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優しさと誠実さ――。それがジョン・健・ヌッツォの歌の身上だ。朗々と歌い上げるナンバーはもちろんのこと、「愛さずにはいられないこの想い」「なんと美しい絵姿」「恋人のやさしい息吹は」など、切々とした気持ちをストレートに乗せた歌が、聴き手の胸を打つ。「花の歌」「冷たい手を」にも、オペラオペラした演技臭さはなく、自然な肩の力の抜け方、デリケートな柔らかさがあるからこそ、心が伝わる。日本人には真似のできない英語の美しさと優れたリズム感も大きな武器だ。アメリカの抒情派作曲家デュークの「スリー・チャイニーズ・ラヴ・リリックス」やバーンスタイン「ウェスト・サイド・ストーリー~マリア」(二枚目な声質!)の清冽な歌は、今後アメリカ音楽の紹介者としても彼が活躍してくれるのではと期待したくなるほど。「ブリング・ヒム・ホーム」の最後、ファルセットで消え入るような余韻もいい。
メトロポリタン・オペラやウィーン国立歌劇場といった超一流のステージでの成功が伝えられる新星テノールでありながら、紅白歌合戦への出場や大河ドラマの主題歌など、今後ますます幅広い活躍に目が離せない、新時代のオペラスターにふさわしい出来栄えのデビュー・フル・アルバムである。(林田直樹)
内容(「CDジャーナル」データベースより)
『紅白歌合戦』出場や大河ドラマ『新撰組!』メイン・テーマへの登場など、話題を呼んだジョン・健・ヌッツォによる、初のフル・アルバム。アリアからミュージカル・ナンバーまで、彼の魅力が満載。