内容(「CDジャーナル」データベースより)
ショパンのバラード4曲はドラマティックで緊迫感に富む作品だが、今回のスタジオ録音に聴くキーシンの演奏は、必要以上に突き詰めたあるいは自分を追いこんでいるような深刻な印象がやや強い。その後「子守歌」での安らいだ表情にはホッとするが……。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
4曲を続けて聴き通すのはちょっとつらいよね、と思わせるほどに、ショパンの天才が凝縮された作品形式、バラード。そう感じさせるのはショパンのせいばかりではなさそうだ。“客入りの方が弾きやすい”というキーシン好みのライヴでなしに、スタジオ録音。そのあたりも絡んでか、全体(とりわけバラード)を通してクールな演奏の上に作曲者とピアニスト、二人の天才が対峙している図式。CD全体の流れの中では結びのスケルツォ(第4番)の薄陽の明るさが救いとなる。トニー・フォークナーの録音バランスが、マイクロフォンの遠近とは別の意味での距離感(疎遠感?)を演出してしまっているようで、これが演奏家やプロデューサーが求めていたサウンドであるのかどうか、余計な心配をしてしまう。テクニカルにも安定してきた20bitデジタルによるピアノ録音、おまけにキーシンひさびさのショパンということで、期待ばかりが必要以上に膨らんでしまったのかもしれない。 (田中成和) --- 1999年07月号