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5重奏団としては最後のオリジナル・アルバム。録音は1988年で、キップ・ハンラハンがプロデュースにあたっている。中心となるのは、3部に分かれた表題曲だ。激しいリズムが湧き上がるパート、臆面もなく甘いメロディーが支配するパートが交じり合うのがピアソラの音楽の特徴の一つだが、ここでは、ゴツゴツとした手ざわりのリズミックなパートにより大きな魅力が感じられる。特に、全員が一団となって駆け出し、パワフルな音をまき散らしていくときのスピード感と迫力は圧倒的だ。メロディー・メーカーとしても優れているピアソラだが、バンドのサウンドをまとめあげるこの技量には、改めて感嘆させられる。
「孤独」と「フガータ」はバレエのために書かれた曲。ミステリアスでゆっくりとした前者、構築的で早めのテンポを持つ後者はともに個性的な曲で、アルバム中でもひときわ明るい光を放っている。最後の2曲は映画音楽。ピアソラの甘くセンチメンタルな部分が出ている。(松本泰樹)
内容(「CDジャーナル」データベースより)
アルゼンチンがうんだ宝,92年7月に69歳で夭逝したバンドネオン奏者がアメリカン・クラヴェに残した第3作,88年録音。タンゴ界に革命を起こし続けた巨匠の,活動の基盤であった5重奏団での最後の音楽-それはあまりに美しく哀しく,かつ力強い。必聴盤。