このCDについて
ベック・ボガート&アピス解散後、ソロ活動へ移行したベックが発表したものは、またまた革新的な、全編インスト・ギター・アルバム。今ではロック・ギタリストのインスト・アルバムなど珍しくもないが、当時はまだ前例がなく、かなり衝撃的なものだった。内容的にも、ジャズ寄りのミュージシャンを従え、ロックとジャズの融合を図った、斬新で画期的なものであった。本作は’75年作品。ビートルズで有名なジョージ・マーティンがプロデュース。
アナログ盤発売当初の日本盤には『ギター殺人者の凱旋』の邦題がつけられていた。レゲエのリズムを使用した大胆なアレンジでビートルズをカヴァーした(2)。JAZZYなスロー・テンポから後半はスピード感あふれる変則リズムの曲へとドラマティックな展開をみせ、驚異的なテクニックを披露する(5)など名曲、名演づくし。(6)(7)はスティーヴィー・ワンダーが新たに書き下ろしたナンバーだが、(6)はむせび泣くような音色、感情豊かなプレイを聞かせてくれる名演中の名演で、ベックの代表曲となった。ユニークなアイデアと人間離れしたテクニックが全編に満ち溢れた、スリリングで緊張感のある名作である。
このベック初のソロ・アルバムは全米4位の大ヒットを記録。インストのアルバムがこれほどのセールスを記録するのは大きな驚きで迎えられたが、このアルバムの成功は、ロック界のみならずジャズ界へもかなりの影響を及ぼし、その後“クロスオーヴァー・サウンド”というものが一大ムーブメントを巻き起こす。そして、ついには「フュージョン」という1ジャンルとして独立するまでに発展していくのである。また、一方でギタリストがソロでも十分にやっていけるという実績を作ったアルバムで、後世のギタリストのための道を作ったという意味でも、この「ブロウ・バイ・ブロウ」は歴史的価値の高い名盤と言える。このアルバムを指してジミー・ペイジが印象的な言葉を捧げている。「このアルバムはギタリストのための教科書だ」
【紙ジャケポイント】
★ UKオリジナルLPアートワークを復刻(E式) / 日本初版帯を復刻(当時の邦題『ギター殺人者の凱旋』のまま復刻しております) / レーベルは当時のイエローエピック / デジタル・リマスター音源 / 解説は2004年に新たにおこしたものを採用。
内容(「CDジャーナル」データベースより)
名曲「哀しみの恋人達」を収録した75年の名盤。ヴォーカル・レスのアルバムとしても注目され、ジャズのエレクトリック化とも呼応した、即興性豊かでクロスオーヴァーな世界。