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よつばといっしょに!, 2009/11/27
いつも以上に待望の「よつばと!」第9巻。季節はすっかり秋めいて、よつばも長袖に着替えます。でも、無敵のかわいさは健在です!
夏休みの間は「何でもない一日だけどそれを思いっきり楽しんでしまえ!」という素晴らしい日常が広がっていました。それからだんだん、自転車を覚えたり、仕事のことを気にしたり、何気ない日々でありつつも、よつばが成長しているという印象が個人的に強まってきてました。そのせいか、よつばが以前覚えた知識を使ったりすると、何だか無性に嬉しいのです。たとえ使い方が間違っていても(笑)
詳しい内容は書きませんが、今巻でも新たな経験や出会いが待っています。初めてのことでも自ら飛び込んでいって、楽しみながら成長していくよつば。素晴らしい描写力と間の上手さで、その世界にじっくり浸れます。まるで、貴重な瞬間に立ち会っているような、一緒に体験しているような気分。アニメではなかなかこうはいきません。本当に素晴らしい「漫画」だと思います。
もちろん笑える場面も満載。またしても、よつばは名言を連発。相変わらず、思わぬところから笑いが来ます。恒例のよつばVSやんだも見所ですが、個人的にはとーちゃんとあさぎの奔放なやり取りもかなり好きです。「よつばと!」の住人はみんなノリが良い(笑)
やっぱり今巻もおもしろかった。そしてすぐにでも、読み返したくなると思います。そうやって何度でも読んでほしい漫画です。是非、ご一読を。
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おもしろおかしく奇妙な世界, 2009/11/26
「森のテグー」は施川ユウキにとって新しいタイプの漫画だと思う。
顕著なのは舞台設定だ。「がんばれ酢めし疑獄!!」は無秩序にキャラが存在しベースとなるものはなかった。「サナギさん」は学校、「もずくウォーキング」は家族という集団が土台にあった。
この「森のテグー」での舞台は森の中の村。どこか閉鎖的ながら、今までより一回り広い社会である。その中には学校も家庭もあり、各キャラの関係性も友達、家族、村民、仕事仲間と様々だ。
さらに主人公のテグーはネコ。他にも動物たち、謎の生物も村民として生活しており、キャラモノの要素もある。
と、まるで過去の総括的な作品にも思えてくる。
村の生活を覗いて見ると、住人たちは木の家に住み、青空の下で学んでいるという自然に溢れた暮らしをしている。そこはイメージ通り。
だが視点を変えれば。図書館や天文台などの研究的施設。また貨幣制度があり、町から行商が来るという文化の発達。村の名物である風車も、電力を売ることで村の財政を支えているという機能を果たしている。動物たちもやり取りだけなら人間と相違ない。
というように、非常に現実的な部分が浮き彫りになってくる。架空の社会を描くために、今まで描かなくても良かった設定が掘り下げられているせいだ。
何より奇妙なのが、村には人間もいることだ。森の外には当然、人間の村もあるはず。少なくとも電気を利用している文明が。となると、この未発達な森の存在は一体?
要するに、「森のテグー」は世界観から興味深い作品になっているのだ。
果たして、これは現代を舞台にしたファンタジーなのか。あるいは未来の物語なんだろうか。そして、この世界を通じて施川ユウキは何を描こうとしているのか。ゲラゲラ笑いながら、そんなことまで考えてしまう。これはファンシーな皮を被った問題作だと思う。
ついでに余談。
テグー父の名前はアンヒューマ。人間のハラダさんが彼を「アンヒューマさん」と呼ぶのがやけに引っかかるのだが。
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え!?絵が下手なのにおもしろい?, 2009/11/20
つくづく、施川ユウキは過小評価されていると思う。その理由が、本書が煽る「絵が下手」に起因しているかどうかは分からないが、そこで判断してしまう人がいるとしたら残念でならない。少なくとも、絵が下手でもおもしろい漫画はあるということくらいは容認して欲しいもんだ。
逆に、施川作品は無理に漫画として評価しなくてもいいとさえ思う。例えばこの漫画はエッセイ漫画だが、文章によるコラムと読み応えはほとんど変わらない。
だが、これほど「笑いそのもの」を的確に表現している漫画家はいない。漫画自体は目的ではなく、表現手段として機能的に使われているという印象だ。作中では「絵が下手だから結果的に4コマになった」というような話があるが、「そもそも施川ユウキの笑いは4コマに適している」というほうが僕は納得できる。
デビュー作「がんばれ酢めし疑獄!!」は余分なものを削ぎ落としたギャグ漫画のひとつの完成形だと思う。古典的な笑いの本質を暴き、独自のセンスで一気に突き放す痛快なギャグ。何度読んでもおもしろい。敢えて言おう、もし絵が上手かったらあんなにおもしろい漫画は描けなかっただろう。
と、書いておいてなんだが、この「え!?絵が下手なのに漫画家に?」は施川作品の中では少々つまらない部類に入る。エッセイということもあり平坦な漫画だ。初心者用としての役割はあるし(むしろコア向けだけど)、読む価値アリだとは思うが、過度な期待はしないで欲しい。
しかし、途中に入る読み切り時代の「がんばれ酢めし疑獄!!」はファン必読だ。ほのぼのした日常やキャラクター先行のユルいギャグ漫画が溢れる昨今、最もギラギラしていた頃の施川ユウキのギャグが妙に懐かしく、やけに心地いい。
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爆発的進化, 2009/11/20
ギタリストの失踪、そして脱退というダメージを負いながらもバンドは進んだ。足をもがれても、翼を生やし、一気にここまで辿り着いた。
「PARADOX PARADE」はそれ程に、大きな飛躍を遂げた進化作である。
1stでも十分に力を出し切ったといえる出来だったが、サポートの力も借りたにせよ、このハイペースでここまでスケールアップした作品を作ってしまうとは驚いた。さらにハードに、さらにダンサブルに、さらにポップに、さらにメロディアスに、さらにロマンチックに。このバンドの持ち味が全て倍加ような感覚。まるで手応えが違う。
ブレのないバンドのサウンドに甘く擦れた渋い歌声、そして豪華ギタリスト陣が本当に素晴らしい仕事をしている。それぞれ楽曲の色に合わせた見事な演奏、特にFoZZtone竹尾の功績はでかい。
個々の曲の細部までアレンジが冴え渡り、アルバム全体としても素晴らしい。前作では居心地の悪かったセッションも、きっちりと収まっているどころか、その存在意義がはっきりと見えてくる。
ハイライトは「アンドロメダ」と「プリズム」だと思う。正直こんな正統派の名曲が出てくるのはもっと先だろうと思っていた。或いは勝負時にシングルでと考えていたので、このタイミングでのアルバムに収まってくるとは、全くの予想外。まだまだ勢いで突き進むことも出来ただろうに、異常な進化速度だ。
そして歌詞の力も圧倒的に増した。大袈裟に言えば、単なるセンテンスの結びつきだったものが、しっかりと感情やメッセージに則った物語を描き切っている。それくらい違う。それに伴って歌声がまた素晴らしく活きている、という相乗効果も。
奇跡的な名盤。このクオリティを保って進めるかは未知数だが、まだまだ底知れないバンドである。きっと期待できると思う。
まずはとにかく、こいつは必聴だ。
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平野綾流ロックアルバム, 2009/11/19
平野綾2ndアルバム「スピード☆スター」。非常にノリがよく疾走感に溢れた作品。彼女のロックを全面に押し出した意欲作である。
ポップでアッパーな「Super Driver」「Sing a Song!」、リズムが心地よい「OH! My Darlin'」「Kissme」、ミディアムテンポの「水たまり」「あの花のように」、というブロック構成。後半はブラスの入った「アイシテ!」、グラマーな「LocK-oN」などのアレンジは広がるが、ロックの枠から外れない統一感がある。中でも意表を突かれた感じのM4M5あたりが特に気に入った。
全13曲中5分を超える曲はなく、トータルも50分を切っている。前作と比べるとタイトな内容である。
ただ、いくら勢いがあっても曲調が絞られたため、曲数を重ねるにつれての単調さはどうしても感じる。これならさらにコンパクトにしたほうが、完成度や聴きやすさも増したかもしれない。また、1曲もしっとりとしたバラードがないのも残念な部分。はっきり言って真新しさもほとんどない。
評価点としては、本人作詞曲が増えたのは大きな前進である。詞の完成度はムラがあるものの、「Sing a Song!」では自分の意思をしっかりと歌い、「水たまり」では表現力の幅が広がった。内容はラブソングが多めで稚拙な英語表現も目立つが、これに関しては平野綾のブランドとして確立している。そういう意味では、より「らしさ」が強くなった。今後、さらに洗練されていけばと思う。
そして歌も上手くなった。感情の込め方や、特に発声の良さはしっかりレベルアップしている。と、ちゃんと収穫もあった。
平野綾流ロックの決定盤。革新的な進化はないが、歌手としてアーティストとして着実な成長を感じた。
ただ、次もこの路線じゃつまらない。というか、勿体無い。次作では変化にも期待したい。
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お前はオレを信じなさい, 2009/11/13
「KING OF ROCK」に続く攻撃的アルバム「GREAT ADVENTURE」。代表曲である「拝啓、ジョン・レノン」や「空にまいあがれ」など黄金期と言える名曲が揃っている。かつバックバンドMB'Sのが賑やかなソウルフルな「新しい夜明け」に桜井バラードの決定版「スタンダード」、セッションナンバー「S.B.T」など、一貫して攻めの作風を感じさせながらも、ポップ・ロック・フォークとバランスの整ったアルバムである。
個人的に取り上げたいのが「アーカイビズム」。なんとなく地味な印象の曲だが、恐らく「スピード」の次にハイテンションな俺様ラップを響かせている名曲。もうイントロのギターから刹那的な感情の高ぶりが感じられる。サビの適当な歌詞も語感が気持ちいい。実際ジャケットのイメージに最も近いのがこの曲だと思う。「スピード」好きは必聴。
「オレ何言ってんだかわからねぇ オレの言うことはもっともだー
あーもっともだ あーありがたや お前はオレを信じなさい」
信じるか信じないかはもう決められてます。
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「あったら嫌だな」がある, 2009/11/6
日常のすぐ隣ある恐怖を描いたホラー漫画「不安の種」。オムニバス形式で短いエピソードが何本も収録されていて読みやすさも抜群。
決して派手な恐さはないが、頭の片隅に小さな不安の種を植えつけられる。そしてそれを日常に持ち帰ってしまったならば、背後に何かの気配を感じずにはいられないだろう。不安は読者の中で恐怖へと育っていくのだ。
そんな日本らしいワビサビの効いた恐さがある。夏には涼しさを演出するホラーだが、冬の夜長にもさらに背筋が凍りつくような感覚を味わえるはず。1年前に出会って読み尽くしたはずなのに、何回読んでも本当に恐い。けど、また読んでしまう。
個人的には、このシリーズの続編にあたる「不安の種+」のほうが恐いと思う。あの「おちょなんさん」の存在を知った後じゃ、こちらは少々インパクトに欠ける。
なので、まずはこちらから先に読むことをオススメする。
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43 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
色んな人いるなぁ, 2009/11/5
主人公以外のキャラクターが個性的でいい。天才新妻エイジを始め、野心家の福田、努力家の中井、自信家の蒼樹、さらに新キャラ平丸(あと噛ませ犬KOOGYを忘れてた)。そして担当編集にも個性がある。それぞれの作品に色んな角度からの意見や描き方や目標があっておもしろい。連載が始まってからはリーグ戦を見ているような感じだ。
一応、真城と亜豆の恋愛シーンもあるんだけど、中井さんが見せた馬鹿みたいな純真さの前では、あのエピソードは温い。あれで原稿落とすくらいのインパクトがないと茶番に見える。恋愛はきっかけとしては重要かもしれないけど、今はあくまで隠し味程度でいいんじゃないかな。せっかくライバルとの切磋琢磨とか、連載中のジャンプのメカニズムがおもしろいんだから。
ということで、いよいよ連載が始まったわけだけど、気になる点が。それは実在の漫画と作中の漫画が混在してしまうこと。
この漫画はリアルな週刊少年ジャンプが舞台になっている。実際の連載漫画の名前も多く挙げられてきた。ましてアンケート人気を元に競い合っているわけだから、当然「ONE PIECE」なんかは上位に来るはず。だが、実在の漫画の順位までは描かれていない。
要は、雑誌全体でどうなっているのか分からないのだ。せっかくリーグ戦のような戦い方なのに、その辺りのおもしろさが十分に描かれていないのが少々もどかしい。そりゃフィクションだからっつって、実在の漫画を終わらせるとかはさすがに出来ないだろうけどさ。今までジャンプ内部の細かいところにもメスを入れてきただけに、現実との兼ね合いが苦しくなってきているように感じた。
とはいえ、このスタイル自体はおもしろいのでじっくり続けて欲しい。亜城木の漫画は人気をキープしているようだが、トントン拍子でアニメ化はまだ待ってほしいところ。
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44 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
誕生日おめでとう, 2009/11/4
ボッスンの過去編。今まで描かれていなかったボッスンとその家族の物語。さらに衝撃の急展開が待ち受けている「SKET DANCE」第10巻。
とうとう来ましたね。正直、泣きました。
「SKET DANCE」には、いつも結局感動させられてしまう。話自体は結構ベタだったり、不器用なんだけど、だからこそというか、真摯で丁寧で、感動が真っ直ぐ伝わってくるなんだよなぁ。最後のあの二人のシーンなんて、もう本当に、グワーッっと来ます。ヤバス。
色んな人がいて、それぞれが色んな想いを抱き合って繋がっている。ボッスンや、周りの人たちの優しさがかっこいいです。
改めて、良い漫画だなと思いました。ボッスン、誕生日おめでとう。
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15 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
スタンダードポップアルバム, 2009/11/4
「雫」を聴いて気になり、「虹のレシピ」で決意を感じ、「ゴールデンタイムラバー」で勝ちを確信。
そんなスキマスイッチ最新作「ナユタとフカシギ」。
軽快なリズムと言葉が跳ねる「双星プロローグ」、至高の名曲「雫」、隙の無いアグレッシヴナンバー「ゴールデンタイムラバー」。冒頭からかなりの密度が感じられ、これは相当力入っているなぁとこちらも気合が入る。
しかし、4曲目からはリラックスムード。「ムーンライトで行こう」「病院にいく」「デザイナーズマンション」の3曲では日常的物語がゆったりと、いい意味でユルく奏でらている。そこからシリアスなラブソング「8ミリメートル」、「レモネード」と続いていく。
能力をフルに活かした攻めの曲と、何気ない景色を見せる等身大の曲。前半と中盤で2極化したような世界観が、9曲目「SL9」で見事に溶け合う。この曲は、宇宙や未来とちっぽけな自分が繋がっていく壮大なメッセージソング。ここで「ナユタとフカシギ」のアルバムとして作品観が見えた。
ラストは、テーマソングともいえる「虹のレシピ」とリスナーへと向けられた「光る」で綺麗に幕を閉じてゆく。
自由なアプローチと緻密なアレンジ、絶妙なメロディーと転調。歌詞もさらに鋭くなったと思う。今まではどうしてもミスチルの後を追っている感じがしていたが、独自のセンスが切れ味を増している。総合的に見てポップソングとしての完成度が上がったと思う。
ただ、この作品全体に関して言えば大人しい。特に中盤以降にアップテンポな曲がないのは残念。大幅な曲調の変化も「雫」以外はない。その辺り、まだ完璧とは言えないだろう。
暖かく自由な音楽が響くポップスアルバム。そして進化と同時に、自分たちと音楽とリスナーとの距離を確認した新たなスタンダードアルバム。 これを原点として、まだまだ先へ行けるはずだ。
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