内容紹介
1980年のショパン・コンクールの第2位及びポロネーズ賞、協奏曲賞の受賞者タチアナ・シェバノワは、ロシア(旧ソ連)出身のピアニストだが、ご主人のポーランド人ピアニスト、ジェヴィエツキとともにポーランドに住んで現在ではポーランド国籍を得、同国を拠点として教育や演奏に活躍している。ショパンについては一方ならない愛情と自負心をもつポーランド人の有識者たちが、自分たちの国を代表するショパン弾きの一人と称賛を惜しまない。これは、そんなシェバノワが95年にポーランドで録音した《24の前奏曲集》である。実は彼女にはそれ以前(90年)に録音された同曲集の国内盤がある。故チェルニー=ステファンスカらポーランドの第一級のピアニストらの録音で構成されたショパン全集の一枚で、シェバノワはモスクワ仕込みのロシアのピアニズムに裏打ちされた、スケールが大きくて個々の楽曲の性格や情感が鮮やかに刻まれた骨太な演奏を聴かせている。しかし、それから5年後にポーランドで録音された同ディスクには、その全集盤とはまた一味違った魅力がある。詩的なリリシズムを薫らせたより繊細な感受性が認められ、起伏に富んだ音楽作りとともに完成度もすこぶる高い。シェバノワのショパン演奏を知る上でも、そしてまた、同曲集の優れたディスクの一つとして、今後も末永く聴かれ続けていくことだろう。(那須田務:ライナーノートより)
アーティストについて
ロシア共和国モスクワ出身のピアニスト。モスクワ音楽院附属中央音楽学校でタチアナ・ケースネルに学び、モスクワ音楽院でヴィクトル・メルジャノフに師事した。学生の頃からコンサート活動をはじめ、モスクワ、レニングラードなどで室内楽やオーケストラなどと共演。レコーディング活動も開始する。コンクール歴は多彩で1969年「プラハの春」国際音楽コンクール第1位、1976年にはスイスのジュネーヴ国際音楽コンクール第1位、1980年ショパン国際ピアノ・コンクールではダン・タイ・ソンに次いで第2位、同時にショパン協会より贈られる2つの特別賞(ポロネーズ賞、協奏曲賞)を受賞し、一躍世界にその名を知られるようになった。その他1990年にはベルギーのベーゼンドルファー・エンパイア国際コンクールにも第1位となるという華々しいキャリアを持っている。 日本をはじめポーランド、スイス、スペイン、イタリア、オランダ、チェコ、スロヴァキア、ベルギー、フランス、デンマーク、ユーゴ、ドイツ、ギリシア、オーストラリアなど世界各国でコンサート活動を行っている。録音はメロディア(ロシア)、ムザ(ポーランド)、パントン(チェコ)など多数あり、またポニーキャニオン、MCAビクター、ソニークラシカルより国内盤も多数リリースされている。2002年、十数年ぶりに来日公演を行い絶賛された。また、ショパンの全曲録音も行うなど、最高のショパン弾きとしての評価も高い。 現在はポーランドのビドゴシュチに住み、現地の音楽院で後進の指導にあたるほか、母校モスクワ音楽院でも教鞭を執っている。(ライナーノートより)
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