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本作は大失敗作になるはずだった。というのも、制作開始直前になってウィングスのオリジナルメンバーのうち2人がマッカートニーに腹を立ててバンドを辞めてしまったからだ。そのうえ、ナイジェリアのラゴスでのレコーディングという突飛な決定も、マッカートニーとメンバーたちが朽ち果てたスタジオを目の当たりにした瞬間に、さらにいくつものデモテープが武装した一団に盗まれたあととなっては悪夢と化した。こうした逆境にもかかわらず(ひょっとしたら、そのおかげで)本作はビートルズ解散後のマッカートニーの当たり外れの激しいキャリアの中で、トータルアルバムとしての評価が最も高く、満足度としても最高の地位を保っている。
本ミニ・ボックスセットには、オリジナルアルバムのディスク1と、マーク・ルーイソンによる素晴らしい解説のブックレットと、特典であるディスク2が収められている。ディスク2には多くのアウトテイクと、本作の制作に参加したあらゆる人物へのインタビューが収録されている。インタビューは、俳優のジェームズ・コバーンやクリストファー・リーを始めとするアルバムジャケットの制作に携わった人物から、ダスティン・ホフマンまで及んでいる。ホフマンは「Picasso's Last Words」のソングライティングについて、自由に書けばいいんだとマッカートニーを激励したエピソードを詳しく語っている。このディスク2は良質なラジオ・ショーにはなったかもしれないが、インタビューが音楽より重要なはずはない。ジャケット撮影のフォトセッションのことをこと細かに語るのに費やす時間があるならば、もっと当時のアウトテイク(ボーナストラックの多くは90年代中ごろのライヴテイクから選りすぐられている。おそらくマッカートニーは長年にわたって本作が彼にとってどんなに大事だったかを知らしめたいのであろう)や、シングルのB面になった2曲を収録できたはずだが、おかしなことに本作には見当たらない。(Jerry McCulley, Amazon.com)
内容(「CDジャーナル」データベースより)
ポールの最高傑作の発売25周年記念の2枚組ボックス。旧日本盤には未収録だった[1]-8もうれしいが,まるで『ビートルズ・アンソロジー』のような[2]はファン垂涎。未発表テイクなど8曲と,メンバーとジャケ登場人物などのコメントがたっぷり。