このCDの仕様
現代最高峰のベーシストでありプロデューサーであるブラック・ミュージック界のカリスマ、マーカス・ミラーがエリック・クラプトンをゲストに迎えたタイトル・トラックの他、プリンス、ベートーベン、ジミ・ヘンドリックスなどの楽曲を大胆かつ奔放に取り上げる野心作。
2001年に発表した『M2~パワー・アンド・グレイス』がグラミー賞を受賞したマーカス・ミラーの4年ぶりのアルバム。エリック・クラプトンが歌うエリックとの共作「シルヴァー・レイン」の他、ベートーベンの『ムーンライト・ソナタ』、スティーヴィー・ワンダーの「レゲ・ウ ーマン」やメイシー・グレイをフィーチャーしたプリンスの「ガールズ&ボーイズ」、ジミ・ヘンドリックスの「パワー・オブ・ソウル」、エドガー・ウィンターの「フランケンシュタイン」などユニークな楽曲を取り上げるアグレシッヴなブラック・フュージョン・アルバム。
20代半ばでジャズの巨匠、マイルス・デイビスのアルバムをプロデュース、その後はジャズのみならずブラック・ミュージック界のトップ・プロデューサーとして君臨するマーカスの才能が炸裂。
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マーカス・ミラーはまず、グラミー賞受賞のベース・プレイヤーとして知られているが、『Silver Rain』ではベースに劣らぬほどに腕の立つアレンジャーとして自らを証明している。スティーヴィー・ワンダー、デューク・エリントン、ジミ・ヘンドリックス、エドガー・ウィンター、ベートーベン、プリンスなど、本質的に異なるアーティストを扱いながら、ミラーはこの面々をまとめあげるだけの技量があることを証明している。
エドガー・ウィンターの70年代のロック・ジャム「Frankenstein」で、テノールのカーク・ウェイラムやアルトのケニー・ギャレットを含むバンドは多いに暴れているが、ミラーのスラッピング・ベースがグルーヴを完璧にまとめあげている。反対に、ベートーベンの「Moonlight Sonata」(邦題「月光」)ではミラーのメロウなグルーヴのための絶好の舞台となり、スティーヴィー・ワンダーの「Boogie On Reggae a Woman」のカバーでは複雑でファンキーな部分を存分に発揮している。プリンスの「Girls & Boys」ではメイシー・グレイが彼女の突き抜けるような肉感的なヴォーカルで華を加え、エリック・クラプトンはアルバム・タイトル曲でガッチリ演奏している。
75分に及ぶこのCDは聞き応えがあるが、何より印象的な点はこの量ではなく質だ。ミラーは苦労の跡を見せずにこれだけの素材を自分のものとした。それ以上に、彼は多様な曲を真にまとめあげて1枚のアルバムとしている。このアルバムには聞き所が数多くある。マルチに楽器をこなすミラーは曲ごとにたくさんの楽器を演奏し、雰囲気を醸しだし、ミュージシャンとして様々な顔を見せているが、特筆すべきは、一本きっちり芯を通している点。その結果、非常に楽しめるアルバムとなり、ミラーの数多くの才能を披露する絶好の場となっている。(Steve Duda, Amazon.com)