内容(「CDジャーナル」データベースより)
デビュー目前に亡くなった西山達郎が率いたバンド、初恋の嵐。制作途中だったアルバムが残されたメンバー/スタッフの手により完成。西山の早すぎる死が惜しまれる名曲が詰まった1枚。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
残念ながら、我々はこの音をもうステージで聴くことができない。というのは、バンドでヴォーカル、ギター、ソングライティングを担当していた西山達郎が、メジャー・デビューを目前に控えてこれから、という矢先に急性心不全で急逝してしまったからだ。残されたメンバーは、制作途中だった音源を引き続きレコーディング。このアルバムは、そうした経緯を経て完成したものである。
トリオ編成のロック・バンドということで、ここで聴くことができるのは、ニール・ヤングからの影響がうかがえるオーソドックスなロックだ。サニーデイ・サービス以降、なんて括られ方をされているバンドは手堅い音作りをするばかりで、冒険心の感じられないものが多いのだが、このバンドにはそのような老成化している部分は見られない。その原因として考えられるのは、ロックの基本フォーマットに即した3ピース・バンドという形態をとりながらも、彼らはそのフォーマットをサンプリングしようとしていないからだろう。最初に歌いたいことありき。つまりロックの歴史をお勉強した成果(ネタ)をサンプリングして曲を作っていくのではなく、彼らにはまず歌いたい歌詞とメロディがあり、それをバンドで肉付けしていく、という方法がとられているように感じるのだ(実際の作り方がどうだったのかは分からないが)。西山のヴォーカルも、技術的にはちょっと苦しいかな、という部分が見られるが、そのひたむきな歌い方ゆえに切なさが強く伝わってくるし、胸にも染み込む。バンドとしてはとても不器用なタイプだが、その不器用さこそが彼らの味なのである。
だから前述したように、サニーデイ以降という先入観を持たれてしまうバンド名だったという部分で、彼らは損をしていたと思うのだ。でもそれが誤解でしかなかったことが、このアルバムで多くの人に分かってもらえるはずだった矢先に……と思うと。神様、あなたは本当に残酷な人だ。 (小暮秀夫) --- 2002年09月号