Amazon.co.jp:
ロバートさんは、著書でたびたび、ファイナンシャルリテラシーの重要性を説いています。なぜファイナンシャルリテラシーが必要なのか、かいつまんでお話いただけますか?
ロバート・キヨサキ:
世の中には3種類の人間がいます。貯蓄家と投資家、そしてギャンブラーです。貯蓄家は恐怖心の奴隷で、ギャンブラーは欲望の奴隷、投資家はその中間でファイナンシャルリテラシーというスキルを持っています。ファイナンシャルリテラシーには、ファンダメンタルとテクニカルの2つのスキルがあります。私が考えるに、日本という国の問題は、日本が貯蓄家の国であることに由来します。「金持ち父さんシリーズ」を読んでもらえばわかるように、貯蓄家は常に負け続け、そしてギャンブラーも常に負け続けます。ところが、数字が読める投資家なら相場が上がった時も下がった時も儲けられるのです。現に私は、先のネットバブルの急落でも儲けることができました。
今回翻訳された『金持ち父さんの投資ガイド 入門編』『金持ち父さんの投資ガイド 上級編』では、その勝つためのスキルを紹介しています。
Amazon.co.jp:
ファイナンシャルリテラシーは本を読んだだけで身につくものなのでしょうか?
ロバート:
今回の本を読めばひととおり身につけることができます。ただ、重要なのは、書いてあることだけでなく、書いていないことも理解することです。ある程度投資経験を積んだ方なら、きっと行間から多くを読み取ってくれるはずです。
平均的に見て、日本人の収入はアメリカ人よりも高いわけですが、その分税金も高く、生活のコストも高い。政府はそんなは見せないわけですが、その現実を理解することが大切です。お金持ちになりたければ、常に「書いていないこと」を理解するように努力することですね。
Amazon.co.jp:
ファイナンシャルリテラシーを身につけるために、どんな勉強をしたらいいのでしょうか。またロバートさんが参考にした本があればご紹介ください。
ロバート:
ファイナンシャルリテラシーを身につけたければ、ビジネス、投資、歴史、哲学の4つを学ぶことです。ちなみに私のおすすめは『When Genius Failed』です。これはなぜ頭のいい人たちがお金持ちになれないか、ということを説いた本です。アメリカでノーベル賞をとった2人がなぜ破産状態になったのかという理由をシビアに追求しています(笑)。それから、『The E Myth Revisited』。これはこれから起業しようとしている人にベーシックなアイデアを与えてくれる良い本です。
キム:
私のおすすめは『The Hero and the Outlaw』です。これはブランド戦略に関する本ですが。
Amazon.co.jp:
お二人とも随分本を読んでらっしゃるようですが、いつ読んでらっしゃるんですか。
キム:
グッドクエスチョン(笑)。プライオリティーとけじめをつけて、時間をつくるようにしています。
Amazon.co.jp:
それぞれ書斎を持っていたりするんですか。
キム:
そうですね。
Amazon.co.jp:
数多くのビジネスパーソンを取材していますが、お金を儲けるのに哲学が重要だとおっしゃった方は初めてです。よろしければこれまでに読んだなかで印象に残っているものを教えてください。
ロバート:
コミサールの『The Monk and the Riddle』がおすすめです。これを読めば、なぜ人が不幸になるのか、その理由がわかると思います。
それから、バックミンスター・フラーの『Critical Path』。これは、ビジネスパーソンの問題解決スキルを磨くのに役立つ本です。お金持ちになるためには、まず問題解決能力を身につけること。それからお金儲けに取り組むと良いと思います。
Amazon.co.jp:
今日はせっかく奥様のキムさんにもおいでいただいているので、お二人に質問したいと思います。お二人は資産運用に成功し、ロバートさんが47歳の時、若くして引退することができたわけですが、当然、結婚した時にお二人で資産運用について話し合われたわけですよね?
キム:
もちろん話し合ったわ。カップルのなかには「とにかく貯めておけばいい」 と考える人々もいますが、それではお金持ちになれない。私たちはどうやったらお金持ちになれるか、真剣に考え、努力しました。
Amazon.co.jp:
どんなことを話し合ったのですか。
ロバート:
お互いのお金に対する価値観、姿勢を確認したんだよね。
キム:
そう。ロバートに「お金持ちになろうと思うんだけど、金持ちになったら何か不都合なことあるかい」って聞かれたんです(笑)。もちろん「ノープロブレム」って答えました。
Amazon.co.jp:
なるほど。カップルの場合、お金に対する価値観が違ったら一緒に資産運用なんてできませんからね。ところで、ロバートさんはいざ投資をする際、投資案件のどんな点に注目するのですか。
ロバート:
その話をする前に、まずは自分がどういう立場で投資をするのか、ということが大切になります。これは『金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント』で紹介したE(従業員)、S(個人事業)、B(ビジネスオーナー)、I(投資家)のことですが、Eの立場で投資をしても、税引き後のお金を投資して儲けた分からさらに税金が引かれてしまいます。これでは絶対に儲けられません。これは私が決めたのではなく、社会がそういう構造になっているのです。私たちもその構造に対応して、会社を7社持ち、そこから投資をするようにしています。
ですから、まずはお金持ちと貧乏人を分けている構造を理解することが大切です。『金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント』は、そういう意味ではシリーズのなかでも最も大切な本といえるかもしれません。
Amazon.co.jp:
具体的な投資案件ではどんなものに関心がありますか。
ロバート:
具体的な投資案件という意味では、不動産とスタートアップ企業への投資に関心があります。私のところには幹事引受会社が電話してきて、IPO(Initial Public Offering:新規公開)前の企業への投資案件を紹介してくれますから。企業への投資の場合、このようにして合法的にインサイドからの投資をしなければ、成功はむずかしいと思います。プロを含め多くの人はアウトサイドからの投資を行い、エンロンやゼロックスのような大企業を買ってしまうのです。これらの大企業はご存知のように必ずしも安全なわけではありませんし、何よりリターンが小さい。私が投資しているような小さい企業は成功したときの利益が格段に大きいのです。
Amazon.co.jp:
そのような小さな企業に投資する際には、大きなリスクがともなうと思います。ロバートさんはどのようにして、その企業が伸びるかどうかを見極めるのですか。
ロバート:
ビジネスに投資する場合には、マネジメント、商品、資産価値、人の4点に注目します。うまくその会社が伸びれば、多少の失敗はあっという間に取り返せるぐらいの大きなリターンが得られます。
Amazon.co.jp:
絶対に投資しないものはありますか。
ロバート:
アウトサイドからの株の売買はしません。それから、投資信託は買わない。あまりに動きが遅いので、性に合いません。リスクは大きいけれどもハイリターンのオプション取引が個人的には好きですね。
Amazon.co.jp:
Eクワドラントにいる方でも、保険や不動産購入、倹約等の工夫をすることによってある程度は状況を改善できると思うのですが、この3点について何かアドバイスはありますか。
ロバート:
ありません。Eクワドラントは本当に大変なところだから、早く抜け出すように、としかいえませんね。恐らく、アメリカでも全体の80%がEにいて、15%がS、5%がBだと思います。80%の方が、政府のなすがままに税金を取られているわけですが、これではファイナンシャルリテラシーがあるとはいえません。現実として、世の中は公平ではないのです。今回の『金持ち父さんの投資ガイド上級編』は、5%の人々がやっていることを紹介しているので、決して簡単ではありませんが、きちんと理解して実践すれば、きっとチャンスをつかむことができると思います。
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ロバートさんのおっしゃることを実践して、運良くお金持ちになったとしても、それを維持するのは簡単ではないと思います。富を維持するのに必要な心構えやポイントについて教えてください。
ロバート:
それについて知りたければ、『Fooled by Randomness』という本を読めばいいと思います。なぜある人はお金持ちになって成功して、ある人は滅びるのか、その理由を追求した面白い本です。ちなみに、私自身が現在取り組んでいるのも似たようなことです。教育にはAcademicとProfessionalとFinancialの3つがあると思っているのですが、これからの時代はこの3つすべてをもっていなければなりません。私は執筆活動や投資活動をとおして、3つ目のFinancialの部分を教えていこうと思っています。