内容紹介
日本が南北に分断された、もうひとつの戦後の世界。米軍統治下の青森の少年・藤沢ヒロキと白川タクヤは、同級生の沢渡サユリに憧れていた。彼らの瞳が見つめる先は彼女と、津軽海峡を走る国境線の向こう側、ユニオン占領下の北海道に建設された謎の巨大な「塔」。いつか自分たちの力であの「塔」まで飛ぼうと、小型飛行機を組み立てる2人。ところが中学3年の夏、サユリは突然、東京に転校してしまう。うやむやのうちに飛行機作りも投げ出され、それぞれ別の道を歩き始めるのだが…。
2002年『ほしのこえ』で映像界に鮮烈なデビューを飾った新海誠監督の、初長編映像作品。
《原作・脚本・監督》 新海誠
《声の出演》 吉岡秀隆 萩原聖人 南里侑香 石塚運昇 井上和彦 水野理紗
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自主制作のアニメーション『ほしのこえ』が大きな話題を呼び、一躍アニメ界の注目株となった新海誠が、満を持して発表した長編アニメーション第一作。日本が南北に分断されたもう一つの戦後の世界を舞台に、二人の少年の友情、そして“眠り続ける少女”との約束の顛末が描かれる。
SF的世界観を背景としつつも、それを的確に提示すると言うよりは、その中で営まれる日常を思春期独特の感覚を通して表現することに軸足を置いた作風は、『ほしのこえ』の延長線上にあると言えるだろう。風景描写の美しさと、それを効果的に使って物語に空気感を持たせるやり方は文句なく巧み。少年と少女の約束の成就がそのまま“世界を救う”ことになる展開はいささか甘すぎるきらいもあるが、ある種のジュヴナイルと考えれば十分に納得がいく。全体を貫く清冽さに身を委ねたい1本だ。(安川正吾)