内容(「CDジャーナル」データベースより)
70年代中期にはEL&Pと交流を持った、イタリアを代表するプログレ・グループの2枚組ライヴ盤。2002年5月、川崎のクラブチッタでの録音。ロマンティックな広がりあり。1日だけの録音を元にするものだが、演奏力が高くアラはない。原盤は伊ソニー。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
英語以外のロックがある。しかもプログレッシヴ・ロックが。それを全世界に伝えたのはまぎれもなくイタリアのPFMであり、彼らは世界中でも屈指のプログレ・バンドとして数えられてきた。若干メンバーの変遷を経た、その26年ぶりの来日がライヴ盤になるなど、誰が予想できただろう! それを機に、最近作もめでたく日本盤化される運びとなり、こりゃあ喜ばないわけにはいかない。
70年代の彼らは、いまだ愛聴され続ける数々の傑作でもって栄華を極めたものの、プログレ・ムーヴメントの衰退に比例して失速。メンバーの推移に伴ってポップ路線になることで10年以上を生き長らえたものの、本国以外では低迷、結局は87年に活動停止状態に入った。それから10年、復興したプログレ・シーンに投じられた一石が復活作となった97年作の『ユリシーズ』だった。ホメロスの叙事詩を往年のごとく叙情的コンセプト・アルバムに変換してみせた辣腕に、ファンは感嘆してあたたかく歓迎したものだ。やがて一時期の勢いを取り戻すべくライヴ活動を始め、ベスト選曲による『www.pfmpfm.it(il Best)』を98年に録音、発表。すわ懐メロ大会か、と思えば意外なほどアグレッシヴな演奏力が生きていたことに、復活への前向きな姿勢が見えた。その確かな手応えを武器に、2000年には熟練ゆえの堂々たる貫禄ながら、むしろ音が若返った感さえある『:セレンディピィティ』を制作、完全復活を遂げた。そうして着々と往年の輝きを取り戻し、やがてこの極東の地にて『ライヴ・イン・ジャパン2002』が録音されたことの喜びといったら……しかも腕前は往年に比べて衰えるどころか、円熟味がにじんで風味が濃くなっている。まるでそこに、古き良きイタリアの風景が訪れたように音像がにじみ出る。ロックは、特にプログレは、瞬発力だけじゃない。風土や長年の蓄積、そんな背景からしか出せない叙情ってものがあるのだ。それをPFMは知らせ、また再認識させてくれた。ボーノ・ムジカ! (村瀬健二) --- 2003年03月号