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本作『Segundo』以前のフアナ・モリーナは、少女時代から取り組んできた音楽を芽が出始めたところで断念し、母国アルゼンチンでもっとも人気のあるテレビ・コメディアンのひとりになっていた。しかし、7年のあいだ封印されていた本来の才能は決して失われてはいなかった。その証拠に、本作でモリーナは意表を突く楽しさを持った音楽をつくり出している。ため息にも似た優しいヴォーカルが、楽曲の独特な構造やアルバム全体の静けさに寄り添う。その様子は、休むことを知らない霊が電子的であると同時にラテン的な音響風景の中をさすらっているかのようだ。文化の壁にとらわれない抑制の効いたそのセンスは、どんなコレクションにおいても類いまれな輝きを見せる。この2作目のアルバム(1作目は1996年に母国でリリースされた『Rara』)は、LA在住中にクラブ出演の合い間をぬって制作されたものだが、モリーナのセンスがますます冴えわたっていると言えそうだ。
特異な構造を持つモリーナの曲たちは、執ようで物悲しいギターや、プロデューサー/コラボレーターのアレハンドロ・フラノフによる泡立つようなシンセ・リフに後押しされ、そよ風に乗って白昼夢の世界に逃避していきそうだ。モリーナによれば、このアルバムは半睡状態の中でレコーディングされたという。このように「意識の流れ」的手法への傾倒を見せる作品だけあって、犬の鳴き声、時計の針の音、熱帯雨林のサウンドスケープなどがリズミックなコーラスを形成し、多彩に展開する。その繊細きわまりない調べは、まるで音の幻のよう。ここに何とも柔らかなシンセのうねりが加わり、モリーナの甘美で夢心地のヴォーカルが重ねられる。さらに印象深いのは、モリーナのソングライティングに不可解で無意識的なセンスが見受けられることだ。1曲目から最後の曲に至るまで、真の音楽的冒険と言える素晴らしい内容に仕上がっている。(Jerry McCulley, Amazon.com)
Album Details
Hailing from Buenos Aires, Argentina, Juana Molina is an extraordinary singer/songwriter/producer. Juana's music flows from her acoustic guitar, off-kilter electronic sounds and rhythms, while her voice is soothing and mesmeric. Segundo, her international debut album, is a wonderful collection that bubbles with joy and is underpinned by the gentle grace that paved the path for the lavish praise awarded to her subsequent albums Tres Cosas and Son and saw comparisons to the likes of Beth Orton, Lisa Germano and Cat Power fly.