「通常の表現と違う方法で、言葉の音楽化を試してみたい。リアルな表
現、イメージの洪水。経験の空間を創り出し、共有する。それにはス
ポークン・ワーズはまさに最適な方法なんだ。」 -佐野元春
ビート詩人=佐野元春による“スポークンワーズ”の集大成!衝撃の
「エレクトリック・ガーデン」発表から始まった、ポエトリー&サウン
ド表現への果敢な挑みを音と映像の2DISCにコンパイル。
“言語表現の探求者”佐野元春が20余年にわたり果敢に模索・
実験し続ける表現方法『スポークン・ワーズ』。1985年に発表さ
れた衝撃的なトータルパッケージ「エレクトリック・ガーデン」以降、
作品のみに留まらず、自らが主宰した画期的マガジン「THIS」を
はじめとするメディア、或いは1994年に大成功を収めた「Beat-
titude」や2001年から継続して行われている「in
motion」に代表されるライヴなどを通じて、彼はこの表現方法を日本に
おける先駆者として意欲的に発信・検証してきた。
本作品は、佐野元春の音楽表現において極めて重要な、この『スポー
クン・ワーズ』に焦点を当て、これまでの表現活動の軌跡を凝縮させた
プロダクツ。音源(CD)と映像(DVD)、そして言語表現に不
可欠なテキスト(全92Pブックレット)で構成されており、これ
らを通じて佐野元春が提起する、表現方法としての「言語」の可能性及
び「日本語」の持つ意外なまでのビート性を驚くほど理解することがで
きる。
ライブDVD『In motion 2003‐増幅』は、まさに本作の
ハイライトといっていいだろう。2003年、鎌倉芸術館で行われた
伝説的なライブ・パフォーマンスで、過去に音源のみCD化
(2004年/GO4CD0004)されているが、映像がノーカット
で公開されるのはこれが初めてとなる。収録時間約69分。フォー
クからジャズ、アバンギャルドからファンク、クラシックから現代音楽
と縦横無尽に展開される音楽パフォーマンスが、佐野元春のスポーク
ン・ワーズから繰り出だされる文学的かつ芳醇なイメージと相まって、
これまで誰もが経験をしたことのない異次元空間を創出。この音楽
+ 言葉パフォーマンスは、高度に洗練された詩的音楽表現の進化形であ
り、あまりにもスムーズな「革命」である。
ロックンロールのフォーマットに忠実でありながら、詩的質感を保ち
続ける希有な表現者である佐野元春。日本語によるポップ音楽表現の先
駆的役割を担いながら、なおも進化を続けている。本作では、タフな
ロック・シンガーやメロディ・メーカーとしての姿は影を潜めているか
もしれない。しかし、その替わりに攻撃性と優雅さを備えた哲学詩人と
しての佐野の存在を感じることができるはずだ。
ライブDVD「In motion 2003‐増幅」
Voices:佐野元春
Piano, Keys:井上 鑑
Drums:山木秀夫
Bass:美久月千晴
Violin:金子飛鳥