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商品の説明

内容紹介

『麦の穂をゆらす風』から2年。名匠ケン・ローチ監督によるロンドンの片隅で生きる人々の感動の物語。
2006年カンヌ映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した『麦の穂をゆらす風』のケン・ローチ監督が、自己の幸せを求めるために他人を犠牲にして「自由」とは何なのかを深く問いかける。

〈映像特典〉
●オリジナル予告篇
●日本版予告篇

〈スタッフ〉
監督:ケン・ローチ『麦の穂をゆらす風』『明日へのチケット』/製作:レベッカ・オブライエン『麦の穂をゆらす風』『明日へのチケット』/脚本:ポール・ラヴァティ『麦の穂をゆらす風』『明日へのチケット』/撮影:ナイジェル・ウィロウビー『セプテンバー11』『マグダレンの祈り』/美術:ファーガス・クレッグ『麦の穂をゆらす風』/音楽:ジョージ・フェントン『ガンジー』『アース』『ユー・ガット・メール』/編集:ジョナサン・モリス『麦の穂をゆらす風』

〈キャスト〉
キルストン・ウェアリング/ジュリエット・エリス/レズワフ・ジュリック/ジョー・シフリート/コリン・コフリン/レイモンド・マーンズ

【作品内容(ストーリー)】
1人息子のジェイミーを両親に預けて働くシングル・マザーのアンジー。仕事がうまくいったら息子と一緒に暮らすつもりで、思い切って自分で職業紹介所を始める。外国人の労働者を企業に紹介する仕事だった。必死にビジネスを軌道にのせるアンジーだが、ある日不法移民を働かせる方が儲けになることを知る。そして、彼女は越えてはいけない一線を越えてしまう。そして事件は起こった…。

2007年ベネチア国際映画祭最優秀脚本賞受賞他多数の映画祭に受賞、ノミネート。
◆2008年8月16日より渋谷シネ・アミューズ他にて全国公開。

〈関連情報〉
ケン・ローチ監督作品:
『麦の穂をゆらす風』(GNBF-1156)、『明日へのチケット』(GNBF-1157)、『ナビゲーター ある鉄道員の物語』(GNBF-1158)、『ブレッド&ローズ』(GNBF-1159)、『マイ・ネーム・イズ・ジョー』(GNBF-1160)、『ケン・ローチ傑作選 DVD-BOX』(GNBF-1161)

内容(「キネマ旬報社」データベースより)

『麦の穂をゆらす風』のケン・ローチが贈る感動ドラマ。ひとり息子のジェイミーを両親に預け、生活費を稼ぐシングルマザーのアンジー。ある日職場をクビになってしまった彼女は、ルームメイトで親友のローズと共に職業紹介所を立ち上げるのだが…。

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12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ベタな人情物語ではとてもかなわないリアリズムの力, 2009/6/11
By DiDi (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
ケン・ローチ、この人は筋が一本通った映画の作り方をしています。
低賃金労働者、移民、ブルーカラーなどのいわゆる貧困層、社会的弱者の立場から映画を撮り続けている。
それは、最初からずっと徹底していてブレがない。
この監督には本当に頭が下がります。

決して作り物やお涙ちょうだいの世界ではなく現実を直視し、リアルな目線で描かれた世界は力強く説得力があります。
有名になった現在もリアルティを出すために名のある俳優は決して起用せず一貫して無名俳優(時には本物の労働者や移民)を使うあたりも徹底している。

そして何よりすごいのがリアリティを追求した映画がおちいりがちな生真面目なゆえのたいくつさがみじんもない事。

「ちゃんと映画として面白いんです!」

映画として面白い。それがケン・ローチが実力派の映画監督として一目おかれる所以でしょう。
それもリアルなゆえの面白さ。決して人ごとじゃないって気になってくるんですね。
テレビのドキュメンタリーとか見ていてその先が気になって(好奇心と心配から)最後まで引きずるように見てしまうのにも少し似ている。

特にこの映画の主人公アンジーの立場は結構日本の現在の若者の多くにも通じるところがあってかなり共感を持ってみれるんじゃないかと思います。

派遣を繰り返し、一向に貯金もたまらず年ばかりとり、将来に不安を感じる主人公のアンジーがある日、このまま搾取されるばかりで人生終わらせたくないと自分も搾取する側の立場になりたいとある時移民相手の労働派遣事務所の設立を思い立つ。
同じように大学卒業の高学歴を持ちながらあいかわらずコールセンターの派遣の仕事をしている友人のローズをさそい早速事業に着手するも普通の女の子であった彼女達の無謀とも思える挑戦と生身の人間を相手にする仕事に対しての甘さ、自分カワイさに欲にくらんでいく様子などにハラハラ、ドキドキ。
物語の行方が気になって最後まで一気に見てしまいます。
そしてたどり着いた先は見まごう事なき現実世界・・・・。

蟹工船を読むのならこちらの方が現代の社会で生活している者としては絶対的なリアリティで迫ってくる物としておすすめです。
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11 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 この不自由な世界で, 2009/4/6
By かなり悪いオヤジ (横浜市) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
2006年カンヌ・パルムドールに輝いたケン・ローチの最新作は、ポーランドやイラン、ウクライナなどからロンドンに流れ込んで来る移民労働者にスポットを当てている。『麦の穂をゆらす風』における今までの方向性からはずれた大作路線が少し気になっていたのだが、本作品では本来のフィールドにしっかりと立ち戻って仕事をしているあたりは、さすがケン・ローチといったところ。一貫して第3世界の人々を描いてきた足腰の強さは、本作品においても健在である。

シングル・マザーのアンジーは、職を転々とかえながら現在は人材派遣会社に落ち着いていた。ところが、上司のセクハラを邪険に扱ったせいか突如の解雇をいいわたされ、友人のローズと人材派遣会社を立ち上げることを決心する。先祖がアイルランド移民でもあるアンジーがこのまま負け犬で終わりたくないともがけばもがくほど、移民労働者を搾取・利用しなければならない状況に追い込まれる英国移民問題の現状がリアルに描かれている。

ああだこうだと文句をたれる移民労働者に対しては鬼の形相で立ち向かうアンジーが、トレーラー暮らしのポーランド青年やイランからの不法入国家族に対して、ふとした優しさをみせるシーンにほっとさせられたのもつかの間、会社が軌道に乗り生活が安定してくると、そんな彼らに対してさえ容赦のない行動をとるようになるアンジー。友人のローズにも愛想をつかされ袂を分かつものの、一人息子ジェーミーのため修羅の道を歩きつづける決意をしたアンジーを、我々は一方的に非難することができるだろうか。ケン・ローチが矛盾だらけの社会に投げかける疑問はいつもながらに手厳しい。
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14 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 かなしい働かせ方はやめよう, 2009/4/14
ケン・ローチの最新作です(2008年)。この映画の公式サイトに監督のインタビューが載っています。http://www.kono-jiyu.com/interview01.html

ケン・ローチ「労働者から安定雇用が奪われ、派遣業務に代わっていく変化は、私には非常に大きな出来事に思えました。雇用の変化をもたらした政治的判断に、新労働党もトーリー党も、リベラルも誰も反対しませんでした。彼らは実は自由市場主義者です。彼らは変化を望んだのです。それは近代化と呼ばれ、自然の成りゆきだと言われます。ですが私が見たところ、実際にはそれは、ある一定の階級の意向にしか過ぎません。私たちはそれを仕方のないことだと思い込まされています。でも本当は、それは仕方のないことではないんです。」

ロンドンの「下流」労働者であるアンジー。セクハラに腹を立て会社を離れ、これ以上誰かに搾取されるのは嫌だわと自力で人材派遣業を始める。だめな夫とは別れて息子ジェイミーを一人で育てなくてはならず、ジェイミーはいつも家にいないアンジーに内心不満を持っているのか、学校では問題を起こしがち。

そのうち正規の移民を働かせるより、不法移民を働かせるほうが「派遣業者は儲かる」と入れ知恵される。派遣先の工場主「正規の移民より不法移民のほうがいつもおどおどして、命令に従順で、よく働くんだ。最低賃金以下でも、文句を言わない。だから工場主は不法移民のほうがありがたい」(しかしこのおっさん映画通して一番怖いキャラ・・・)。

最初は不法移民を働かせるという犯罪に拒絶感を示すアンジー。
しかしいかに儲かるかを実感すると、どんどん変化していく。

アンジーは知らない間に大勢の恨みを買うようになる。多くは自分が搾取し捨てた労働者だ。道路で暴漢に襲われて顔を殴られ、大けがした直後も「ローズ!」と叫んでいた。アンジーにとって、ルームメイトで共同経営者のローズの存在は大きい。
だから映画全体を通して、ローズが離れていくシーンはとても重い。

ローズ「実のところ儲けすぎよ」。
ローズも同じ稼ぎをもっているはずだが、アンジーが現金を目の前にしてどんどん変わっていくのに対して、ローズは手段を選ばないアンジーについていけなくなる。
ウクライナまで行って不法移民を連れてきてイギリス国内で働かせ、上前をはねるようになり・・・という自分たちのやり方をアンジーは肯定する。「だって自由な世界だもの」
ローズ「貧しい人からさらに搾取するようなやり方が?」アンジー「皆やってるわ」ローズ「あなたとはこれきりよ」と車から降りて振り向かず歩き去るシーンが印象的。

イギリスの不法移民と派遣業というこれ以上ないくらいcatchyなテーマだが、ちょっと考えてしまった。今の世の中、必ずしも「派遣というシステムが消えればオッケー」とは言えない。
この映画を観ると、ケン・ローチは「移民労働者」イコール「不当に搾取されてるかわいそうな社会的弱者」という図式でしか問題を捕えていない気がした。不法移民の人たちも自国にいても稼げないから、搾取されるのを知っていてわんさとやってくる。
しかし現状を肯定し、野放しにしておけば、この映画に出てくる不法移民の人たちは人生を棒に振ってしまう。
アンジーの父親「自分の国にいれば教師や看護婦として立派に働いていたような人たちだぞ」アンジー「わたしはチャンスをあげてるのよ」という言い分は半分以上正しい。
でもどんな夢もかなわない新しい環境を「チャンス」とは呼ばない。
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