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短歌を手がかりに日常の思いを切り取る, 2007/1/20
著者は歌人。昨年(2006年)まで、新聞記者として働きながら、歌人としても活動していたが、昨年退社し、創作活動に専念することになった。独立後の第1作がこの『物語のはじまり−短歌でつづる日常』である。
短歌エッセーと紹介されているが、自らの作品をエッセーを交えて紹介しているわけではない。「1、働く」「2、食べる」「3、恋する」「4、ともに暮らす」「5、住まう」「6、産む」「7、育てる」「8、見る」「9、老いる」「10、病む、別れる」の10のテーマ毎に、他の歌人の短歌を引いて、新聞記者的な視点も交え、詠み手の境遇などにもふれつつ、作者なりのそれぞれの歌の読み方を語っている。各歌ごとの解説にも、作者自身ののこれまでの生き様や人柄が透けてみえる。
他の歌人の歌の中に「物語」を見出し、作者自身の「物語」をも語るものであり、私には作者自身の物語の方が、より読み応えがあった。短歌に詳しくなくとも読め、語られるテーマも身の回りのであるが、ふと考えさせられる味わい深いものが多い。
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墨彩画を通じて語る片岡鶴太郎の生き様, 2006/11/19
物まねお笑い芸人からスタートした片岡鶴太郎。今や、個性派俳優として、また画家として押しも押されもせぬ存在といえるだろう。
本書は、その著者鶴太郎が書く「墨彩画のすすめ」という体裁にはなっているが、内容は、「鶴太郎流中年以降の生き方」とでも呼ぶのがふさわしいものになっている。
40歳を前に、椿の花を見て、美しいと思い、無性に描きたくなったと語り、それは自らの「魂の意思」だったと語る。誰の中にもある「魂の意思」に気がつき、生きることこそ有意義な人生なのではないかと問いかける言葉は、著者自身の魂から出た言葉であり、読む者に訴えてくる。
中年の曲がり角で、先の見えない人生に悩む人々に、読んでほしい1冊である。
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ヒット商品の色使いの秘密, 2006/9/20
カラーコンサルタントの高坂美紀女史が食品、薬、文具等ヒット商品45点につき、「色」の使い方という点から、解説した本である。売れる商品の色使いにはどのような意味がこめられ、消費者はどこに反応して、その商品を手に取り買ってしまうのか。見開き2ページに商品が一つ取り上げられ、商品の写真と基本となる配色について解説されている。
いつも身近で、目にする商品ばかりなので、なるほどと思わされることが多い。
商品企画などでどうすれば売れるかについて日々悩んでいる人、カラーコーディネート(配色)に興味・関心はある人はもちろん、買い物好きの人にもお勧めである。
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将棋連盟米長会長が書く60歳からの生き方, 2006/8/27
将棋界で名人位まで極め、現在は将棋連盟会長にある米長邦雄氏の著書。これまでの数々の人生論、勝負哲学を書いてきた米長会長の最新作だ。
この本に何を見いだすかは、人それぞれだれだろう。40代以降、四冠王の絶頂から転落した後の40代半ばでの「米長版中年クライシス」をどう乗り越え、再びタイトルを取り「名人」にまで登り詰めたかは、読みどころの一つである。
しかし、私にとって一番、印象に残ったのは、将棋界で功なり名を遂げた身でありながら、「60歳からが本当の人生だ」と書いている第5章の「晩年の運の呼び方」である。
中年以降の世代の人生論といえるだろう。
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CIA受験者に取って数少ない参考書, 2006/8/4
先頃、成立した金融商品取引法(旧・証券取引法を改正し、改称)の中で、いよいよ本格的に導入が決まった日本版SOX法。米国SOX法に習い、日本でも、内部統制について経営者がチェックし、外部に対して証明する時代がもうすぐやって来る。
その際に、内部統制をチェックする存在として注目されているのが、公認内部監査人(CIA)である。米国で始まった資格を日本に導入したため、年2回の試験は翻訳調で、わかりにくく、参考書類も試験を行う日本内部監査協会が発行する数冊だけで、受験者としては心許ない限りであった。
CIA受験セミナーも開催している著者の手による、CIA試験についての初めてと言っていい本格的な参考書兼問題集だが、問題集部分の難点を言えば、パート3の部分で財務の問題は取り上げられているが、IT・システムに関する例題がまったく載せられていない点であろう。
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この際、まとめて読みたい人に, 2006/7/9
ファンタジーの名作『ゲド戦記』。日本で最初に第1巻にあたる『影との戦い』が翻訳、出版されて30年ほどになる。かつて、岩波同時代ライブラリーで『影との戦い』を読んで以来、いつかは全巻読んでみようと思っていたが、なかなかきっかけがなかった。
この夏、スタジオジブリのアニメ映画が公開されることもあって、版元の岩波書店から大人から子供まで幅広い世代が手に取りやすく価格も手ごろなソフトカバー版が発売された。全巻出揃いセット販売が始まったところで全巻購入。人生の青年期から老年期までのテーマを扱い、奥が深い。自分のこれからの生き方に悩む全ての人にお勧め。
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バブルの本質をえぐりだす名著, 2006/6/26
この本が、まだ絶版になっていなかったと知り、コメントすることにした。
出版は1988年。出版されてから、8年近くになる。まさに、バブル経済の中で、株や不動産とともに、金融がいかに踊り、破綻していったのか、バブル期の各事件を丹念に取材し、バブルの本質をえぐり出している。
金融危機も過去の記憶として風化されつつある現在、二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、改めて読み返す価値のある本だ。
金融、株、不動産に関わっている人には、ぜひ読んで欲しい本だ。
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リーダーとマネージャーの違い, 2006/6/18
著者によれば、すぐれたリーダーは「部下たちに共通する不安」に注目し、自分たちの組織が、いまどこに向かっているのかを明確にして、皆が抱く未来への不安を取り除き、(自分たちの)顧客は誰か、強みは何か、尺度は何か、今すぐとれる行動は何かを明らかにする。すぐれたマネージャーは「部下一人ひとりの個性」に注目し、部下のそれぞれを型にはめて作りかえようとするのではなく、個性が活かせるように、彼らの役割や責任の方を作りかえる。
「厄年とは役年だ」とも言われるように、リーダーシップやマネージメントは、ミドルになれば、いやでも意識せざるを得ない。そのような悩み多き時期に、多少の光明を示してくれる本である。
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気分がふさぎがちな時は手に取ってみよう, 2006/6/7
著者はセラピスト。知らず知らずのうちに、陥っている「心のくせ」見直すことで、同じ出来事でも、違って見えてくる。要は、自分の考え方や気持ちの持ちようで幸せを感じることはできるという内容です。
想定している読者層は、子育てに追われる主婦層だと思いますが、一定の思考パターンから抜け出せず、苦しむのは、老若男女問わないでしょう。
なんとなく、人間関係がうまく行かず、気分がふさぎがちな時に、手に取ると何かヒントになることが、あると思います。
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ドラマも素晴らしかった、原作を読もう, 2006/3/12
フジテレビの金曜エンタテイメント(2006.3.10)で、この本を原作に、「指先でつむぐ愛」というタイトルでドラマ化された。
福島先生役に中村梅雀、奥様の成美さん役に田中美佐子という配役だった。2人が出会って結婚するまでの前半、結婚してからの夫婦の葛藤を描く後半。ついつい引き込まれ、何度も泣かされた。
「自分を大切にできない人は、他人も大切にできない。」「一人で生きていけない者は、二人でも生きていけない。」目も見えず、耳も聞こえない福島先生ゆえに、夫婦のあり方、ひいては、人と人との信頼関係の本質を何の虚飾もなくストレートに語っているように思えた。
原作を読んで、もう一回感動を味わいたい。
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