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やじうまさんが書き込んだレビュー (東京都渋谷区)
(TOP 1000 REVIEWER)   

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幕末遊撃隊 (集英社文庫)
幕末遊撃隊 (集英社文庫)
池波正太郎著
エディション: 文庫
価格: ¥ 740
在庫状況: 在庫あり

 
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 気持良いんだねぇ、江戸弁が。, 2009/10/8
 幕末の剣豪、伊庭八郎の物語。
 江戸の伊庭道場の跡取りでありながら、十六歳になるまで剣道の修行を
しなかったという変わり種。
 しかし、天賦の才か努力の賜か、長じて当代一の腕になったという即ち
天才である。
 文武両道に優れ白皙の美男、そして老がいに冒されている、という、
どこかで聞いたような気もするが、まるで絵に描いたような主人公だ。
 幕末に生まれた御家人で腕が立つならお決まりのコースで、函館まで転戦、
波乱の生涯を送る。
 著者の江戸っ子らしい歯切れのいい啖呵、何より江戸っ子の思い切りのいい
生き方に共感を覚える。
 池波正太郎の江戸弁語りが、うれしい一冊。

日本語で読むということ
日本語で読むということ
水村美苗著
エディション: 単行本
価格: ¥ 1,680
在庫状況: 在庫あり

 
1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 国破れて山河あり。山河はダムで壊された‥。, 2009/10/8
「日本語が亡びるとき」の著者のエッセイ集。
 若い人のものは読まないという著者のその心は、現代の日本語の
汚なさに堪えられない、ということなのであろう。
「加藤周一を悼んで」で、氏のように仏独英の三か国語を操りながら
漢文の素養もある知識人は、もう現れないであろう、と著者はいう。
 つまり漱石、鴎外以来の文士の流れはついに途絶えたのだ。
昔の漱石やら文豪たちの小説で育った少年少女は、チョーとか、食べれない、
とか聞くと生理的に受け入れれない。(おっと、間違い)
受け入れられない。
 ケイタイ小説はまず却下だ。
 言葉は変化していくとしても、壊すのとは違うはず…。
 そんな著者の声が聞こえる。


明烏―落語小説傑作集 (集英社文庫)
明烏―落語小説傑作集 (集英社文庫)
小松 左京著
エディション: 文庫
価格: ¥ 500
在庫状況: 在庫あり

 
1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 覚めてあとなき明烏‥。, 2009/10/8
 落語に題材を採った掌編四編。
 いずれも30年以上前の作品なので、言葉遣いから話の内容まで
時代がかっていて、現代とのギャップを感じない訳にはゆかない。
 何もこんなものをこんな風にださなくても…と思うが、それなりの
都合や事情もあるのだろう。
 しかし、 解説にもあるように「天神山…」という作品はなかなか
読ませる。
 落語家の、同じ演題でも師匠とは違う、自分の話を作るために
打ち込む凄さが、読み手に迫ってくる。
 落語は登場人物になりきるだけでなく、次の瞬間、八つぁん熊さんに
なってボケをかまさなければならない。
 役柄への没入と転換の繰り返しを見事にやり遂せて、初めて人に
聞かせることができる。
 演劇とは違い、登場人物をすべてひとりで演じる落語ならではの
苦労だろう。
 解説にある、米朝と著者がやっていたラジオ番組のなかで、米朝が
一つだけ覚えている投稿句があるという。
 それが、「障子破れてさんがあり」。
 これがいちばん、笑えた。

天使と悪魔 (上) (角川文庫)
天使と悪魔 (上) (角川文庫)
ダン・ブラウン著
エディション: ペーパーバック
価格: ¥ 620
在庫状況: 在庫あり

 
3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 どちらが習作か分からないけど、似ていて、且つ面白い!, 2009/10/8
 ダウィンチコードより前にかかれた作品なのだが、解説にもあるように
こちらの方がミステリーとしては出来が良いように思う。
 残虐な殺人、007ばりのアクションは最早定番というべきか。
 学者と美人の組合わせも同じだし。
 テーマは宗教問題だし。
 暗殺者の存在も同じ。
 なんて書くと、2冊にして既にマンネリ、と思いがちだが、
なぜ、こんなに面白いのだろう‥!?
 最後のドンデン返しも見事に決まり、三冊は長いが一気に読めた。

新潮選書 零式艦上戦闘機
新潮選書 零式艦上戦闘機
清水 政彦著
エディション: 単行本
価格: ¥ 1,470
在庫状況: 在庫あり

 
5 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 「ゼロ戦神話」を打ち砕く一冊!, 2009/10/8
 ゼロ戦についての神話は数知れない。
 否定的なものも最高の戦闘機だと褒め称えるものも、一言で斬って
捨てるばかりで裏付けの示されていないものが多い。
 一般的に人は経験を元にして語るとき、断定的になってしまいがちだ。
 個人的な経験は総合的な判断とはならず、「群盲象を撫でる」などと
いおうものならケンカになってしまうだろう。
 しかし失礼ながら、戦争体験者の昔話は結局生き残った人の言ったモン
勝ちでしかないのではなかろうか。
「死者に口なし」、同じ戦争を死者に口がきけたなら何というだろう、と
思われる発言を時に聞く。

 本書はそんな日頃の不満に応えてくれた。
 戦後も大分経って生まれた著者だからこそ、そんな戦争体験者の「呪縛」
からも逃れ、冷静な視点で客観的に見つめることができたのだろう。
 日米双方の多くの資料に当たり、実際の戦力や戦いの帰趨の分析、運用
方法や戦法の違いなど、ゼロ戦の神話を打ち砕く説得力のある一冊となって
いる。
 多少の誤りや誤植はあったとしても、全体像として今までにない「ゼロ戦」
を読者の眼前に浮かび上がらせてくれるだろう。

懐かしき友への手紙
懐かしき友への手紙
三木 卓著
エディション: 単行本
価格: ¥ 1,890
在庫状況: 在庫あり

 
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 著者の人柄が偲ばれる、こころ温まる一冊。, 2009/9/15
 母や兄、妻や友人たちの思い出を耳、咽喉、眼など各器官を
題材に語るエッセイ的掌編集。
 戦後、大変な苦労をして引き揚げてきた著者の経験は、読売文学賞を
受賞した自伝的小説「裸足と貝殻」に詳しいが、身体的ハンディや
「引揚者」に対する蔑視、それがなにくそという反骨の気性を育てたものの、
実は、著者は引っ込み思案で心根のやさしい少年でもあった。
 本書で友人たちに投げかける視線もまた飽くまでもやさしく、確かな
記憶に裏付けられている。
 登場人物の多くは既に帰幽されているが、懐かしみ、愛おしみ、大切に
こころにしまい込まれていた珠玉の想い出が、今になってやっと、こころの
中からこぼれ出たに違いない。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
加藤陽子著
エディション: 単行本(ソフトカバー)
価格: ¥ 1,785
在庫状況: 在庫あり

 
33 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 冷静な視点ではあるが‥。, 2009/9/15
 戦争から読み解く日本近代史。
 中・露両大国に近接する日本の地政学的位置からして、
日清・日露の戦争は、近代にいたり軍事的重要度が高まった
朝鮮をめぐる戦争であった。
 このあたりは、大体言われていることだし、分かりやすい。
 しかし、太平洋戦争については、本書を読んでも今ひとつ
腑に落ちない。
@日米の工業格差から考えて勝てるはずもない戦争をどうして
 決意したのか。
Aどのような戦争終結のシミュレーションをしていたのか。

 この2点について、当時の軍備の比較、欧州情勢から説明されて
いるのだが、その基礎になっている数字はあまりに杜撰なのだ。
 当時の陸軍が、ただ「やりたい」一心で甘い見通しを提出しただけ
としか思えない。
 第一次世界大戦以降、アメリカ研究は随分されてきたはずなのに、
どうしてそんないい加減な分析、見通しで戦争に踏み切ったのか‥。
何故?という疑問は、晴れない。

鳳凰の黙示録
鳳凰の黙示録
荒山 徹著
エディション: 単行本
価格: ¥ 1,575
在庫状況: 在庫あり

 
5つ星のうち 3.0 王位を簒奪された、流転の王子の運命は‥!? , 2009/8/26
 朝鮮国王・宣祖の正嫡子永昌大君は王位を継ぐべき血筋にありながら、
年少のため庶出の光海君に王位を奪われ、命をも狙われていた。
 光海君の命に背き、大君を援ける7人の女剣士・「琴七剣」と、妖術を操り
大君の命を狙う「魔別抄」との息詰まる戦いが始まった‥。
 朝鮮と日本をまたにかけ、古代の秘宝の鍵をめぐる「龍族」と「鳳凰族」の
因縁の争闘に発展する、壮大な物語。
 豊臣秀頼、徳川家康、真田忍群、伊藤一刀斎、小野二郎右衛門などが
登場する、破天荒の伝奇小説。
 冒頭、やけに長い文章があったり、矢鱈難しい言い回しをしているのが、
気になる。
 もちろん、意識してのことだろうが‥。


私はなぜ「中国」を捨てたのか (WAC BUNKO)
私はなぜ「中国」を捨てたのか (WAC BUNKO)
石 平著
エディション: 単行本
価格: ¥ 930
在庫状況: 在庫あり

 
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 日本人は、果たしてここまで「日本人」たりうるか?, 2009/8/26
 論客・石平氏の日本に帰化するまでの半生の記。
 文化大革命の嵐が吹きすさぶ中に少年時代を過ごした
著者が、日本でみたものとは‥。

 民主化運動の挫折から、訪れた日本。
 そして、友人とともに何気なく訪れた京都。
 広大な紫禁城を見た眼には、京都御所の佇まいはあまりに
質素に映ったことだろう。
 しかし、著者の眼は外見にとどまらず、さらに深奥を抉る。
 それは、富や権力で統治した列国の支配者とは一線を
画する皇室の姿であり、かつて自分が祖父から伝えられ、
現在の中国では失われた「礼」の文化、「忠恕」の心であった。
 命をかけた祖父の薫陶に導かれるように渡来した著者に
とって、果たして日本は安住の地となり得るか。
 かつての歴史と文化を否定した中国は、最早帰るべき地とは
なりえないのだろうか。
 日本人以上に日本を愛する著者の心の中には、祖国に裏切られた
悲しみもまた、見える。

青嵐の譜
青嵐の譜
天野 純希著
エディション: 単行本
価格: ¥ 1,680
在庫状況: 在庫あり

 
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 時代の匂いを感じさせる筆致。, 2009/8/4
 二度にわたる元寇によって波乱の人生を余儀なくされる
三人の男女を描く書き下ろし小説。
 小説すばる新人賞受賞作の「桃山ビート・トライブ」の
著者の第二作目。
 舞台は元寇の襲来間近の壱岐、主人公三人の出会いから
スタートする。
 前作と同様、物語は全編通じて笛の音を始め歌舞音曲に
彩られており、殺伐とした戦乱の世に生きる庶民の底力と
人間の夢や希望が描かれる。
 一方で迫真の戦闘や戦慄の虐殺を描き、血なまぐさい
場面が多いのだが、さわやかな読後感が得られているのは
そのせいだろうか。
 二作目にして、既に独自の作品世界を感じさせる作家が
登場した。
 次作も期待したい。

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