内容紹介
日本映画に燦然たる功績を残した
黒木和雄監督(『父と暮せば』)の最後の魂のメッセージがここに…。 毎回映像特典:1:追悼・黒木和雄監督特集『生と死。戦争時代を生きた若者たちにささげた生涯(仮)』,2:予告編集
スタッフ:原作:松田正隆/監督:黒木和雄/脚本:黒木和雄・山田英樹
音楽:松村禎三/美術監督:木村威夫/撮影:川上皓市/照明:尾下栄治/録音:久保田幸雄/美術:安宅紀史/編集:奥原好幸/製作:バンダイビジュアル/アドギア/テレビ朝日/ワコー/パル企画
キャス:原田知世/永瀬正敏/松岡俊介/本上まなみ/小林 薫
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自身のライフワークとなった「戦争への静かな抵抗」を描く、黒木和男監督の遺作。昭和20年、春の鹿児島。戦時下にありながら平穏な生活を送る悦子だが、想いを寄せる明石少尉から結婚相手として同僚の永与を紹介される。出撃を控えた明石は、永与に彼女を託そうとしたのだ。戦争がなければ結ばれたであろう悦子と明石。明石の思いを知って、それを受け入れようとする悦子と永与。それぞれの痛々しいまでの決意がじんわりと胸を打つ。
悦子と兄夫婦の食事風景など、多くの場面がワンカットで撮影され、まるで舞台を観ているようだが、俳優たちの自然な演技に引き込まれる。本来なら大げさに表現されるべき感情も、それぞれの抑制された表情がかえって思いの深さを伝えるのだ。とくに明石の決意を理解したときの、原田知世はすばらしい。戦時下だが、おはぎや赤飯が印象的に使われ、その美味しそうなことと言ったら! このように小道具が際立つのも、黒木監督の的確な演出のなせる技だろう。戦闘シーンなど一切出さず、反戦を訴える名品だ。(斉藤博昭)