11月号は、「新機能LSIを生み出す集積化MEMS」と題したMEMS特集である。MEMS(Micro Electro-Mechanical System)とは、LSI製造プロセスを発展させた超微細加工法を利用してさまざまな3次元構造のデバイスを作る技術である。これにより、電子、機械、光、流体などを融合した新たなマイクロデバイスが作り出されている。
特に市場では、MEMSとシリコンLSIとを結合した集積化MEMSが成功している。主なものとしてプロジェクター用のDMD(ディジタルミラーデバイス)や高並列のインクジェットプリンタヘッド、微小容量検出回路を集積化した圧力センサといったものが挙げられる。集積化MEMSは、今後、シリコンLSIだけでは作り得ない高付加価値の微小デバイスを創リ出すカギを握っているといえる。
ただ、その成功のためには、新たなビジネスモデルの構築や、MEMS製造プロセスにおけるさまざまな課題を解決する必要もある。本号の特集では、集積化MEMSをメインテーマに、MEMSの現状と今後の方向性、最新のMEMSデバイス、MEMS製造の課題を解決するプロセス装置・材料などについて研究者・開発者の方々にまとめていただいた。
※内容は変更される場合があります。あらかじめご了承ください。
出版社/編集部からのコメント
MEMSは、日本では「マイクロマシン」の名称で長年研究開発が積み重ねられてきた。日本には、財団法人マイクロマシンセンターがあり、毎年11月には、東京北の丸公園の科学技術館においてマイクロマシン展が開催されている。今回の特集は、この展示会に時期を合わせ、MEMS界のトップリーダーである東北大学の江刺正喜先生に企画段階からご協力をいただいた。先生のお力により、本特集では、MEMS製造に関する本物の開発成果が収録されている。
MEMSの応用製品では、トヨタが若者に向けたクラウンのコンセプトで開発した「ゼロクラウン」に搭載されているセンサMEMSについて、その技術が紹介されている。MEMS製造プロセスは、シリコンLSIを応用しながらも、かなり異なる工程が多い。立体形状を作るためにウェハを深く掘ったり、空洞を作ったりと、メモリやCPUを作るのとはまったく違うと言ってもいい。MEMSを作るためによく使われる3つの装置があって、「MEMSの三種の神器」と呼ばれているらしい。3つとは、深く掘り込むための「Deep RIE装置」、ウェハ貼り合わせ工程に使われる「陽極接合装置」、そして「両面露光装置」である。今回は、三種の神器の中でも最新の技術が収録された。また、集積化のための貫通配線技術、製品製造において重要な実装技術などについても収録している。
MEMS技術者はもとより、シリコン半導体技術者にも読んでもらいたい特集となっている。
また、常設コーナーの会議速報では、MEMS界のもう一人のトップ研究者である東京大学の藤田博之先生に、アジアのMEMS会議「APCOT/MNT」のご報告をお寄せいただいた。
さらに、今回からは新連載「技術者のための中国語講座」がスタートした。中国進出の激しい電子業界の読者には、読んでもらいたい。連載では、「資材調達の現場から」も高評で、今回のテーマは、「資材調達と関係法律」だが、後半部の取引先が倒産したときの債権回収についての部分が体験を交えて書かれていてたいへん興味深い。
商品の説明をすべて表示する








