電島電気さんのプロフィール > レビュー

プロフィール

電島電気さんのコンテンツ
ベストレビュワーランキング: 7,190
参考になった: 303

ガイドライン:Amazon.co.jp コミュニティのガイドラインについてはこちらを参照してください。


電島電気さんが書き込んだレビュー

表示する順番:  
ページ: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6
pixel
投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)
投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)
藤野 英人著
エディション: 新書
価格: ¥ 861

12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「お金とは」「経済とは」「会社とは」を見つめなおすきっかけになりました。, 2013/3/24
会社近くの書店で並んでいるのを見て、パラッと立ち読みし購入。

章立ては以下の通り。

第1章 日本人は、お金が大好きで、ハゲタカで、不真面目
第2章 日本をダメにする「清貧の思想」
第3章 人は、ただ生きているだけで価値がある
第4章 世の中に「虚業」なんてひとつもない
第5章 あなたは、自分の人生をかけて社会に投資している、ひとりの「投資家」だ

もっと即効的な株式投資の本だと思ったら全く違いました。
それでも肩透かしといった感じは全くなく、非常に面白かったです。

「お金とは」「経済とは」「会社とは」など、初々しく見つめなおすきっかけになりました。

一例を取ると、

「赤ちゃんがいることによって成り立っている会社や産業がたくさんある」
「つまり、赤ちゃんが存在するだけで経済が動いている」

という言葉は子育て中の自分にとってハッとさせられるものでした。

赤ちゃんは稼げるわけではないけれど、だからといって経済の中で無意味ではないと。
これを展開すると、何もかもの見方が変わってくる気がします。

また、「経済」という言葉の語源に関しても言及があり、それは、

「世を経(おさ)め、民を済(すく)う」

という「経世済民」という言葉から来ているというものでした。

薀蓄的にそういう知識が述べられているわけではなく、
「economy」の語源(ギリシア語の「オイコノミクス=共同体のあり方」)から展開され、
自分の中に著書の考えがすんなりと入ってきました。

「お客さんにとっては、従業員の頑張りなんて、はっきり言ってどうでもいい」

というのも、ハッとさせられるものでした。
自分自身ソフト開発業務の中で、

「これだけやったんだからこれくらいの問題は・・・」

と、自分を甘やかしたことがないかと言われれば嘘になります。
要は「価値を提供できたか」。我が身を振り返るきっかけになりました。

「真面目な会社で、真面目に働く」

ということについても再三述べられており、
「真面目とは何か」「真面目な会社とは」という著者の考えは、
意外に自分と近いものだなと感じました。

「意外に」と感じたのは、実は一度だけ著者の方とある懇親会で同席したことがあり、
ホンの一言二言だけ言葉を交わしたことがあるからです。

それだけで人となりは分かるわけないのですが、
「あぁ、全く違う世界に住んでいる人だな」という印象だけが強く残りました。
そのせいか、「意外に」感じたわけです。
もちろんいい意味で「意外に人間クサい人なんだな」という感じというか。

あと、少しだけ同業の鎌倉投信についても言及があったのが興味深かったです。
そう言えば著者が講師をしていたセミナーで、

「コモンズ投信と鎌倉投信の運用チームはすごい」

みたいなことを言っていたなぁ、というのを思い出しました。

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵
史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵
メアリー バフェット著
エディション: 単行本
価格: ¥ 1,575

2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 投資指南本というより「投資に関する自己啓発本」, 2011/11/25
これ、タイトル通りと言えばタイトル通りなのですが、
ウォーレン・バフェットのありがたい言葉が数ページ毎に書かれ、
それに対して著者が数ページの注釈を付けるというもの。

ザックリ言えば、これ投資指南本というより自己啓発に近いというか、
投資に関する自己啓発本という趣。

具体的に「こういう企業に投資しましょう」的なことは書いていません。

読む人が読んだら金言満載の本なのかも知れませんが、
随分重複が多いなぁというか、同じ言葉が何度も場所を変えて出てきます。
(そういう意味で自己啓発本に近いという印象)

株式投資に関して、個人的にはデイトレードとか全く興味ないけど、
盲目的に長期保有を前提にしているわけではなく、
数年後に役立つ配当なり売却益なりの「結果」を大切にしたいと思っています。

そもそも慈善的に限りある身銭を預けるわけではありませんので、
「数十年後に○○倍になればハッピー」みたいな事を考えてはいません。
それはそれを専門に考えているプロの人たちに任せていますし、
数十年後が数年後より気にすべきだとも思えません。
(それでも長生きリスクは常に頭の片隅にあります)

ただし、投機的に市況を見張るというようなことはしたくないので、
なるべく時間的なコストをかけずに、安心して投資できる企業に投資したい。
そう考える時に、この本に書かれている言葉は指針になると思います。

一つ印象的な言葉を挙げると、

「今日の投資家に利益をもたらすのは、昨日の成長ではない」

です。

中小企業経営のダイナミズム
中小企業経営のダイナミズム
大島 邦夫著
エディション: 単行本
価格: ¥ 1,050

5つ星のうち 5.0 ある意味、ここまで言い切ると清々しい, 2011/11/25
大阪にある此花紙工株式会社の創業者・大島邦夫氏の著書。
ちなみに、僕はこの会社や著者のことは全く知りませんでした。

章立ては以下のとおり。

/*

第1章 利益を生み出す「カネの集め方、使い方」の極意を知れ! 【資金繰りの心得編】
第2章 取引先から「懇意にされる営業」にはワケがある! 【営業の心得編】
第3章 「不況時でもへこたれない」製造業はこうしてつくれ! 【モノづくりの心得編】
第4章 中小企業の経営者が「ワンマン社長」でなくてどうする! 【経営者の心得編】

*/

読んだ印象は「昔気質の人だなー」というもの。(著者は1935年生まれ)
全く悪い意味ではありませんので、念のため。

本のスタイルとしてはよくある「経営者の訓示を並べたもの」系で
各章ごとにその訓示がいくつかあり、
その訓示ごとに平均4ページくらい割かれているものです。
創業した会社の紆余曲折についての詳細は書かれていません。

「昔気質の関西の実業家」というイメージがピッタリの文体で、
ある意味、ここまで言い切ると清々しい、という部分もいくつかあります。

「社長が率先垂範しない便所掃除など無意味だ」

とか、もっともだなーとwww
「経営者たるもの便所掃除はしてはならない」って、
そんなバカバカしい帝王学はホントに理解できない。

「中小企業にスペシャリストはいらない」。

も、僕も最近似たようなことを考えていました。

結局、零細企業寄りの中小企業で縦割り・横割りをすればするほど、
ごく一部の人に仕事が集中してパンクする、というのを実感しています。

それでも大企業志向(コンプレックス?)のある経営者は、
まず部署と役職ありきで会社を組織するので、
結果的に業務負担の異様な偏りが発生するんだろうなーと、
ある意味諦めムードに負けているのですが・・・

「経営者なら高収入を取れ! そして社員を幸せにしろ」

など、この此花紙工株式会社や関連会社の社員の方が聞いたらどんな顔をするのかw

でも、個人的には経営者、特に自分自身が大株主でもある経営者については、
高収入でしかるべきだと思っています。
それだけのリスクを来る日も来る日も背負っているわけですので。

ただそれって、この言葉のとおり「社員の幸せ」が大前提で、
社員の給料は一向に上がらないのに、経営者だけが高収入というのは、
やはり大多数の人から快く思われないのではと思います。

実力やキャリアのある社員が、それに見合った収入を得られていないと、
その社員の下で働く社員はモチベーションが上がらないに決まっています。

経理部分が閉鎖的な会社だと、
給料や賞与の額は他の社員に伝えないようにと、
緘口令を敷いているところもあるでしょうが、
それだと自分自身や他の社員の仕事を尊重できない気がします。

この言葉に付随して書かれていた言葉として、

「経営者が高給を取り、
かつ従業員たちを幸せにする企業体質を築き上げるためには、
経理部門をガラス張りにすることも大切である。
中小企業の経営者の中には経理を家族に任せて
ブラックボックス状態にしてしまうところも少なくない。
しかし、そうやって従業員にお金の流れを完全にシャットアウトしてしまうと、
“会社が厳しいのに社長だけいい車に乗っている・・・”など
社内から不満が出てくる温床をつくってしまうことになる」

が印象的だったのですが、中小企業なんてほとんどそうだろうな・・・

ただ、会社の目的によっては「同族で経理を握っておく」というのが、
最良かつ唯一の選択である場合もあるだろうから、
こればかりは「経営者の器」の問題なんでしょう。

話は逸れましたが、この本、なかなか面白かったです。
ここまで経営者しか知らないことが明け透けに書かれている本も珍しい。

ものづくりの三原則―世界に通用する創造力を育むために
ものづくりの三原則―世界に通用する創造力を育むために
市川 徹著
エディション: 単行本
価格: ¥ 1,365

5つ星のうち 3.0 「観・感・勘」 という言葉ありきの内容, 2011/11/25
「三原則」、というかなり大げさなタイトルの本で、
株式会社日本マイクロニクスという企業とその創業者を取り上げ、
ものづくりの原理・原則に言及しようという内容です。

章立ては以下のとおり。

/*

序章  「原理・原則」「観・感・勘」のルーツ
第一章  観 −事象を情報へと変換する「観察力」
第二章  感 −情報を興味へと変換する「感動力」
第三章  勘 −興味から工夫を構想する「想像力」
終章  「原理・原則」に従いなさい

*/

以上の章立てからも分かるように、

「原理・原則」
「観・感・勘」

この言葉をキーワードに本書は進むのですが、
逆に、この言葉ありきの内容という印象で、
日本マイクロニクスでなければならなかった理由がイマイチ伝わってこず。

日本マイクロニクスは半導体等の検査機器開発に関して抜きん出た技術がある。
それは分かったのですが、同業他社との比較や具体的な優位点には言及がなく、
具体的な企業や人をピンポイントで取り上げている割に、
何を読んだのか全く印象が残りませんでした。

まえがきで著者も「技術職を目指す学生に読んでもらいたい」と書いていますが、
確かに、企業モノ、技術モノ、というよりは自己啓発モノ。
その分肩透かしにあった気がしたのは、タイトルの大げささのせいかな・・・

ものづくりに関する記述に関しても、技術者にとっては観念的過ぎて、
タイトルからおおよそ期待される内容とはかけ離れてるのではと思いました。
まぁ、しばらく後に読み返したら違う印象を持つかも知れません。

創るセンス 工作の思考 (集英社新書 531C)
創るセンス 工作の思考 (集英社新書 531C)
森 博嗣著
エディション: 新書
価格: ¥ 735

2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「ものづくり」をしている人には、 色んなヒントがあると思います。, 2011/11/25
一応僕も仕事でモノ(ソフトウェア)を作っている人間として、
心構えや考え方という点でとても参考になりました。

章立ては以下のとおり。

/*

1章 工作少年の時代
2章 最近感じる若者の技術離れ
3章 技術者に要求されるセンス
4章 もの作りのセンスを育てるには
5章 創作のセンスが産み出す価値

*/

この章立てを見るだけでも、
開発職や技術職といった類の職種の人は興味がそそられるのでは。

僕なんか大学の専攻は音楽で、一般的には文系になりますが、
今は多少なりとも論理的な思考を求められる仕事をしています。
そのせいか、バリバリ理系の著者が書いたこの本の内容(考え方)も、
すごくすんなり飲み込めました。
まぁ、読み解くこと自体に理系の素養は求められませんが・・・

技術職をしていると、非技術職の人との意識のギャップに絶句することも度々。
本書でもそのギャップに言及している部分がいくつかあり、
「そうなんだよなぁ・・・」と思いながら読んでいました。

例とともに「技術のセンス」として挙げられていた、

1. 上手くいかないのが普通、と考える悲観
2. トラブルの原因を特定するための試行
3. 現場にあるものを利用する応用力
4. 最適化を追求する観察眼

ですが、これも納得。
特に「1」なんかは、技術者でもしていない限り、
技術に対してこういう視点は持ち得ないんじゃないでしょうか?
非技術者はむしろ、

「技術的課題なんてクリアできて当たり前」

という考え方だと思います。
その考え方の悪弊が、著者も言っている、

「(技術のセンスに対して)多くの場合、その能力に相応しい賃金は支払われない」

というところに結びつくのだと思います。

その「技術のセンス」について著者は、

「一般の人は、それを“努力”や“根性”で片付けるし、
“才能”という“魔性”みたいなものとして認識しているけれど、
それは歴然として存在する技量、あるいは知性の一つなのだ」

とも言っていますが、これも大いに納得。
技術者のその技量や知性の獲得に払っている犠牲に対して、
非技術者はあまりに無頓着すぎるし、
経営者までそこに無頓着だと技術者は不幸です。

その他、前後を省きますが印象に残った言葉として、

「前倒しのプロジェクトこそ、優れた完成品を産み出す」

「技術とは、その科学の知恵を社会に還元するための道具である。
その道具を使う者は、常に謙虚で慎重に努め、
自分が失敗する可能性や、考えが及ばない範囲があることを、
自覚自問し続けなければならない」

「なにか新しいことを計画したときに、思いどおりにことが運ぶ、
という楽観を持つような技術者は信頼できないと考えてよい」

「(技術は青春ドラマのように感情論で語られるものではなく)
明らかに社会に直接還元できる能力なのである」

「楽しみは、人と人の間から生まれるものではなく、
個人の中から湧き上がってくるものなのだ」

「ノウハウが言葉として簡単に成立するとしたら、
それは“宗教”と呼ばれるものだろう」

「好きなことをしていて賃金がもらえるなんて、
基本的にはありえないと考えてよい」

「創作が産み出す価値とは、“人間の凄み”である」

などなど。

文脈の前後関係があってこその言葉なので、
これらの言葉にピンとくる人は本書はとても興味深く読めるはず。

工作に限らず、趣味にしろ仕事にしろ「ものづくり」をしている人には、
色んなヒントがあると思います。

奇跡の製造業
奇跡の製造業
日経トップリーダー著
エディション: 単行本(ソフトカバー)
価格: ¥ 1,575

1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 「製造業」というより「ものづくり企業」, 2011/11/25
製造業、というタイトルですが、「ものづくり企業」の方がしっくりくる内容です。

章立ては以下の通り。

/*

序章 「大倒産時代」の始まり

第1章 売り上げ半減でも潰れない
 松浦元男(樹研工業社長) 「自己資本比率40%では甘い」
 ・「税引き後利益」が原資
 ・株主配当は1円たりとも出すな   
 ・社長はしっかり報酬を取る   
 ・倒産寸前から「超健全企業」に変身
 ・売れるものは女房以外全部売れ

第2章 日本の英知を集めて商品開発
 岡田登志夫(イプロス社長) 「縦割り製造業」を崩せば、未来が開ける
 ・昭和測器 (東京都千代田区) 営業マンが動かずとも、異業種に取引拡大中  
 ・南陽(川崎市) 世界の化粧品会社が列をなす「柔らかく固める技」

第3章 町工場こそ世界へ
 マニー(東京都千代田区) 「世界一か否か」で世界にこだわる  
 佐藤繊維(山形県寒河江市) 商品価値を逆輸入! オバマ夫人も着る「山形の糸」  
 増永眼鏡(福井市) 「自立力」を磨き、「ペイリン氏の眼鏡」で話題に

第4章 日本人の十八番を極める
 岡野雅行(岡野工業代表社員) 「工場に閉じこもるな。外へ出て、発想を広げよ」
 スノーピーク(新潟県三条市) 社長自ら年間30日をキャンプで過ごす  
 東邦レオ(大阪市) 社長と闘う「突破者」が、組織を進化させる

第5章 社長の器を広げる
 小松節子(小松ばね工業社長) 同じ経営セミナーに何十回と通う  
 飴久晴(コーセル会長) 持ち株は3割、己の傲慢を押さえる  
 河内幸枝(マロニー社長) 分からないことは分からないと言う
 「社長の教祖」が説いた「社長の器」

*/

正直、第5章は蛇足だったかなーと思いました。

第2章で取り上げられているイプロス社ですが、
「イプロス」という製造業、建設業の部材データベースサイトを運営している、
キーエンスの100%子会社です。

いちおうメーカーに勤めながら、このサイトを知りませんでした・・・

で、このイプロスを有効活用して売り上げにつなげた企業の例として、
昭和測器と南陽が挙げられています。

この二社に共通して挙げられるのが、「既に確固とした技術を持っていたこと」です。
その技術を応用して異分野展開し、成功を収めているわけです。

ものづくり企業が現状打破する際、2パターンの戦略があると思います。

1. 既に持っている技術を異分野展開する
2. 既に慣れ親しんだ分野で新規技術や新たなニーズを探る

最近読んだ『アールエフの知』でも同様のことを感じましたが、
知に足つけた成長を続けるものづくり企業というのは、
大体「1」の戦略をとっている気がします。

で、その「1」の戦略によって製品開発していく中で、
しっかりと新規技術を吸収して、これをまた新たな「1」の戦略に使うと。
そういうサイクルに入っているんじゃないかと思います。

かたや「2」の戦略をとっているのは営業展開に苦しんでいる企業だと思います。
もしくは営業の新規開拓に関して経営者の理解がない企業。

確かに営業的に冒険はしなくていいかも知れませんが、
この「2」の戦略だとよほど製品力がない限りジリ貧になるのは目に見えています。
(勤務先の方針が「2」なので実感こもっています)

また、慣れ親しんだ分野だからと言っても、新たなニーズなんてそうそうないし、
それを実現するための技術だって、そうそう自社で持っているものじゃない。
むしろ、技術的に関連性のない技術を広く浅く得るばかりで、
さらに「1」の戦略から遠ざかることになりかねない気がします。

この本を読んで、やっぱ「1」の戦略じゃなきゃダメだよなぁ〜と思った次第でした。
そんな口で言うほど簡単じゃないんでしょうけど・・・

あと、第4章の東邦レオも面白かったです。
二代目経営者でも、こういう人もいるんだなぁと思いました。

預けたお金が問題だった。-マネックス松本大が変えたかったこと
預けたお金が問題だった。-マネックス松本大が変えたかったこと
上阪 徹著
エディション: 単行本(ソフトカバー)
価格: ¥ 1,500

4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 非常に読みやすくて、面白い本でした。, 2011/11/25
マネックスに関してはネット証券の先駆的存在というイメージはありましたが、
ただそれだけ、という印象でした。
自分が証券会社を選ぶときも選択肢として検討すらしなかったと思います。

ただ、これを読んで「マネックスにすれば良かったかなぁ〜」と少し思いました。
今からだと移管手続きとか手間ですし、移管手数料もかかるので、
SBI証券のまま当分運用しますが・・・

松本大という人も「エリート金融マン」というイメージしかありませんでしたが、
そのイメージが少し変わりました。あくまで少し。

「郵便局に代わる国民的金融インフラになる」という創業時の目標は凄過ぎて、
いまいち現実味がありませんが、本気でそう考えられる人もいるんだなぁ〜

「マネックスの最大の課題は僕自身(松本大氏)です」と言ってたのを見ても、
すごく常識人なんだなと感じました。

本書は非常に読みやすくて、面白い本でした。数時間で読み終えました。

「既存の銀行や郵便局の預貯金が減らない限り、国債の乱発はなくならない」のなら、
「じゃあ預貯金者が一斉に預貯金を引き上げたらどうなるか」など、
あまり考えていなかったので面白かったです。

しかし、こういうベンチャーの創業期の話は読んでいてテンションが上がります。
僕の就職時期(2004年頃)にはこういう本がゴロゴロしていたものですが、
翌年以降のライブドア事件をきっかけにそういう熱が一斉に引いていきました。

その点で、マネックスは堅実に運営されてきたんだろうなと感じました。

そうか、君は課長になったのか。
そうか、君は課長になったのか。
佐々木常夫著
エディション: 単行本(ソフトカバー)
価格: ¥ 1,470

2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 「人事制度、人員体制がしっかりした大企業の課長」向け, 2011/11/25
別に課長になったわけではないのですが、
課のリーダーになり、あれこれ仕事が増えたので読んでみました。
出版当初、会社近くの本屋に平積みされていたのを覚えています。

読んでみてすごくギャップを感じたのですが、
これ、大企業の課長向けだなぁ、完全に。
しっかりした人事制度、人員体制がある組織前提です。

形式は著者がある元部下に対して送った手紙、というものです。
本屋でパラパラ立ち読みをしていた際には気づかなかったのですが、
なんとこの「元部下」は架空の人物・・・

いや、その形式自体は何らおかしいものではないのですが、
家で読み始めた途端に肩透かしを食らった気がしたのは確かです・・・

印象的な言葉として、以下のものがあります。

「日本の企業の生産性が低い大きな理由のひとつが、コミュニケーション能力の低さ」

これは本当にそう思います。
勤務先にも、接するたびに不愉快な対応をしてくる「おエライさん」がいます。

以前読んだ『なぜ、エグゼクティブは書けないペンを捨てないのか?』で、
以下の言葉があったのを思い出しました。

「どんなレベルの管理職であれ、よいコミュニケーションは基本的な義務だ」

「組織の上に立つ人間には、うまくコミュニケーションする義務があるということを、
受け入れなくてはいけない。得意でないなら、すぐにでもうまくなることだ」

リーダーなんて立場をあてがわれてから、この言葉をよく思い出します。

あと、第4章の「社内政治に勝つ」を読んで少し反省したというか、
自分や部下が仕事をしやすくするために社内政治にも気を配るべき、と。

それと、「自分が社長になったら」と考えていこうと思いました。
社長の立場から見て、課のリーダーにはどういう仕事をして欲しいか。
そういう視点は必要だなと感じました。

タイトルの通り、人事制度、人員体制がしっかりした大企業の課長向けですが、
実際に課長になってみてから読むとまた違うのかなぁ?

経常利益率35%超を37年続ける 町工場強さの理由
経常利益率35%超を37年続ける 町工場強さの理由
梅原 勝彦著
エディション: 単行本(ソフトカバー)
価格: ¥ 1,470

1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 経営者に持っておいてほしいと思う志と倫理観が詰め込まれている本, 2011/5/4
エーワン精密は鎌倉投信のファンド『結い2101』を通じて投資しており、
常々気になっていた会社でした。

章立ては以下のとおり。

/*

第1章 脅威の記録 〜37年連続売上高経常利益率35%以上〜
第2章 町工場こそわが人生
第3章 短納期の秘密
第4章 これが利益を出す経営だ
第5章 成功するために必要なこと
第6章 日本のモノづくり再生計画

*/

著者の生い立ちから始まり、エーワン精密の企業理念的な言及もあり、
とても面白かったです。

「社員4、5人のときに山梨県に5000坪の工場用地を購入した」

とか、ちょっと信じられないようなエピソードも強烈。
経営者ってのはこれくらいのパワーが必要なんですね。

あと、経営に関しての透明性についての言及が結構多かったです。

「家で寝たきりのおばあさんを会長にして、役員報酬を支払ったりするのは、
あまり褒められたことではない」

「(上場時の創業者利益について)私も、そして私の家族も、
そのことによって一円たりとも手にしていない」

「子どもに会社を継がせたいという気持ちは、芥子粒ほどもありませんでした」

「(3人の子どもに)会社を継がせるどころか、誰ひとり、
エーワン精密に入社すらさせませんでした」

「社員を信用し、隠しごとをせず、
利益が出たら誰もが納得できる形で社員に還元する」

などなど、もしこれをスローガンに留めることなく実行しているのだとしたら、
本当に素晴らしいと思います。

あと、経営努力に関する部分に関しても言及が多く、

「下請けに出す金額は創業から30年以上、値切ったことは一度もない」

「メーカーでありながら自前の販売網を持っている」

「社員が辞めて会社にプラスになることはひとつもない」

「(業務上の失敗による)責任なんて誰もとる必要はない。
仕事上の責任は会社がとればいい」

「社員がサボらないように目を光らせて管理するより、
それぞれの良心に任せてしまったほうがいい」

「(社員の管理を厳しくせざるを得ないのは)問題は社員ではなく、
そういう社長にあると言わざるを得ません」

「不況時には安易に価格を下げてはいけない(・・・)、
不況時に大事なことは、仕事量の確保より、価格を守ること」

「はっきりいってエーワン精密では、残業が多いほど評価が低くなります」

「(若くして妻子がある人を)優先的に採用するようにしていました。
(・・・)独身で気楽な人に比べたら、必死さの度合がちがいます」

など、目線が非常に社員側寄りな印象を持ちました。
あくまで「実践されていたら」ですが・・・

というのも、結局創業者の著書は言葉半分で読んでいる部分があって、
「対外的にはどうとでも言えるよな・・・」という思いが多少あるわけです。

「社員が実際に幸せか」

それだけがこういう本の信憑性を証明するのだと思いますが、
それを知る手段が僕にはありません。

そもそも万人が幸せになる組織なんてあり得るのか分からないし、
信憑性など判断できるわけないかも知れませんが。

『日本でいちばん大切にしたい会社』の読後にも思いましたが、
こういう「あぁ、この会社はスゴいな。いい会社だな」と思っても、
それを自分の勤務先に望むのは、ちょっとしんどいなと。

著者のような志や倫理観で経営をしている(していた)経営者なんてごく少数でしょうし、
しかもそれを実践できている人となると、さらにごく少数でしょう。

勤務先の経営者という一番身近な経営者がそんなごく少数の一人とか、
確率的にほとんどあり得ないのが当然でしょうね・・・

社員が経営者に対して持っておいてほしいと思う志と倫理観。
そういうものが詰め込まれている本だと思いました。

世界シェア95%の男たち IT創成期を勝ち抜いた企業の“光と影” (East Press Business)
世界シェア95%の男たち IT創成期を勝ち抜いた企業の“光と影” (East Press Business)
荒井 真成著
エディション: 単行本(ソフトカバー)

1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ITの歴史の王道に位置している感じがします, 2011/5/4
こういう本を読むのは久しぶり。
就職活動時期(2003〜4年頃)はよく読んでいました。

ただ、その頃読んでいた本と違うのは「著者が技術畑出身者」である点。
で、著者のキャリアがITバブルの遥か前(1980年代中盤)からスタートしている点。

2003〜4年頃はライブドアバブル真っ盛りの頃で、
当時のIT業界経営者の立志伝的な本も、どちらかというと、

「浮ついた若者だったけど、バブルに乗って稼げました」
「技術には疎いけど、バブルに乗って何とかなりました」

みたいなものが多かった気がしますが、
それに比べると、この『世界シェア95%の男たち』は、
非常に骨太というか、ITの歴史の王道に位置している感じがします。

著者の略歴は、おそろしくザックリ言えば、

・IBMの技術者としてキャリアをスタート(1984年)
・IBM「ThinkPad」の新機能として赤外線通信に着目
・「ThinkPad」への赤外線通信機能搭載を通じ、米ベンチャーに接触
・その米ITベンチャーに副社長として転進。データシンクロ分野に着手
・データシンクロ機能を通じ、モバイル業界に接触
・新たに日本でベンチャー企業を創業

というもので、
この著書を見る限りはモバイル業界においてかなりのキーパーソンに見えます。

ただ、プーマテクノロジーにしろ、インテリシンクにしろ、
今まで名前すら知らなかった会社が舞台になっており、
しかも日本のモバイル業界の重要なポジションにいた会社のようなので、
改めて自分の不勉強が身に染みました。

しかし、シリコンバレーの会社ってこれが当たり前なのか・・・

新しい技術分野が必要となったときに企業買収するのは分かるけど、
その方法が、

「自社特許を侵害しているかを徹底的に調査し、
侵害している場合はそれをネタに買収を迫る。
応じない場合は裁判に持ち込む」

というのは、ちょっとエゲツないなぁと思いました。

でも、こういう本って久しぶりに読むとホント面白いなぁ〜、と。

こういう仕事がしたくてコンピュータ業界に入ったんだと、
思い出すことができました。
実際はそんな理想とは程遠い仕事をしていますが・・・

ページ: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6