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5つ星のうち 4.0
チームで戦う…超能力者版CSI, 2013/5/20
2011年スタートの米Syfyチャンネルのオリジナルシリーズ。
クリエイターはAvengersやX−Menシリーズに参加してきたザック・ペンということで本作も「超能力者たち」を主人公に据えた連続ドラマです。
しかし同様の設定のドラマは目新しくもありませんし、特殊な能力を備えた人々の苦悩と彼等と敵対するグループとの対決というテーマもありきたりと言われれば、まぁその通りです。
映画なら大がかりなスペクタクルシーンでお茶を濁すことも可能でしょうが連続シリーズとなるとドラマをきちんと組み立てねばなりません。
実はこのテーマで「シリーズドラマ」としてちゃんとしたクオリティを継続して提示するのは意外と難しい気がします。
その大きな理由はやはり「スケールの問題」ではないでしょうか。
シリーズの進展とともにどんどんお話のスケールが大きくなる傾向がどうしても出てまいります。
幸い、現在ではCGの導入によってどんな大規模なスペクタクルだってその気になれば描けてしまいます。
ですが、そのスペクタクルに見合うだけの魅力的な設定や登場人物たちのドラマを組み立てることは容易ではありません。
では本作の出来は如何に?
感想として、思ったより巧くその辺りのバランスは図られている印象です。
何と言っても主演にデビッド・ストラザーンを据えたことが大きい。
アメリカ、インディーズ映画の旗手ジョン・セイルズやカーティス・ハンソン監督の諸作で知られる演技派。
彼をアルファと呼ばれる超能力者たちのチームを取りまとめるローゼン博士に置くことで本格ドラマの印象が生まれています。
ローゼン博士自身はアルファではありませんが(本当?)心理学者として彼らの苦悩を理解しようとすると同時に管理を強める権力側との間の調整役を果たしております。
知的でありながらも軽妙さも匂わせる演技巧者のおかげで只のSFドラマよりは一段上の人間臭さが生まれております。
もう一つはスケールの抑え方。
超能力者たちを主役に据える以上、当然スペクタクル満載の派手な展開を予想させますが、本作はあえてそうはならないように巧妙にコントロールされた印象があります。
アルファ達は超能力を持つ反面、何らかのハンデも抱えておりますしその超能力にしても限定的です。
ローゼン博士の元に集まった5人のアルファ達は結果として「チーム」として他のアルファ達が起こす事件を追うことになります。
その過程でそれぞれの能力:
五感を自在にブーストして証拠を探る、
アドレナリンを自在に分泌して短時間ではあるが肉体能力を飛躍的に高める、
強力なマインドコントロールで瞬間的に相手を自在に操る、
電波を自在に”視る”事によって通信を傍受する、
事象の動きを本能的に察知するする能力
これらを駆使して行くことになります。
印象はミュータントジャンルというよりはポリスストーリーに近く
本音を言えばあたかも超能力者版CSIといった雰囲気もある中々に巧妙なつくりなのだ。
捕えられたアルファ達を幽閉する秘密施設があったり、組織的に社会に反抗を企てるアルファ達の動きも見せております。
1stシーズンの後半には不死能力を備えた強力なアルファの存在が明らかとなり、以後のストーリー上の大きな流れを予見させる展開も用意されております。
スペクタクル路線に走ることをあえて避け、変な言い方になりますが「身の丈に見合った」描写と展開を選択したおかげで浮世離れし過ぎない親近感の湧くドラマとなっております。
このスタンスを貫き通すことが出来れば意外とロングランのシリーズになるかもしれません…。
等と思っていたら本シリーズは2012年にキャンセルされてしまいました。
いやぁ、アメリカのTV界ってやっぱりコワい。
キャンセルは第2シーズン終了後の決定であったため、当然物語としては完結出来ておりません。
発売元としてはその辺りはぼかしたい所でしょうが、完結していないという事実には言及しておかないとフェアではないでしょう。