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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
気持良いんだねぇ、江戸弁が。, 2009/10/8
幕末の剣豪、伊庭八郎の物語。
江戸の伊庭道場の跡取りでありながら、十六歳になるまで剣道の修行を
しなかったという変わり種。
しかし、天賦の才か努力の賜か、長じて当代一の腕になったという即ち
天才である。
文武両道に優れ白皙の美男、そして老がいに冒されている、という、
どこかで聞いたような気もするが、まるで絵に描いたような主人公だ。
幕末に生まれた御家人で腕が立つならお決まりのコースで、函館まで転戦、
波乱の生涯を送る。
著者の江戸っ子らしい歯切れのいい啖呵、何より江戸っ子の思い切りのいい
生き方に共感を覚える。
池波正太郎の江戸弁語りが、うれしい一冊。
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1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
国破れて山河あり。山河はダムで壊された‥。, 2009/10/8
「日本語が亡びるとき」の著者のエッセイ集。
若い人のものは読まないという著者のその心は、現代の日本語の
汚なさに堪えられない、ということなのであろう。
「加藤周一を悼んで」で、氏のように仏独英の三か国語を操りながら
漢文の素養もある知識人は、もう現れないであろう、と著者はいう。
つまり漱石、鴎外以来の文士の流れはついに途絶えたのだ。
昔の漱石やら文豪たちの小説で育った少年少女は、チョーとか、食べれない、
とか聞くと生理的に受け入れれない。(おっと、間違い)
受け入れられない。
ケイタイ小説はまず却下だ。
言葉は変化していくとしても、壊すのとは違うはず…。
そんな著者の声が聞こえる。
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1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
覚めてあとなき明烏‥。, 2009/10/8
落語に題材を採った掌編四編。
いずれも30年以上前の作品なので、言葉遣いから話の内容まで
時代がかっていて、現代とのギャップを感じない訳にはゆかない。
何もこんなものをこんな風にださなくても…と思うが、それなりの
都合や事情もあるのだろう。
しかし、 解説にもあるように「天神山…」という作品はなかなか
読ませる。
落語家の、同じ演題でも師匠とは違う、自分の話を作るために
打ち込む凄さが、読み手に迫ってくる。
落語は登場人物になりきるだけでなく、次の瞬間、八つぁん熊さんに
なってボケをかまさなければならない。
役柄への没入と転換の繰り返しを見事にやり遂せて、初めて人に
聞かせることができる。
演劇とは違い、登場人物をすべてひとりで演じる落語ならではの
苦労だろう。
解説にある、米朝と著者がやっていたラジオ番組のなかで、米朝が
一つだけ覚えている投稿句があるという。
それが、「障子破れてさんがあり」。
これがいちばん、笑えた。
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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
どちらが習作か分からないけど、似ていて、且つ面白い!, 2009/10/8
ダウィンチコードより前にかかれた作品なのだが、解説にもあるように
こちらの方がミステリーとしては出来が良いように思う。
残虐な殺人、007ばりのアクションは最早定番というべきか。
学者と美人の組合わせも同じだし。
テーマは宗教問題だし。
暗殺者の存在も同じ。
なんて書くと、2冊にして既にマンネリ、と思いがちだが、
なぜ、こんなに面白いのだろう‥!?
最後のドンデン返しも見事に決まり、三冊は長いが一気に読めた。
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5 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「ゼロ戦神話」を打ち砕く一冊!, 2009/10/8
ゼロ戦についての神話は数知れない。
否定的なものも最高の戦闘機だと褒め称えるものも、一言で斬って
捨てるばかりで裏付けの示されていないものが多い。
一般的に人は経験を元にして語るとき、断定的になってしまいがちだ。
個人的な経験は総合的な判断とはならず、「群盲象を撫でる」などと
いおうものならケンカになってしまうだろう。
しかし失礼ながら、戦争体験者の昔話は結局生き残った人の言ったモン
勝ちでしかないのではなかろうか。
「死者に口なし」、同じ戦争を死者に口がきけたなら何というだろう、と
思われる発言を時に聞く。
本書はそんな日頃の不満に応えてくれた。
戦後も大分経って生まれた著者だからこそ、そんな戦争体験者の「呪縛」
からも逃れ、冷静な視点で客観的に見つめることができたのだろう。
日米双方の多くの資料に当たり、実際の戦力や戦いの帰趨の分析、運用
方法や戦法の違いなど、ゼロ戦の神話を打ち砕く説得力のある一冊となって
いる。
多少の誤りや誤植はあったとしても、全体像として今までにない「ゼロ戦」
を読者の眼前に浮かび上がらせてくれるだろう。
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懐かしき友への手紙
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三木 卓著 エディション: 単行本 |
| 価格: ¥ 1,890 |
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| 在庫状況: 在庫あり |
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者の人柄が偲ばれる、こころ温まる一冊。, 2009/9/15
母や兄、妻や友人たちの思い出を耳、咽喉、眼など各器官を
題材に語るエッセイ的掌編集。
戦後、大変な苦労をして引き揚げてきた著者の経験は、読売文学賞を
受賞した自伝的小説「裸足と貝殻」に詳しいが、身体的ハンディや
「引揚者」に対する蔑視、それがなにくそという反骨の気性を育てたものの、
実は、著者は引っ込み思案で心根のやさしい少年でもあった。
本書で友人たちに投げかける視線もまた飽くまでもやさしく、確かな
記憶に裏付けられている。
登場人物の多くは既に帰幽されているが、懐かしみ、愛おしみ、大切に
こころにしまい込まれていた珠玉の想い出が、今になってやっと、こころの
中からこぼれ出たに違いない。
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33 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
冷静な視点ではあるが‥。, 2009/9/15
戦争から読み解く日本近代史。
中・露両大国に近接する日本の地政学的位置からして、
日清・日露の戦争は、近代にいたり軍事的重要度が高まった
朝鮮をめぐる戦争であった。
このあたりは、大体言われていることだし、分かりやすい。
しかし、太平洋戦争については、本書を読んでも今ひとつ
腑に落ちない。
@日米の工業格差から考えて勝てるはずもない戦争をどうして
決意したのか。
Aどのような戦争終結のシミュレーションをしていたのか。
この2点について、当時の軍備の比較、欧州情勢から説明されて
いるのだが、その基礎になっている数字はあまりに杜撰なのだ。
当時の陸軍が、ただ「やりたい」一心で甘い見通しを提出しただけ
としか思えない。
第一次世界大戦以降、アメリカ研究は随分されてきたはずなのに、
どうしてそんないい加減な分析、見通しで戦争に踏み切ったのか‥。
何故?という疑問は、晴れない。
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鳳凰の黙示録
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荒山 徹著 エディション: 単行本 |
| 価格: ¥ 1,575 |
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| 在庫状況: 在庫あり |
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王位を簒奪された、流転の王子の運命は‥!? , 2009/8/26
朝鮮国王・宣祖の正嫡子永昌大君は王位を継ぐべき血筋にありながら、
年少のため庶出の光海君に王位を奪われ、命をも狙われていた。
光海君の命に背き、大君を援ける7人の女剣士・「琴七剣」と、妖術を操り
大君の命を狙う「魔別抄」との息詰まる戦いが始まった‥。
朝鮮と日本をまたにかけ、古代の秘宝の鍵をめぐる「龍族」と「鳳凰族」の
因縁の争闘に発展する、壮大な物語。
豊臣秀頼、徳川家康、真田忍群、伊藤一刀斎、小野二郎右衛門などが
登場する、破天荒の伝奇小説。
冒頭、やけに長い文章があったり、矢鱈難しい言い回しをしているのが、
気になる。
もちろん、意識してのことだろうが‥。
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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
日本人は、果たしてここまで「日本人」たりうるか?, 2009/8/26
論客・石平氏の日本に帰化するまでの半生の記。
文化大革命の嵐が吹きすさぶ中に少年時代を過ごした
著者が、日本でみたものとは‥。
民主化運動の挫折から、訪れた日本。
そして、友人とともに何気なく訪れた京都。
広大な紫禁城を見た眼には、京都御所の佇まいはあまりに
質素に映ったことだろう。
しかし、著者の眼は外見にとどまらず、さらに深奥を抉る。
それは、富や権力で統治した列国の支配者とは一線を
画する皇室の姿であり、かつて自分が祖父から伝えられ、
現在の中国では失われた「礼」の文化、「忠恕」の心であった。
命をかけた祖父の薫陶に導かれるように渡来した著者に
とって、果たして日本は安住の地となり得るか。
かつての歴史と文化を否定した中国は、最早帰るべき地とは
なりえないのだろうか。
日本人以上に日本を愛する著者の心の中には、祖国に裏切られた
悲しみもまた、見える。
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青嵐の譜
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天野 純希著 エディション: 単行本 |
| 価格: ¥ 1,680 |
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| 在庫状況: 在庫あり |
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
時代の匂いを感じさせる筆致。, 2009/8/4
二度にわたる元寇によって波乱の人生を余儀なくされる
三人の男女を描く書き下ろし小説。
小説すばる新人賞受賞作の「桃山ビート・トライブ」の
著者の第二作目。
舞台は元寇の襲来間近の壱岐、主人公三人の出会いから
スタートする。
前作と同様、物語は全編通じて笛の音を始め歌舞音曲に
彩られており、殺伐とした戦乱の世に生きる庶民の底力と
人間の夢や希望が描かれる。
一方で迫真の戦闘や戦慄の虐殺を描き、血なまぐさい
場面が多いのだが、さわやかな読後感が得られているのは
そのせいだろうか。
二作目にして、既に独自の作品世界を感じさせる作家が
登場した。
次作も期待したい。
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