内容(「CDジャーナル」データベースより)
超絶技巧ギタリスト、パット・マルティーノのブルーノート第3弾は、ジャズ・ファン待望のオルガン・トリオによるライヴ・アルバム。ロリンズやマイルスの名曲をカヴァーして盛り上げる。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
記憶喪失で一から出直すというとんでもない高波を超え、マルティーノの今がある。これにはいくつも映画のストーリーがダブるが、いちばん符合したのは、ハリソン・フォード主演の『心の旅』。凶弾に倒れた敏腕弁護士が、皆の親身の愛で社会復帰するドラマだ。マルティーノも97年、高波を抜けた頃のこと、『光と影のギタリズム!』でレス・ポールやマイク・スターンらの敬愛を浴び、記憶をビリビリ震わせた。次の作品『ストーン・ブルー』が、それを表わしている。70年代に未完で終わったプロジェクトを再編し、長く深い溝を埋めてみせたからだ。とはいえ、ここでの舞台はジャズ。映画的ハッピー・エンドを安易に当て込むわけにいかない。が、しかし。懐かしき初リーダー作の表題曲(5)を聴くと、気分は『心の旅』に引き戻されそうだ。「エル・ホンブレ」は34年も前の録音作品だからだ。これでついに、破線状の思い出が実線になった。そして、新しい第1章もハイライト・シーンを迎えた。なんと感動的ドラマなんだろう、と。もっともこのライヴ作品のすごさは、(5)の話抜きにも決して薄まらない。復帰当初は若干もどかしかったフレーズが大きくウネり、「これでもか!!」と続くリフレインがビシビシ決まる。さらに、ノクターナルなバラード(4)(7)では、“太い弦・固いピック・高い志”の使い手ならではの表現世界で僕たちをぞくぞくさせ、ファンキー&グルーヴィな(3)(6)(5)では、R&Bの水もたっぷり呑んで育ったフィラデルフィアンの性(さが)を惜しみなく展開。これでは全米でブーム化するジャム・バンドから、熱いラブ・コールが舞い込むのも当然だろう。事実、本作の直後に出る『ザ・フィラデルフィア・エクスペリメント』に、特別ゲスト扱いで招聘されている。人(オレ)呼んで“ジャズ・ギターの聖者”。だが、この人の数奇さは、聖なる場所に潜む危うさにフタをせず、“聖”を教えてくれた点にこそある。ちょっとサイコ映画的な風は、そこから吹いてくるのかもしれない。 (成田正) --- 2001年06月号
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