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アイクさんが書き込んだレビュー (京都市)
(トップ500レビュアー)   

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マリーゴールド・ホテルで会いましょう [Blu-ray]
マリーゴールド・ホテルで会いましょう [Blu-ray]
DVD ~ ジュディ・デンチ
価格: ¥ 3,692

5つ星のうち 4.0 幾つになっても自分探しは終わらない..., 2013/5/22
"Dame"ジュディ・デンチ(78)を筆頭にビル・ナイ(63)、トム・ウィルキンソン(64)やマギー・スミス(78)といった英国映画界のシルバーエイジ組(重鎮)が顔を揃えた作品。
監督は「恋するシェークスピア」で知られるベテランのジョン・マッデン。
ベスト・セラーの映画化という事ですが日本人にはその点はあまり関係ないですね。

イギリスからそれぞれに訳アリの事情でインドに渡った6人のシルバーエイジ世代の人々。
物価の安いインドで悠々自適の時間を過ごす算段で「高齢者向けホテル・マリーゴールド」に集います。
しかしそこは誇大広告のそしりを免れない宿だった…。

派手でも飛び抜けた何かがある訳でもありませんが、普通に楽しめる作品。
さすがにベテラン勢を揃えただけあって登場人物たちの息遣いはちゃんと伝わるものになっており、良い意味で映画らしさに満ちております。
しかし彼らの存在感と舞台設定(インドの下町)のエキゾチズムに少々下駄を預け過ぎの感があってお話そのものが中々に弾んで来ない印象はぬぐえません。
異文化の環境に置かれた英国人たちのカルチャーショックの描き方も通り一遍でどうも意外性に乏しい。

それと物足りなさを覚える理由の一つはこれほどのベテラン勢を揃えながら、彼ら同士による競演が期待したほどではないんですよね。
全編を通じてほとんどは主人公たちが苦労しながらこの異文化環境に次第に適応して行く姿を描くことに費やさられており、彼ら同士の交流自体にはあまり比重が置かれていない。
そのためインド社会や現地コミュニティとの交流も表面をなぞっただけの感が強く結果的に物語に深みが足りない印象です。
特に英国を代表する二大女優、デンチ様とスミス様のガチンコ競演が見たかったかな。
唯一、ドラマチックだったのは英国判事の職を辞して渡印して来たトム・ウィルキンソン氏を巡るエピソード。
その背景に関してはちゃんと現代らしさも付与されていて見応えがありました。

とは言うもののこれほどのベテラン組を揃えて一本の作品に仕立て上げるのはやはり英国映画ならばこそ、でしょう。
今のアメリカ映画ならまずこの企画自体が通るとも思えませんし…。
企画段階ではピーター・オトゥールとジュリー・クリスティーもキャスティングされていたそうです(これは見たかったかも)。

本作は世界的に予想以上の成功を収めたこともあって続編製作の噂もあるようですので期待したいと思います。

ALPHAS/アルファズ Blu-ray-BOX
ALPHAS/アルファズ Blu-ray-BOX
DVD ~ デヴィッド・ストラザーン
価格: ¥ 5,974

3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 チームで戦う…超能力者版CSI, 2013/5/20
2011年スタートの米Syfyチャンネルのオリジナルシリーズ。

クリエイターはAvengersやX−Menシリーズに参加してきたザック・ペンということで本作も「超能力者たち」を主人公に据えた連続ドラマです。
しかし同様の設定のドラマは目新しくもありませんし、特殊な能力を備えた人々の苦悩と彼等と敵対するグループとの対決というテーマもありきたりと言われれば、まぁその通りです。
映画なら大がかりなスペクタクルシーンでお茶を濁すことも可能でしょうが連続シリーズとなるとドラマをきちんと組み立てねばなりません。
実はこのテーマで「シリーズドラマ」としてちゃんとしたクオリティを継続して提示するのは意外と難しい気がします。

その大きな理由はやはり「スケールの問題」ではないでしょうか。
シリーズの進展とともにどんどんお話のスケールが大きくなる傾向がどうしても出てまいります。
幸い、現在ではCGの導入によってどんな大規模なスペクタクルだってその気になれば描けてしまいます。
ですが、そのスペクタクルに見合うだけの魅力的な設定や登場人物たちのドラマを組み立てることは容易ではありません。
では本作の出来は如何に?

感想として、思ったより巧くその辺りのバランスは図られている印象です。
何と言っても主演にデビッド・ストラザーンを据えたことが大きい。
アメリカ、インディーズ映画の旗手ジョン・セイルズやカーティス・ハンソン監督の諸作で知られる演技派。
彼をアルファと呼ばれる超能力者たちのチームを取りまとめるローゼン博士に置くことで本格ドラマの印象が生まれています。
ローゼン博士自身はアルファではありませんが(本当?)心理学者として彼らの苦悩を理解しようとすると同時に管理を強める権力側との間の調整役を果たしております。
知的でありながらも軽妙さも匂わせる演技巧者のおかげで只のSFドラマよりは一段上の人間臭さが生まれております。

もう一つはスケールの抑え方。
超能力者たちを主役に据える以上、当然スペクタクル満載の派手な展開を予想させますが、本作はあえてそうはならないように巧妙にコントロールされた印象があります。
アルファ達は超能力を持つ反面、何らかのハンデも抱えておりますしその超能力にしても限定的です。
ローゼン博士の元に集まった5人のアルファ達は結果として「チーム」として他のアルファ達が起こす事件を追うことになります。

その過程でそれぞれの能力:
五感を自在にブーストして証拠を探る、
アドレナリンを自在に分泌して短時間ではあるが肉体能力を飛躍的に高める、
強力なマインドコントロールで瞬間的に相手を自在に操る、
電波を自在に”視る”事によって通信を傍受する、
事象の動きを本能的に察知するする能力
これらを駆使して行くことになります。
印象はミュータントジャンルというよりはポリスストーリーに近く
本音を言えばあたかも超能力者版CSIといった雰囲気もある中々に巧妙なつくりなのだ。
捕えられたアルファ達を幽閉する秘密施設があったり、組織的に社会に反抗を企てるアルファ達の動きも見せております。
1stシーズンの後半には不死能力を備えた強力なアルファの存在が明らかとなり、以後のストーリー上の大きな流れを予見させる展開も用意されております。
スペクタクル路線に走ることをあえて避け、変な言い方になりますが「身の丈に見合った」描写と展開を選択したおかげで浮世離れし過ぎない親近感の湧くドラマとなっております。
このスタンスを貫き通すことが出来れば意外とロングランのシリーズになるかもしれません…。

等と思っていたら本シリーズは2012年にキャンセルされてしまいました。
いやぁ、アメリカのTV界ってやっぱりコワい。
キャンセルは第2シーズン終了後の決定であったため、当然物語としては完結出来ておりません。
発売元としてはその辺りはぼかしたい所でしょうが、完結していないという事実には言及しておかないとフェアではないでしょう。

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (幽BOOKS)
ゴーストハント1 旧校舎怪談 (幽BOOKS)
小野 不由美著
エディション: 単行本(ソフトカバー)
価格: ¥ 1,260

5つ星のうち 4.0 若者向けと舐めてかかるとうっちゃりを喰らう”モダンホラー”, 2013/5/15
全く予備知識なしに読み始めましたが楽しめました。
「屍鬼」や「東亰異聞」は読んでおりましたが本シリーズのことは知りませんでした。
若い読者層に向けて書かれたシリーズらしいということは主人公たちの設定や会話の雰囲気からも伝わって来ますが
殊更に若作り(?)したものにはなっておらず大人でも普通に楽しめる物語になっていると思います。

学校と怪談というのは何時の時代も人気のある取り合わせであります。
どこの学校であろうと不思議なお話の一つや二つは探せば出てくるのではないでしょうか。
朽ちかけた旧校舎を巡る「怪異」にその道のエキスパートたち(?)が挑むお話自体は正に鉄板。
しかし読み進めると意表を突いた展開が。
心霊現象と思われる事象を科学的に検証し客観的に解析しようとする主人公と自称霊能力者たちとのやり取り。
そこに調査に引きずり込まれた門外漢のヒロインのうぶな視点が入る事で読者の関心も途切れることはありません。

彼等を見舞う怪異とその”種明かし”。
次々と起こる怪異現象の正体は合理的な説明によってその真相が明らかにされてゆきます。
にも関わらずじわじわと高まってゆく緊張感。
中でもクライマックス、ヒロインの麻衣が閉ざされていた宿直室で遂に「視てしまう」シーンの描写はお見事(コワい!)。

理詰めで枯れ尾花の正体を暴いてゆく主人公、ナルの言動によって心霊ジャンルのお話でありながらも合理的な視点が盛り込まれていて結果として「嘘くさく」なっていない。
加えて霊能力者たちも決して頭でっかちな造形にはなっておらずその点でもリアリティがあります。
それでいて読み進める内に「これは…何かある…」と頭の固い読者の背筋をも冷やす描写力はさすがの手練れぶりであります。

ヒロイン、麻衣が作中で述べているように私達はどこかで自分たちの理解を越えた存在・現象に惹かれているんでしょうね。
ホラー嫌いの方にもおススメしたい作品でした。

WORLD WAR Z 上 (文春文庫)
WORLD WAR Z 上 (文春文庫)
マックス ブルックス著
エディション: 文庫
価格: ¥ 690

2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 このタイトルを選んだ時点で成功は確約されたも同然でしょう, 2013/5/7
レビュー対象商品: WORLD WAR Z 上 (文春文庫) (文庫)
実は本書、読み始めたものの途中で何度か中断。
今回連休を利用して今回ようやく読了。
細かなピースを寄せ集めたモザイク様式のおかげで全体像が見えにくく一旦集中力が途切れるとどうも読み進めにくいものがある気もいたします。

人類を滅亡の淵に追いやった未曾有の災厄から10年後、元国連職員が様々な分野の人々に行ったインタビューの集大成(という形式を取ってます)。
対象は多彩で政治家・軍人・ビジネスマン・民間人、英雄と呼ばれるような人々から犯罪者、対象地域も世界各国から深海に逃れた潜水艦の乗組員や地上からはるか上空の国際宇宙ステーションのクルーまで正にモザイク状態。

ほとんどのエピソードは10ページ未満程度、しかもインタビューということで彼ら行動の詳細だけでなく当時、彼らが置かれていた状況説明も避けて通れずそれがともすれば冗長にも見える要因かもしれません。

各インタビュ―の中で明かされる生ける死者たちとの遭遇は混乱と恐怖にまみれてはおりますが「ホラー」としての側面は実はそれほど強調されていないんですよね。
そこが「ホラー」を期待する読者にはちょっと微妙かも。
それと読み進める内に「生ける死者=ゾンビ」というのは改めてビジュアル向けの素材だなとも感じさせられました。
実際の所、本書は異常極まる混乱と無秩序の中で文明と体制が崩壊して行ったのか、そしてそこから如何に人類が再興を巡らして来たのかをトレースした「シミュレーション小説」としての趣が強い。
収録されているインタビューの大半はこの災厄の発生からパンデミックを経て全地球単位での混乱が発生した際の模様を網羅するのが主眼になっており、
タイトルが示唆する「人類対ゾンビ」の世界大戦のエピックドラマを期待すると少々肩透かしを食らうことになるかもしれません。

ホラーとしては微妙かもしれませんがじゃぁ詰まらないのかというとそういう訳ではありません。
本書、最大の魅力はブルックス氏のイマジネーションの豊かさとそれ裏打ちする市井の人々の言葉が孕むディテールの確かさ、そしてそこから生じるリアルさにあります。
実際、読み進める内によくもこんな色んなシチュエーションのデタラメなお話を「見てきたように」書けるものだと感心する事しきり。
細かなエピソードとなると当然、玉石混合となる訳ですがバラエティに富んだ証言者の言葉を通じて災厄のスケールの大きさが浮かび上がってくるあたりはお見事です。
ミクロとマクロの視点を切り替えながら新しい世界の有りよう(中国は内戦をへて崩壊・ロシアでは帝国主義が復活など)まで描く風呂敷の広げ方も実に大胆です。

「ホラー小説」としてはかなり微妙な点も多い作品であるのは事実なので評価は分かれましょうが、ある種のパニック・シミュレーション小説としては正に力作。
この内容にしてはクロニクルも世界地図も付いていない点は不親切な気もしますが、あくまで人々の言葉を通じて地球規模の巨大な災厄全貌を浮き彫りにする意図だと見ました。
分かり易いホラーをお求めの向きにはフィットしない作品かもしれませんが、イマジネーションを刺激する「読み物」をお求めの方にはおススメ。

フィッシャー・キング [Blu-ray]
フィッシャー・キング [Blu-ray]
DVD ~ ロビン・ウィリアムズ
価格: ¥ 1,477

2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 NYの街の片隅で繰り広げられる大人のための寓話です, 2013/4/18
テリー・ギリアム監督にとって一般受けする作品も撮れることを証明したターニングポイントとなる作品。
本作はやはり脚本がすばらしい(もちろんアカデミー賞にノミネートされました)。
これが脚本デビュー作のリチャード・ラ・グラバニーズ氏はある日マンハッタンを歩いていた時に見かけた風景からこの不思議な物語を思いついたそうです。

ビジネス街をいかにもウォール・ストリートのヤッピー風(もはや死語ですね)のビジネスマンが一見してホームレスと分かる男性と歩いていたそうです。
そのホームレスの男性はどう見ても少し心に病を抱えているのが傍目にも明らかだったそうです.
このミスマッチな二人、実に楽しそうに話しをしながら歩いていたそうでそれがひどく心に残ったそうです。
そこから聖杯伝説と罪と贖罪、そしてラブ・ロマンスを盛込んでこんなに素敵な物語紡ぎだすなんて…ストーリーテラーたる人の想像力もまだ捨てたもんじゃないですね。

ジェフ・ブリッジスとロビン・ウィリアムズはもちろんのこと、それぞれのお相手となるマーセデス・ルール(最高にいい女!)とコケティッシュなアマンダ・プラマーとのコンビネーションも素晴らしい。
チョイ役ながらマイケル・ジーターやトム・ウェイツが存在感たっぷりにスパイスを加えております。

皮肉な目線で物事を語るのが当たり前のようにもてはやされる現代にあって大都会の片隅に降って沸いたような「大人のための寓話」。
人と人の触れ合いに喜びを見いだせないようならそれこそ呪いなんでしょうね…。
気持ちが沈んだ時に見たくなる作品です。
素直な気分でおススメしたい一本。

アウトロー ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
アウトロー ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
DVD ~ トム・クルーズ
価格: ¥ 3,533

21 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 スター街道まっしぐらで30年ですか…。, 2013/4/16
邦題は「アウトロー」と投げやりな(?)タイトルですが原題は主人公の名前、ジャック・リーチャーと直球。
トム・クルーズによる”新シリーズ始動”と大々的に喧伝されておりますがいざ見て見ると意外にあっさりとした印象のアクション・ミステリ。

クルーズ氏と言えば現在50歳、初の主演作「卒業白書」が1983年公開でしたから今年で30年。
生存競争の激しいアメリカエンタメ界で長年一線を張って来た強者であることは間違いないところ。
一時はシリアスな作品に挑戦したりもしていましたがMIシリーズ第4作の成功を受けて吹っ切れたのか、ここの所娯楽要素の強い作品に一直線。
とは言えMIシリーズや近作の「ナイト&デイ」等と比較すると本作は至って「小粒」。
テンポも早くありませんし(クルーズ氏のアクションシーンまで45分近くかかってます)世界を股に掛けた派手なスペクタクルシーンが満載の作品でもありません。
しかし事件の展開をじっくりと見せる序盤からミステリとして真相を追求する主人公の行動を追う中盤。
そしてキャラのたった敵役(ヴェルナー・ヘルツゥオーク!)の登場と対決までセオリーに忠実な作風は安定感があって間違いとは言えないでしょう。
むしろ本作の安定感は「トム・クルーズの映画」であることに胡坐をかかずにじっくりと足元から物語を固めたことから生じている気もします。
アクションシーンをむやみに増量することを避けジャック・リーチャーと言う男の行動を丹念に追う描写することで主人公の造形がうそ臭くならずに済んでおります。
原作があるということが良い意味で「足枷」となって安易な「スター映画」に流れなかったことが吉と出ていると思います。

その反面、トム・クルーズの作品をある種の「ブランド」として見る客層からすればこのスケールの小ささに肩透かしを食ったと感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
原作ファンの間ではクルーズ氏のイメージがリーチャーとそぐわないと評判が悪かったそうですが、この件は「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」での顛末を思い出させます。
美形の吸血鬼レスタトをキャスティングされたクルーズ氏に対して原作者のアン・ライスからもブーイングが飛び出したもんです(但し、公開後には彼の演技を認めて謝罪)。
こうしてみるとトム・クルーズと言う役者の不思議な立ち位置と言うか色みたいなものに改めて気付かされます。
要するにどんな役、どんな作品を選ぼうとトム・クルーズが演じるとなると「トム・クルーズの映画」として認識されてしまう。
その意味では今や希少な「映画スター」と言えるのかもしれません。

Suits: Season Two [DVD] [Import]
Suits: Season Two [DVD] [Import]
DVD ~ Suits
価格: ¥ 4,875

4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 二年目のジンクスなし、快調な第2シーズン。, 2013/4/16
レビュー対象商品: Suits: Season Two [DVD] [Import] (DVD)
ヒットしたドラマシリーズにとって第2シーズンはやはり鬼門。
前シーズンで掴んだファンを惹きつけておかねばならないと同時に同じことの繰りかえしではすぐ飽きられてしまいます。
クオリティを保ちつつ新たな魅力も付加しなければなりません。

ケーブル局USAのオリジナルドラマシリーズ、SUITS待望の第2シーズンです。
率直に言えば今シーズンも上出来。
エピソード数は16とネットワークドラマの2/3程度。
6月からスタートして8月から翌年の1月まで「中休み」が入る形で製作されることでプロダクションに時間が取れることも効果を上げているのでしょう。

前シーズンSuits: Season One [DVD] [Import]はNYの超大手弁護士事務所「ピアソン&ハードマン」のトップ”クローザー”ハーヴェイ・スペクター(ガブリエル・マクト)
ひょんな経緯で彼のアシスタントとなったマイク・ロス(パトリック・アダムス)のキャラクターを描くことが中心でした。
今シーズンは彼等が直面することになる数々の困難を通じて動き出すドラマが前面に打出されており、正にここからが本番といった所。
前シーズンでも異様にキャラのたった造形がなされていた事務所のボス、ジェシカ・ピアソン(ジーナ・トーレス)、
ハーヴェイに対してアンビバレントな感情をもつルイス・リット(リック・ホフマン)の二人の存在感が非常に大きくなってまいります。
彼等を含めた人間関係全般での見どころがメインに据えられ、それが新たな魅力の創出につながっております。

エピソードのフォーマットは前シーズンと変わりませんが、今シーズンは事務所の共同経営者にしてハーヴェイとジェシカの不倶戴天の敵ダニエル・ハードマンが登場。
この最強の難敵との仁義なき戦い&攻防戦が大きな見どころとなっております。
ハーヴェイとマイクの二人が主人公であるのは確かなのですが脇のキャラクターを使い捨てにしない点には好感が持てます。
特にアクの強いルイスというキャラクターの複雑さを生かした設定はお見事ですしジェシカとハーヴェイの間にある信頼感と危うさも孕んだ力関係も実にスリリングで引き込まれます。
ハーヴェイを誰よりも理解している彼の秘書、ダナ・ポールセン(サラ・ラファティー)のユーモア要素も巧く生かされております。
惜しいかな、マイクとレイチェル(ミーガン・マークル)の間のロマンスはまだパンチ不足でこれは次シーズンへの課題ですかね。
こうして見るとやはり良い脚本と役者のコンビネーションが揃うと派手なお話でなくともこんなに面白い「ドラマ」ができるんだなと改めて感心させられます。

タイトル通り男たちの一部の隙もないスーツ姿(マイクを除く)も見どころですがエピソード毎に見せるジェシカのファッションも素晴らしく目の保養となります。。
すでに3rdシーズンへのGOサインも出ているという事ですので楽しみに待ちたいと思います。

LOOPER/ルーパー [Blu-ray]
LOOPER/ルーパー [Blu-ray]
DVD ~ ブルース・ウィリス
価格: ¥ 3,621

31 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 タイムマシーンにお願い…, 2013/4/16
レビュー対象商品: LOOPER/ルーパー [Blu-ray] (Blu-ray)
主演のジョセフ・ゴードン・レビット(JGL)と監督・脚本のライアン・ジョンソンとの顔合わせは2005年のBrick (Blu-Ray)以来(日本ではDVD発売済み)。
それまでTVのコメディドラマ(3rd Rock from the Sun)でキャリアを積んでいたJGLにとって本格的な演技を披露するチャンスを与えてもらったと言う訳で少なからず恩義を感じるモノがあったのではないでしょうか。

B・ウィリスとJGLのW主演(OPクレジットはウィリス氏がトップ、ラストクレジットはJGLが先)の本作、近未来「SF」ではありますがガジェットや派手なビジュアルに頼るのではなく設定と語り口で見せる姿勢は頼もしい。
ですが少々地味と受け取られるかもしれません。
ただ、タイトルになっているLooperという職業(?)の成りたちが非常にユニークでこの部分だけでも十分にオリジナルな魅力を放っております。

タイムマシーン/タイムトラベルというテーマは常に人気がありますが、最近このネタを扱った作品が多くなってきました。
インディーズ系のSafety Not Guaranteed [Blu-ray] [Import](公開未定)や連続TVドラマではカナダ産Continuum: Season One [Blu-ray] [Import]なんて作品も。
しかし安易に扱うのは難しいネタであるのも事実で本来ならハードルの高いネタなのではないでしょうか。

本作、前半はJGLとウィリス氏の対立の構図がユニークで大いに興味を掻き立てられます(自分vs自分!)。
後半にかけては「ターミネーター」+「オーメン」の要素が盛り込まれてミステリー的な味わいも加わってまいります。
この部分の展開をスケールアップと見るか風呂敷を広げ過ぎとみるかで本作への評価は分かれるかもしれませんね。

感想としてはもう少し派手なお話を予想していたのですが要は「語り口」次第。
このシリアスでダークなトーンこそライアン・ジョンソン氏の志向するところなのでしょう。
しかしちゃんとラストにかけての主人公の行動には意外性だけでなくヒューマンな味も感じられ、意外と後味は悪くないと思いました。
オリジナルな物語と独自の世界観を構築する力量は本作でも十分に見て取る事ができると思います。
次回作を期待して待ちたいと思います。

ジャッジ・ドレッド【初回限定生産 スチールブック仕様】 [Blu-ray]
ジャッジ・ドレッド【初回限定生産 スチールブック仕様】 [Blu-ray]
DVD ~ カール・アーバン
価格: ¥ 3,621

12 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 近未来SFとバイオレンスはやはり相性がよろしいようで。, 2013/4/9
荒廃した未来のアメリカ、東海岸は汚染され人々はメガ・シティ1と呼ばれる都市に居住。
貧困と混乱が支配する街の秩序を守るのは判事権を付与されたエリート保安官:”ジャッジ”たち。
強面で知られるジャッジ・ドレッド(カール・アーバン)はある日新人ジャッジ、カサンドラ・アンダーソン(オリヴィア・サービイ)の適正試験を任されることに。
二人は無数に起きている事件の中からピーチ・ツリーと呼ばれる200階建のスラムビルで起きた殺人事件現場に赴きます。
しかしそこはスローモと呼ばれる違法ドラッグを取り仕切る凶悪なギャング、”マー・マー”(レナ・ヘーディ)の本拠であり、彼女は自分の王国を脅かしかねない秘密に近づいた二人のジャッジを抹殺することを決意。
完全封鎖されたピーチ・ツリーを舞台に壮絶な戦いの火蓋が切って落とされた・・・

ごめんなさい、スタローン版は未見です。
比較的無名の出演者たちのアンサンブルで作られた本作はうれしいことに意外な拾いモノ。
本作の特徴はズバリ言って”ハード・バイオレンス”。

流行りのディストピア映画の一本ですが最近はずい分マイルドだったりお洒落に決め込んだ作品が目に付きます。
時にはもっと荒々しいSF映画が見たいんだけど・・・
そんな青少年の健全な(?)要望に応えてくれる作品になっております。

本作を見て思い浮かべたのはやはり「ロボコップ」(もちろん87年のオリジナル)。
過激な暴力描写の扱い方にも共通点がありますが、それよりも主人公二人の設定がやはり似てます。
ジャッジたちは全身プロテクターで固めておりますがドレッドはヘルメットを外さず正にロボコップ状態。
一方の新人ジャッジ、アンダーソン女史はヘルメットは被らず(それにもSFらしい理由があります)。
このコンビは正にロボコップにおけるマーフィとルイスのコンビにそっくりなのです。

封鎖された巨大スラムビルの内部でのアクションに終始する物語ではありますが意外にスケールの小さな印象はありません。
CG描写による過剰なまでのシュートアウトシーンが出てきたり(一つの階を丸ごと蜂の巣に)ドレッド達が移動する階ごとに壁などの色調なども異なっていてちゃんと広さを感じさせるあたりも上手く出来てます。
過激なヴァイオレンスシーンに関してもほとんどが激しいアクションシーン中のCGによる処理でその部分だけを見せつける様な露悪趣味的な点はそれほどではありません(若干はありますが)。

陰鬱になり過ぎていないのは無表情ながら黒いユーモアをにじませるアーバン氏のドレッド像がハマっている点が大きいですし後半にタフさを増すアンダーソン女史の姿も中々に凛々しいからですね。
ギャングのボス、マー・マーもビッチで破滅的なキャラでぎらついた魅力を放っており、おススメしたいところではあるのですがやはり「血と暴力」に免疫がない方向けの作品ではないですね。
ハリウッド大作の様に洗練はされてませんが(撮影は南アフリカ)この荒々しさも時には魅力的であります。

□ 削除す

ブタとおっちゃん
ブタとおっちゃん
山地としてる著
エディション: ペーパーバック
価格: ¥ 1,890

1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ブタたちはカワイイし、おっチャンはオモロイし…あぁ、でもこの複雑な気持ち…人ってややこしい…。, 2013/4/8
数年前に書評などで話題になった写真集です。
素材となっている人物・ロケーション・背景などは他のレビュアー各位に詳しいので割愛。

感想を少々。
モノクロのシンプルな写真の数々。
一般人にはうかがい知れない養豚場での作業の詳細に踏み込むでもなく、ブタたちとオッチャンのモノクロの写真がタイトルもキャプションもなく一ページに一枚づつ淡々と続いております。
決して見映えのする内容ではありませんし、かといって「味のある」なんておためごかしで済ますのも何か違う気がだんだんしてまいります。

ブタたちだけでなく牛、犬、鶏、猫に猿までが跋扈するこの養豚場。
一見楽しそうですが後書きで触れられているように大変な重労働である筈ですし生き物が相手ということもあって”混沌”は避けられるはずもなくその気配は写真からも伝わって来ます。

工業製品同様、「いつでも・どこでも」手に入るようになった食肉。
それはその生産過程が産業さながらに大規模化・効率化されたからに他なりません。
プラスチックの皿におさまってパッケージされた食肉からその元の生き物の姿に思いを巡らすことは一層、難しくなっていることは間違いない。
生き物を殺生している事実を意識することなく彼らの肉を消費できる今のシステムは本当に「便利」ではある。
だがそれは本当に「良い事」なのか?

おっチャンは「おもろい」。
ブタたちの表情は「可愛い」。
では彼等の日々(去りし日々らしいですが)を切り取ったこれらのスナップショットを眺めている内に次第に心中に去来するこの複雑な感情は何なのか?

おっちゃんとブタたちの間に存在する「つながり」をどう捉えるかは読み手次第でしょう。
愛情をこめて育てようが只のモノとして育成しようが、最終的にブタたちの行く末は同じ…と言う意見も当然あるでしょう。
だとすれば本書が我々に突き付けているのは結局「人の業」をどう捉えるのかという命題となるのでしょうか。
次第に頭の中がグルグルしてまいります。

等と思いつつページをめくっていると後半、おっチャンの家の中を捉えた写真が何点か。
そこに写っているおびただしい数のオブジェクト。
個人的にはこのスナップに一番ショックを受け、そして同時に納得。
あぁ、この人本当にブタが好きなんだ。

人間ってややこしい...でもそのややこしさと向き合う力を与えられたのもまた我々の業であり良いところなのだと思う(思いたい)。
ならば、そのややこしさとどう付き合って行くのかを考えることも僕らに課せられた仕事なのですね、きっと。
見かけとは裏腹に深い命題を突き付けられる一冊でした。

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