ音を前に出したアレンジなので、ややイメージが異なる。「Tous les tacots, les locos」も90年ソロ作。打ち込みのリズムに合わせてキーボードを弾きながら歌い、女声とギターが無くても、原曲のシンフォニックさ・ドラマチックさを見事に再現…いや、むしろ原曲に負けないダイナミックさがある演奏で圧倒。途中からは原曲には無いキーボードソロへ発展していき、カッコよく迫力ある展開に。そこから原曲の後半の展開へ上手く着地し、威風堂々たるラストへ!しびれます。「Mon enfance」はジャック・ブレルの名曲のカバー。キーボードを弾きながら、強い想いを込めて歌う。胸打たれる。「Ces gens-la」もジャックブレルのシャンソンのカバー、これもキーボード弾き語り。ANGEでカバーする時にはインスト部になって歌わない箇所、恋人フリーダについての箇所を、本作では原曲通りに想いが溢れ出すみたいに感動的に歌う。

ライヴ1977
ライヴ1977

5つ星のうち 5.0 5thはスタジオ盤で聞くよりも、このライブ盤で聞くほうが好き, 2013/2/16
レビュー対象商品: ライヴ1977 (CD)
フランスの大御所プログレバンドANGEの77年、パリでのライブ。76年のコンセプト作「Par les Fils de Mandrin」から全曲、アルバムの曲順通りに演奏。代表作ともされるアルバムだが、私はあまり好きじゃない作品なので、本編にはあまり期待せず、ボーナストラック目当てで買った。だが、聞いてみて驚いた。スタジオ盤は好きじゃないのに、このライブ盤で聞いたら純粋に「カッコイイ!」と感じた。私の「Par les Fils de Mandrin」への不満は大きく言って「明るいメロディが多い」と「演奏が大人しすぎる」の二点。その後者、演奏が大人しすぎる点がこのライブ盤では大きく払拭されるのだ。スタジオ盤と比べ、かなりパワフルさを増した演奏。豪快、熱気と迫力に満ちている。変に洗練され整っているよりも、野卑でデリカシーを欠くくらいの方がANGEらしくて良いのだと思う。
このマーキーのベル・アンティークから出た国内盤は、対訳は無く、解説しか付いていないが、その解説の中で歌詞の一部を抜き出し和訳したものを紹介してくれているのが嬉しかった(どうせなら、ちゃんと対訳を載せて欲しかったが)。
「マンドランの息子たちの誓い」は力強く練り歩くよう。堰を切ったように暴れだす瞬間が熱い。「コリブリの酒場で」はどこか童謡のようなメルヘン性をたたえつつ、荒々しく大騒ぎ。元気すぎるドラムが良い。「かくして雨はあがる」は後半、老いた道化師の台詞とともに視界が晴れ渡り開けるみたいになり、演奏が動き出す瞬間に、ワクワクする。「たき火のまわりで」はかき鳴らされるアコギが観客の手拍子とともに加熱。「軽業師」も手拍子とともに盛り上がる。「子ども色の目」は疾走するパートがより熱く。「アトランティス第三の月の巨人たち」は原曲ではけっこうあっけなく終わってしまう最後のギターソロが延長され、たっぷり聞けるのが良い。「生を讃える頌歌」は第二部の序盤、フルートの活躍が増したのが印象的。「出エジプト記」は74年の3rdより。前半の行進するようなボーカル部は優雅でクラシカルだが、原曲よりロックンロールな色が微妙に加わっているか。ギターとキーボードが直線的に駆け上がる後半部は熱い!「山の老人」は72年のシングル収録曲。憂いのあるメロディから重厚に盛り上がり、後半はフルートがお洒落に舞う。

Escale a.. -CD+DVD-
Escale a.. -CD+DVD-

5つ星のうち 4.0 70年代〜2000年代まで幅広くバラけた選曲, 2013/2/16
レビュー対象商品: Escale a.. -CD+DVD- (CD)
フランスの重鎮プログレバンドANGE、2010年のライブを収録したCD2枚+DVD。CDは全17曲、DVDは全19曲(トラック分けとしては18曲)。DVDの方が曲数が多いだけで、どちらも同じ内容。ただし、9曲目(CDだとDisc1の9曲目)だけCDとDVDで別の曲を収録。ツアーの舞台裏を撮ったドキュメンタリー風の映像をボーナス収録。
「Ces gens-la」は73年作より。ライブの最後に演奏するのが定番のこの曲を、あえて最初に持ってくる、意外性ある曲順。「Le cimetiere des Arlequins」も73年作より。男女ツインボーカルで歌う(更に時々トリスタンも歌う)。ダークで耽美、恐怖・狂気が渦巻く大作。かなりの迫力。最後のインスト部はカット。「Les yeux d’un fou」は84年作より。デカン翁はキーボードを弾き、かわりに息子トリスタンがメインで歌う。「Le reve est a reve」は99年作より。バックスクリーンに映像を流しながら演奏。「Le marchand de planetes」は75年作より。冒頭とインスト部で、ベースのThierryがどこかの部族みたいな歌唱を披露。原曲の幻想的なイメージはそのままに、新世代のANGEならではのアレンジもハマっており、素晴らしい。「Sur la trace des fees」も75年作より。Caroline嬢がコミカルな妖精の扮装で現れこの曲を呼び込むが、本編には絡んでこない。「Les eaux du Gange」は2005年作より。異国の踊り子のようなCaroline嬢と、デカン翁が、不思議な絡みを見せる。どこか神秘的。原曲でフルートが入った所はキーボードに。「Neuf heures」は83年作より。トリスタンがキーボードを弾きながら歌う、彼のソロ曲に。美しい!「Fou」は84年作より。Caroline嬢と、アコーディオンを弾くデカン翁の2人だけで演奏し歌うのだが、そうするとまるで古めかしいシャンソンのように聞こえる。ノスタルジック。パリの街角で歌う大道芸人のようだ。素晴らしい名演!ここだけ異色の空間になるが、ある意味ANGEの本質が現れた瞬間とも言える。この9曲目の位置にCDだと「Les collines roses」を収録。2010年作より。デカン翁、Caroline、トリスタンという3人のボーカルが良いバランスで活躍する曲なので、映像でも見てみたかった気がする。「Le Vieux de la Montagne」は72年のシングルより。70年代ANGEの怪しげな世界が甦る。仮面と黒装束をかぶり腰を曲げ、老人の扮装のCarolineが剣を持ち現れ、不気味。「Couleurs en colere」は92年作より。胸に迫る熱唱。ギターも感情を煽りまくる。泣ける!この曲ど演歌でクサくて大好き。「Les enfants du hasard」も92年作。皆楽しそうに演奏する(特にThierryが楽しげに動き回る)。「Capitaine Coeur de Miel」は78年作。杖をつき酒瓶を持ち、酔いどれ船長に扮したデカン翁は役にハマりすぎ!その貫録・熱演・熱唱は圧倒的…だが、演奏陣もオヤジに負けてたまるか!という迫力満点のプレイ。今まで以上に若手メンバーのエネルギーが注ぎ込まれた演奏になっている印象で、特にHassanのギターが冴えまくっており、かなりカッコよく感動的。ドラムも豪快。「Hors-la-loi」は2010年作。この曲は盛り上がらない訳が無い。「L’oeil et l’ouie」も2010年作。舞台上でCarolineが楽曲をイメージしたデッサンを描き上げるというパフォーマンスを披露。「Hymne a la vie」は76年作。結成40周年記念ツアーだからなのか、バックスクリーンに歴代メンバーの写真が映る。「Sheherazade」は83年作。ここから2回目のアンコールなのだが、舞台上にクリスチャンデカン1人になり、彼のソロ状態。キーボード弾き語りによる、美しく感動的なバラード。「Le ballon de Billy」は92年作。アコギの弾き語りで歌う。途中まで歌うとメドレー的に次曲へ。「Ode a Emile」は75年作。客席も一緒に歌い出し、温かな盛り上がり。

Moyen-Age
Moyen-Age

5つ星のうち 4.0 特に3、5、8、9曲目はかなり好きです, 2013/2/16
レビュー対象商品: Moyen-Age (CD)
フランスの大御所プログレバンドANGEの2012年作。女性ボーカルCarolineは脱退したのか、長老クリスチャン・デカン+若手4人の5人編成に。作風は、前作までとあまり変わらない感じ、いつも通りの第二世代ANGE。ただ、作曲者を見ると少し驚く。今まで第二世代ANGEでは大部分の曲をクリスチャン・デカンが作詞作曲していたが、本作には彼の作った曲が1曲も無く、全12曲を若手メンバー4人が均等に3曲ずつ作曲。クリスチャン・デカンは作詞に専念。しかも、その変化を全く感じさせず、表面的には今まで通りに聞こえる点が頼もしい。第二世代ANGEは「クリスチャン・デカンのソロの延長」というイメージが強いが、それを払拭したり、若返りを図ろうとしていたりするのかも。そしてそれが良い形で成功しているように思う作品。
「Tueuse a gages」はパワフルだが、何だか少し洒落た後味を残す。「Le premier arrive attend l’autre」は落ち着いた曲調、豊かな膨らみをもって盛り上がる。デカン翁の歌声は貫録・深みありすぎ!さすが!ダイナミックに立ち上がるギターソロも気持ち良い。いかにも90年代以降のANGEらしい感じの曲で、デカン翁の作かと勘違いしそうだが、意外にもベースのThierry作だ。「Opera-bouffe ou la Quete du Gras」はドラムのBenoit作だが、これまた予想外に良い曲で驚く。うんざり胸焼けしそうな、大量消費社会を風刺した歌詞を、言葉遊びのような響きで次々と並べ立てる。ミステリアスな空気から、重厚さを増し迫ってくる瞬間がカッコイイ。終盤は、燻り立つギターを中心に演奏陣が白熱。この曲大好き。「Les mots simples」は胸がキュンとなるピュアなポップさがある。5〜12の8曲はセットで「MOYEN-AGE」という組曲だが、歌詞の内容に繋がりがあるだけで、曲自体はそれぞれ独立したもの。「Un gout de pain perdu」はズシン!ズシン!と足音を立てて巨大な化物が近づいてくるみたいな音像。2001年作収録の「Jusqu’ou iront-ils?」を彷彿させる曲調。歌・演奏から、座り込んだ数百万もの貧窮する人々、その列がどこまでも続いていくような情景がまざまざと思い浮かぶ。不吉な予感がゆっくりと膨れ上がり、激しく戦慄する…そんな盛り上げ方が、鳥肌立つカッコよさ!名曲!「Camelote」はメルヘンで愛らしい響きの曲だが、内容は苛立ち・疲弊に満ちている。「Le cri du samourai」は荒々しくハードめの曲に、少しスペイシーな味付け。「A la cour du Roi Nombril」は10分の大作。仰々しく尊大な冒頭部。ボーカル部はしっとり始まるが、徐々にシンフォニックに厚みを増し、リズミカルな高揚へ至る(踊りだしそうなベースが印象的)と、「陛下!〜」という台詞パートへ雪崩れ込んでいく…この瞬間が痛快!ユラユラ幻想的に漂う中盤の後、ジリジリ盛り返してくる後半部は、怒りをたぎらせ吐き出す歌唱が圧巻。「Les cles du harem」はとても耳に残るメロディ、思わず口ずさんでしまいそうな曲だが、歌詞はどぎつい。後半の壮麗な展開にもグッと心を掴まれる。「Je ne suis pas de ce monde」序盤はノリノリ、拳を突き上げて歌う姿が思い浮かぶ。が、段々と場面を転換、中盤からはゆったり星空を見上げるような音像へ…そこのデカン翁の歌唱にはベテランの凄味・年輪みたいなものを強烈に感じる。終盤はギターソロが熱い。「Entre les gouttes」はトリスタン(キーボード)が歌うバラード系の曲。「Abracadabra」はいかにも終曲らしい感じ。

Le Bois..
Le Bois..
価格: ¥ 2,480

5つ星のうち 4.0 今なお現役, 2013/2/16
レビュー対象商品: Le Bois.. (CD)
フランスの大御所プログレバンドANGEの2010年作。クリスチャン・デカン+若手メンバーによる第二世代ANGEの音にも円熟味が出てきた。ただ、謎の勢いを感じた前作に比べると、良くも悪くも落ち着いて地味な印象が強い作品。なめらかなポップさの中に、もやもやした幻想性、長年のプログレ感覚がさりげなく息づく、大人のシンフォニックロック。近年のANGEには、まるで反骨のシャンソン歌手ジョルジュ・ブラッサンスが21世紀に甦ってきたかのような佇まいがあって良いなあ…と、本作の2曲目を聞いて改めて思った。あと、5〜7曲目もかなり好き。
「Des papillons, des cerfs-volants」はゆるやかに離陸し、ゆっくり高度を上げていくような感覚がある曲。人間は飛ぶ必要などなかった、歩行をやめてはいけなかった…行き過ぎた現代文明を危険視。「Hors la loi」はオヤジが野良仕事しながら歌ってるみたいな泥臭さ・豪快さが良い…やっぱりこういう感覚がANGEなんだなあとしみじみ思う。テンション上げたい時に聞くと良いです、元気が出ます。「Le bois travaille, meme le dimanche」は12分の大作。風や木や雷、大自然によって人間が裁判にかけられる。前半は霧がかったような音像で、大自然が語りかけ、歌声が木霊する。そして人類への判決が下ると突如、演奏が爆発、スリリングな後半インスト部へ突入。興奮!「Sous le nez de Pinocchio」は社会の不条理への苛立ちを感じさせる。「Voyage en autarcie」は悩ましげなメロディ、丹念なアレンジが見事だ。高揚感と、押しつぶされそうな不穏な空気とが入り混じった不思議な盛り上がり。「Jamais seul」はとにかく胸に染みる、メロディが実に良い。純粋に、とても良い曲。「L’oeil et l’ouie」は暗く憂鬱なメロディから、邪な炎が燃え上がるような高ぶりへ。デカン翁の熱唱がたまらない。「Clown blanc」はどこかユーモラスかつメルヘンな響きがありつつも、妙に怪しげで、とらえ所がないようでもある。「Dames et dominos」はポップながらも、絶望と諦念が横たわる。「Les collines roses」は無機的かつケバケバしい曲調。序盤は女性ボーカルCarolineが歌う。「Ultime atome(Anatomie d’un conte a rebours)」はかなりキャッチーだが、後半は不気味な表情も見せる。「A l’ombre des pictogrammes」はとても皮肉。後半、切ない歌メロを余韻たっぷりに奏でるギターが涙を誘う。

MELANCOLIAC COM
MELANCOLIAC COM

5つ星のうち 5.0 熱い!, 2013/2/16
レビュー対象商品: MELANCOLIAC COM (CD)
Z.O.Aの90年8月18日のライブの音源を収録。メンバーは森川(ボーカル)、黒木(ギター)、篠原(ベース)、高沢(ドラム)で、89年作「BURMMA」にも参加したキーボード奏者Himeがゲスト参加。スタジオ盤よりも、熱さ・勢いを増して前のめりな印象。特に88年作「HUMANICAL GARDEN」収録曲は、原曲よりも数段カッコよくなっていると思う。全9曲。
「EUROPE」は89年作より。サビ?や、他の楽器のソロパートなどでキーボードがバンドに絡んできて原曲に無かった音を加えているのが印象的。「CLOSE RELATIONS」も89年作より。原曲よりも性急で勢いがある感じかと思いきや、サビ?は原曲よりも粘っこい。間奏の前半部は原曲と異なり、原曲の冒頭の静寂部に近い演奏で、更にそこにキーボードがジャジーで幻想的な色を加える。その後のギターソロは原曲以上に熱い!更にその後のボーカル部での奇声が強烈!狂おしい。「OVER THE TRAP」は88年作より。原曲よりもグッと迫力が増していて良い。アドリブだろうか?ギターが突然グリーグの「ペールギュント」の「山の魔王の宮殿にて」の旋律を上手く混ぜ込んでくる箇所が面白い。終幕部はエレクトリックバイオリンが無い分、ボーカルが入るとともに熱狂的になり、少し長くなる。「BREAKING BOU」は89年作より。最後の部分を数十秒だけ演奏。「GREAT RUNNER」は攻撃的で複雑怪奇。おかしな方向へ屈曲していくような、それでいて思わず体が動き出してしまいそうな熱いノリがある曲。かなりカッコイイ。「FAIRYA」は不穏かつ叙情的。激しく想いを解き放つようなサビ?は、思わず一緒に歌いたくなる。「RED PEOPLE IN DISORDER」は88年作より。ピアノが入り、原曲とは少し異なる感触に。ボーカルも呟き・語りのようなものだけでなく、叫びや奇声を積極的に入れてくるので、インスト曲というイメージが薄まっている。「WALL」も88年作より。11分の大作になっている。原曲よりも、このライブ音源の方が好きだ。間奏はギターソロだけでなく、ベースやピアノをフィーチャーしたパートが付け足され、更にインスト部にボーカルも狂気に満ちた叫びやあえぎで入ってくる。長い間奏がオチへ向かっていく部分はやはりスリリング。「ANYTHING OF BURMMA」は89年作より。全体的にピアノとボーカルの活躍の場が増えている。終盤の熱狂の渦のような演奏は途中までやるが、原曲とは違うお洒落なジャズ風の演奏へと変化していき意表を突かれる。

BURMMA / Z.O.A
BURMMA / Z.O.A

1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 とにかくカッコイイ! 大好きな作品です!, 2013/2/16
レビュー対象商品: BURMMA / Z.O.A (CD)
89年作。Z.O.Aの2ndフルアルバム。初めて聞いたZ.O.Aの作品が本作だったせいか、私の中では「Z.O.Aと言ったら、これ!」という代表作的なイメージが強い作品。私はZ.O.Aの中で本作が一番好き。篠原さんが加入し、森川(ボーカル)・黒木(ギター)・篠原(ベース)というメンツがそろう。ドラムは元GASTUNKのPAZZさん(サポートメンバー的な参加か?)。彼のドラムが本作を更に魅力的なものにしている。更に曲によってはキーボード奏者も参加。プログレとは違う場所から、ポストパンク・ニューウェイヴ・ハードコアを通ってきた世代の立場から、キングクリムゾンへの憧れを表明するような独特のサウンド。ハードなパンクバンドがクリムゾン型のプログレをやっているような感じ…と言えなくもない。彼らの中では、キングクリムゾンと、ジェイムズ・チャンス関連作(コントーションズや、ジェイムズ・ホワイト&ザ・ブラックス)やザ・ポップ・グループやDNA等の音とが、繋がって見えていたのかもしれない。ジャケやブックレット内の絵もシュールですごくアートな感じ、作品に非常にマッチしており、大好きだ。
「EUROPE」は激しくギアチェンジを繰り返すような演奏と、何言ってるのかよく分からないが謎の勢い・迫力のあるボーカルとが、渾然一体となって狂おしく転げ回り、飛び掛かってくる(この一体感がたまらない!)。間奏ではギターソロとキーボードソロが白熱。屈折してるのにノリノリで、興奮する曲。これぞZ.O.Aだ!という感じの名曲。「CLOSE RELATIONS」は奇怪な形に伸び広がっていくようなギターと、呟きやうめきのようなボーカル(どこか官能的だ)とが対話する緊張感ある展開から、段々と熱く盛り上がっていく。軋みが飛び交う展開から、情熱的なギターソロが立ち上がる間奏もスリリング。何か空間に亀裂でも生まれそうな感覚がカッコよくてクセになる、中毒性の高い曲。「IF YOU WERE THE PERSON」序盤はシブくて哀愁あるアコギの弾き語り風だが、憤怒の情が湧き起こるみたいにヘヴィな曲調へ移行していく。攻め立て、煽る。ヘヴィな曲調のまま序盤の暗く叙情的なメロディへ戻る場面が妙にカッコイイ。「BREAKING BOU」はギターが神経質に響くインスト。不穏で混沌とした音像の中から躍動的な演奏が段々と立ち上がり、最後に一丸となって走り出す。「PERSECUTION MANIAC」はどこか和風なピアノが転がるボーカル部分と、巨大な何かがそびえ立ち迫ってくるようなギター中心の演奏とが行き交い、ジリジリ緊張感を増していく。後半はこぼれ落ちるピアノとともにボーカルがやたら感傷的に歌い出し、うっとり酔わせつつ泣かせる展開、ギターソロも哀愁たっぷり。だが最後は臨界寸前のような曲調へ。「TWO PERFUME」はエキゾチックな響きのアコギのソロ曲。「ANYTHING OF BURMMA」は12分の大作。序盤のボーカル部は甘美で悩ましげ。邪悪で大仰なインスト部が火を吹くも、すぐにまた静寂に沈み、ジャジーで瞑想的なピアノソロへ(ドラムとバトルを繰り広げたりもする)。そのピアノソロの背後で反復しジワジワと力を充溢させていったギターが爆発する瞬間にしびれる。終盤はどんどん攻撃的になり、興奮の坩堝と化す。その破壊的な演奏に、前作「HUMANICAL GARDEN」収録曲「MAN CAGED AT THE ZOO」の旋律が重なってくる瞬間には、えも言われぬ感動が…。

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