Amazon.co.jp
「デフジャムで3年間のみそぎを終えたバドゥンは、並みのMCとはわけがちがう」という宣伝文句は信じるに値する。彼より一足先にデビューした50セントと同じくバドゥンは、ニューヨークのアンダーグラウンド・シーンにおける伝説のミックス・テープの男から、ビルボードのチャート入りを待つメジャーなMCにまで登りつめるという大変な出世を果たした。とりわけその原動力となったのが、ジャスト・ブレイズのプロデュースによるクラブ向きの「Pump It Up」や、2002年にクラブ・ヒットした「Focus」といったトラックだ。けれども、本作で何より魅力的なのは、はしゃいでるわけでも派手でもない半自伝的なトラックである。そのひとつ「Walk with Me」では、ドラッグ中毒の過去からデフジャムのスター候補生である今の地位への転機となった人生におけるある一日をたくみに語っている。
本作は、純粋にヒップホップを愛するファンとトップ20のファンの両方にとって魅力的かもしれないたぐいまれなアルバムの1枚だ。バスタ・ライムスをゲストに迎えた「Fire」と、KRSワンの人気トラック3曲を巧妙にサンプリングした「#1」は、「リアルであるかどうか」にこだわるどんなリスナーも満足させるはずだ。甘ったるい殺し文句のリリック(「Ma Ma Ma」)のいくつかはマイナス点だが、本作は新世紀のラップのスタンダードとしてほぼ完璧なアルバムだ。(Dalton Higgins, From Amazon.com)