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『ファイティング・テンプテーションズ』を観たからといって、この作品の持つ効能(親しみやすくて、気分が良くなる成分)で風邪が治ったりはしないだろうが、あなたの悩みをいやす効果があるのは間違いない。肩がこらず、配役も絶妙なコメディであり、互いを許す精神と喜びにわくゴスペルの歌声にあふれていて、夏の日のミント・ジュレップがすっとのどを通るように、この作品の教訓もすっと心にしみていく。
出世階段を上ろうとしているお調子者の主人公(キューバ・グッディング・Jr.)が、おばの葬儀に出るためにマンハッタンから南部の故郷ジョージアの田舎町へと戻ってくる。遺産の15万ドルをもらうには、地元の聖歌隊を毎年恒例のゴスペル大会で優勝させなければならないという遺言が残されていた。この出だしは実にうまい設定で、無邪気な冗談みたいだ。結末はみえみえだが、コメディ映画のベテラン監督ジョナサン・リンは、さりげない感じで物語を無理なく進行させていく。囚人や、大酒飲みのバーの常連客(オルガン担当)、教会の秩序にこだわる堅苦しい女性らが参加している聖歌隊の実力を上げるために、かわいらしいクラブ・シンガー(ビヨンセ・ノウルズが、感じがよく控えめな脇役を演じている)が協力してくれることになる場面はとくにうまくできている。オージェイズ、ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマといったミュージシャンも登場するこの映画、楽しくないわけがないのだ。(Jeff Shannon, Amazon.com)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
キューバ・グッディング・Jr.主演、歌手のビヨンセ・ノウルズ共演による音楽ドラマ。詐欺まがいの人生を送る男・ダリンが亡き母親の遺産を手にするため、地元の音痴な聖歌隊をゴスペル大会で優勝させるために奮闘する。