1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「製造業」というより「ものづくり企業」, 2011/11/25
製造業、というタイトルですが、「ものづくり企業」の方がしっくりくる内容です。
章立ては以下の通り。
/*
序章 「大倒産時代」の始まり
第1章 売り上げ半減でも潰れない
松浦元男(樹研工業社長) 「自己資本比率40%では甘い」
・「税引き後利益」が原資
・株主配当は1円たりとも出すな
・社長はしっかり報酬を取る
・倒産寸前から「超健全企業」に変身
・売れるものは女房以外全部売れ
第2章 日本の英知を集めて商品開発
岡田登志夫(イプロス社長) 「縦割り製造業」を崩せば、未来が開ける
・昭和測器 (東京都千代田区) 営業マンが動かずとも、異業種に取引拡大中
・南陽(川崎市) 世界の化粧品会社が列をなす「柔らかく固める技」
第3章 町工場こそ世界へ
マニー(東京都千代田区) 「世界一か否か」で世界にこだわる
佐藤繊維(山形県寒河江市) 商品価値を逆輸入! オバマ夫人も着る「山形の糸」
増永眼鏡(福井市) 「自立力」を磨き、「ペイリン氏の眼鏡」で話題に
第4章 日本人の十八番を極める
岡野雅行(岡野工業代表社員) 「工場に閉じこもるな。外へ出て、発想を広げよ」
スノーピーク(新潟県三条市) 社長自ら年間30日をキャンプで過ごす
東邦レオ(大阪市) 社長と闘う「突破者」が、組織を進化させる
第5章 社長の器を広げる
小松節子(小松ばね工業社長) 同じ経営セミナーに何十回と通う
飴久晴(コーセル会長) 持ち株は3割、己の傲慢を押さえる
河内幸枝(マロニー社長) 分からないことは分からないと言う
「社長の教祖」が説いた「社長の器」
*/
正直、第5章は蛇足だったかなーと思いました。
第2章で取り上げられているイプロス社ですが、
「イプロス」という製造業、建設業の部材データベースサイトを運営している、
キーエンスの100%子会社です。
いちおうメーカーに勤めながら、このサイトを知りませんでした・・・
で、このイプロスを有効活用して売り上げにつなげた企業の例として、
昭和測器と南陽が挙げられています。
この二社に共通して挙げられるのが、「既に確固とした技術を持っていたこと」です。
その技術を応用して異分野展開し、成功を収めているわけです。
ものづくり企業が現状打破する際、2パターンの戦略があると思います。
1. 既に持っている技術を異分野展開する
2. 既に慣れ親しんだ分野で新規技術や新たなニーズを探る
最近読んだ『アールエフの知』でも同様のことを感じましたが、
知に足つけた成長を続けるものづくり企業というのは、
大体「1」の戦略をとっている気がします。
で、その「1」の戦略によって製品開発していく中で、
しっかりと新規技術を吸収して、これをまた新たな「1」の戦略に使うと。
そういうサイクルに入っているんじゃないかと思います。
かたや「2」の戦略をとっているのは営業展開に苦しんでいる企業だと思います。
もしくは営業の新規開拓に関して経営者の理解がない企業。
確かに営業的に冒険はしなくていいかも知れませんが、
この「2」の戦略だとよほど製品力がない限りジリ貧になるのは目に見えています。
(勤務先の方針が「2」なので実感こもっています)
また、慣れ親しんだ分野だからと言っても、新たなニーズなんてそうそうないし、
それを実現するための技術だって、そうそう自社で持っているものじゃない。
むしろ、技術的に関連性のない技術を広く浅く得るばかりで、
さらに「1」の戦略から遠ざかることになりかねない気がします。
この本を読んで、やっぱ「1」の戦略じゃなきゃダメだよなぁ〜と思った次第でした。
そんな口で言うほど簡単じゃないんでしょうけど・・・
あと、第4章の東邦レオも面白かったです。
二代目経営者でも、こういう人もいるんだなぁと思いました。