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しかしながら、この指揮者によるルバート奏法は何箇所か、純粋に感じ取られたというよりもなにか継ぎ足されているような感じがする。たとえば「テュイルリー」における主席クラリネットのリタルダンドや、「古城」の基本拍子を滞らせるフレージング過剰の弦楽器のレガートがそうである。フィリップスの広がりのある音響工学はコンサート・ホールの雰囲気をよく伝えているが(これはライヴ・レコーディングなのである)、ダイナミックなインパクトと鮮やかな細部に欠けている。フリッツ・ライナー版やジョージ・セル版がいまだ聴くときの基準になっているのだ。その結果、「禿山の一夜」の渦を巻くような勢いも拡散して響き、劇的にも平板である。ただ、歌劇「ホヴァンシチナ」前奏曲とゴパック(歌劇「ソロチンスクの市」から)は気持ちのいい演奏で、よきつなぎ役となっている。(Jed Distler, Amazon.com)
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