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5つ星のうち 5.0
理知的な高校生を主人公とする倒叙ミステリ, 2012/12/3
うまい。そう思いました。 同じ作者のものとしては、『黒い家』、『悪の教典』も読みました。 この作品が一番、よかったです。筋が通っていて、話に破たんがありません。 人間ドラマは秀逸。 繊細だが、理知的な都会の男子高校生の気持ちをよく描いていると思います。 完全犯罪を目指す主人公が考えるトリックは、一見、理屈は通っていますが、結構穴もある。ただ、それがまた理知的だが、少々頭でっかちで、少々情緒過多な男子高校生の考え出すものとして自然なように思えます。 一番楽しめる読者層は、高校生〜大学生ぐらいかと思います。でも、それよりもはるかに大人でも十分楽しめるように思います。 おすすめです。
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8 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
携帯性と高画質の両立, 2012/3/26
2年前にGF1を購入しました。GX1は2台目のマイクロフォーサーズ機です。(ほかにニコンとキャノンのデジタル一眼レフを所有しています)。 画質は、特に高感度がGF1に比べてよくなりました。ISO1600まではあまり大きく引き伸ばさない限り、私の場合、十分許容できます。またキットレンズとしてついてくるPZ14−42は、携帯性もいいですが、画質面でも満足できます。ナノサーフィスコーティングの恩恵なのか逆光耐性は非常によいものがあります。逆光でもフレアやゴーストがかなりおさえられております。パワーズームは、なんとなくおもちゃっぽくみえ、画質を心配していたのですが、杞憂でした。 シルバーを買いましたが、デザインにとても満足しています。質感も高く、大人の持ち物という雰囲気がします。 いわゆるアートフィルター機能やピント合わせの機能が、GF1に比べて進歩しています。 それに水準器は、見やすく、非常に便利ですね。構図づくりの際の参考になります。 全体的に非常に満足しています。 マイクロフォーサーズは、質の高いレンズでも比較的安く手に入るので、さまざまなレンズを購入してシステムを充実させていく楽しさが現実的なものとなりますね。 パナソニックにお願いですが、ぜひ高級感あふれるGX路線をシリーズ化し、GX2、GX3と作って行ってください。ついていきますので(^_^;)。
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5つ星のうち 5.0
楽しめます, 2012/3/24
この作品の原作はマンガですが、マンガを読んでいなくても、大いに楽しめる手堅い作品だと思います。 アクションシーンは、結構迫力があるし、銃が使われる場面はいたそうで、リアルです。 一昔前のマンガ原作の日本映画によくあったような内輪受け的というか、作品全体のまとまりを壊してしまうような過剰な演出もなく、まとまりのよい作品だと思いました。 武田真治も、森下悠里も、星野真理もよい演技をしていると思います。また、「コンビニ」の津田寛治も非常によい味を出しています。 公開時、上演された映画館も少なく、それほど大きな話題にならなかったようですが、とても楽しめるよい作品だと思います。おすすめです。 続編も希望します。
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身の上話
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佐藤 正午著
エディション: 単行本(ソフトカバー) |
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15 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
一気に読んだけど, 2012/2/25
地方の書店に勤める23歳の平凡な女性・ミチルが主人公。流されやすいというか、ぼーっとした感じのミチルが、妻帯者のセールスマンとなりゆき任せの関係をもち、これまたなりゆきでそのセールスマンを追って東京に出る。その際に買った宝くじが一等の2億円に当選していたことからさまざまな波乱に遭遇していく。 一気に読める。読み始めたらとまらず、最後まで読み通してしまった。主人公のミチルの人物造形がうまいと思う。地方在住で、特段の才能も特技もなく、別に道徳にうるさいわけでもない女性だとだいたいこんな感じではないか。そういう平凡な女性が、ちょっとの気まぐれから駆け落ちもどきのことをしてみたら、それまでの日常とはまったく違う事態に陥っていく。ひょっとしたら自分にも、ちょっとした歯車のズレからそういう人生が待っているかもしれない、という奇妙な気分にさせる小説である。 本書の著者紹介にわざわざ「神経が隅々にまで行き渡る文章」で書かれているとあるが、たしかに文章はうまい。美文というわけではないが非常にこなれた文章だから、文章にひっかかることなく、すなおに作品世界に没入できる。最近の小説としては、改行や会話文が比較的少なく、文章が詰まっている印象を与えるページが多いのだが、読みにくいと感じることはまったくなかった。 出てくる登場人物は、少々精神的に病んでいるのかなと思われる二人を除いて、みな良くも悪くも平凡。平均かそれ以下の倫理観の持ち主。それだからか、全体的な読後感は、かわいた、乾燥した感じをもたらす。 病んでいそうな二人が突拍子もない行動をとるから、物語は動く。ほかのいくつかのレビューが触れているように、そこに不自然さを感じなくもない。だが、作者の文章の力なのか、私の場合は、不自然さよりも、普通だと思っていたけど実は歪んだ性格の持ち主だったという恐怖をうまく描き出していると感じだ。 人生を不確実さ、不安定さを描いた佳作だと思う。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ブラックな笑いの中にも、ほんわかさせる連作短編集!, 2012/2/20
当代一流のベストセラー作家・東野圭吾氏のブラックな笑いあふれる連作短編集です。出版業界の実情、作家稼業の厳しさやつらさや喜びを巧みに織り込んだ珠玉のエンターテイメントに仕上がっています。 ブラックな笑いだけでなく、ほんわか暖かい気持ちにさせる話も多く、読後感はとてもよいです。滑稽な役回りをさせている登場人物にも、作者は最終的にはあたたかいまなざしを注いでいます。 巻末の広告のしかけがたまりません。最後まで楽しめる本です。個人的には、寒川センセイが結局は筆を折らず、どうにかもう一花咲かせたようなのがなんかうれしかったです。 ぜひこのシリーズの続編を期待しています。
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5つ星のうち 4.0
面白いですが、すこし粗いかも, 2011/12/23
直木賞作家・池井戸潤氏の作品。1998年の江戸川乱歩賞の受賞作。 銀行員の主人公が同僚の突然の死から、絡まりあった事件の謎を研ぎほぐしていく金融ミステリー。銀行勤めの経験のある池井戸氏ならではの銀行業界の描写がなかなか読ませます。文章も読みやすく、ストーリー展開もスピーディで楽しく読むことができました。 ただ少し不十分だなと思ったところもなきにしもあらずです。ひとつは、犯人の動機。ほかのかたもレビューで指摘していますが、何件も殺人を犯すほどのことかなあと少し感じました。 ですが、全般的には十分楽しめました。『下町ロケット』と本作以外、読んだことがないので、著者のほかの作品もぜひ読んでみたいと思いました。
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5つ星のうち 5.0
企業のグローバル化は幸せなのか, 2011/11/28
長くソニーを見つめてきたノンフィクション・ライターである著者が、技術者重視、ものづくり重視だったはずのソニーの変質を、冷静な筆致で描きだす。 トリニトロンやウォークマンなど、かつて夢あふれる商品を生み出してきたソニーが、エレクトロニクス重視のモノづくりの会社から、ネットワーキングとソフト、エンターテイメント路線重視の企業へと変質し、パワーも失っていく過程を、ソニー内部の人事や組織の変遷を追いながら、丹念に明らかにしていく。 グローバル企業への脱皮という名の下、ソニーの創立者の理念やアイデンティティ、企業文化の喪失がみてとれる。企業のグローバル化というのは、本当によいことなのであろうか。 本書の描き出すソニーの変質は、ソニーだけにとどまるものではないように感じた。一種の世代論とも読める。戦前・戦中世代の井深、盛田、大賀世代から、そのあとの世代の出井、ストリンガーへと移り変わっていく中で、大切なものが失われてしまい、非常に軽薄になったように思う。これは、ソニーだけではなく日本社会全体に当てはまるように思われる。 ソニーの問題だけにとどまらず、幅広く戦後日本社会論としても読める良書である。
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5つ星のうち 4.0
70年代の青春剣道小説, 2011/10/13
1978年の芥川賞受賞作。剣道に熱中する高校生・小林勇の成長する姿を描く連作短編3作が収録されている。 高校生を描いた最近の部活モノの小説とは少々異なる印象を与える。筆致が非常に男性的といえようか。著者が、主人公を突き放しているというか、剣道に打ち込む高校生の日々をたんたんと描き出している。 主人公の勇は、男子高校生がそうであるように、自分とうまく折り合いがつけられないところがある。だが、剣道部での活動、異性へのさまざまな想い、夏休みの放浪旅行、基地の町でのアルバイトなどを通じて、徐々に自分や世界との付き合い方を学んでいく。不器用で、ときに乱暴なときもあるが、着実に前進していく勇の姿勢はすがすがしい。 時代をこえて残っていく青春小説のひとつだと思う。
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5つ星のうち 5.0
保守の立場からの政治哲学への道案内, 2011/10/8
政治哲学への道案内という趣の本です。 欧米の政治哲学の名著を紹介しつつ、それに関連した日本や世界の身近な政治の問題の見方を提示するという体裁をとっています。一冊の古典的名著につき、だいたい8〜9頁にまとめており、また文章もわかりやすく、すらすら読める本です。 内容は、人間の謝りやすさと政治や社会の複雑さを強調する保守主義の立場が貫かれています。 人間は、ともすれば頭でっかちになりやすく、「正義」や「真理」、「理想」の名のもと、人々の生活をめちゃくちゃにするような政治に賛同し、支持してしまう傾向があります。本書は、そうした傾向をさまざまな古典を引きつつ戒めます。 人間や政治、社会の複雑さを冷厳に認識し、一件麗しいスローガンに惑わされず、常識を大切にしつつ、割りきりがたい現実に丁寧に対処していこうとする態度の大切さを、辛抱強く主張しているように感じました。 驚くべきことに著者は非常に若く、まだ20代後半ということですが、文章にしろ内容にしろ、熟達の感があります。 これからのわが国の将来を担う若者に特に読んでもらいたい本です。
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8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「心でっかち」を脱するために, 2011/9/28
本書の帯には、著者のこれまでの研究の結実たる「精神バランス論」を世に問うとある。 著者によれば、本来、個々人の「心」は、「精神」と「身体的習慣」に支えられ、それらとバランスがとれてはじめて生き生きとしたものとなる。 ここで「精神」とは、共同体が伝統的に培ってきた集団的な「心」のあり方である。社会学などでいういわゆる「エートス」に近いものともいえよう。「身体的習慣」とは、武道やスポーツ、職人の手仕事、生活習慣などのなかで、反復やリズムによって培われる身体的構えといってよいであろう。 戦後の日本社会では、個人主義的価値観がはびこり、個人の「心」が偏重され、「精神」や「身体的習慣」がないがしろにされてきた。そのため、鬱の症状を訴える人や、落ち着きのない子供、こらえ性のない若者が蔓延するようになった。 著者は、戦前までの日本人が伝統的にもっていたはずの強い「心」のありようを回復するために、「心」偏重を脱し、「精神」や「身体的習慣」の重視を復興する必要性を訴える。 以上のように述べると、なにやら抽象的で小難しい本のように感じるかもしれないが、本書の記述は、非常にわかりやすい。また具体的な方策も数多く示している。たとえば、「素読」のすすめ、昼休みにバレーボールをする会社のような一体感ある集団の見直し、身体感覚の大切さに気付かせる簡単な体操の提案などである。 本書は、著者がこれまで多くの著作で追い求めてきた身体論の中間的まとめというところだろうか。2時間程度もあればスラスラと読めてしまう簡単な本であるが、戦後日本社会が失った大切なものを思い起こさせてくれる。 大変良い本だと思う。
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