このCDについて
●奇才プロデューサー、スティーヴ・アルビニを迎え、『ネヴァーマインド』よりもハードなミックスを駆使し、彼ら本来の魅力であるザラザラしたサウンドに回帰したサード・アルバム。アメリカ、イギリスでアルバム・チャート初登場第1位を記録。
●1993年作品。翌94年春のカート・コバーンの急死により、これがニルヴァーナのオリジナル・ラスト・アルバムとなった。
【アーティストについて】
ニルヴァーナ NIRVANA
メンバー:カート・コバーン(ヴォーカル/ギター) デイヴ・グロウル(ドラム) クリス・ノヴォゼリック(ベース)
ロック・シーンにおいては未だ周辺地域でしかなかった米西海岸ワシントン州シアトルのインディ・レーベル、サブ・ポップから89年にシングル「ラヴ・バズ」でデビュー(当時のドラマーはチャド・チャニング)。同年、デビュー・アルバム『ブリーチ』発表。91年にメジャー・レーベル、デヴィッド・ゲフィン・カンパニーからセカンド・アルバム『ネヴァーマインド』を発表。初回出荷数25,000枚足らず、しかもプロモーションのためのツアーもなし、という悲惨なスタートだったが、シングル「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」がラジオとMTVで爆発的にオン・エアされると同アルバムは全米で300万枚以上のセールス、チャートの1位を獲得。これを境に瞬く間に彼らのフォロワーが続々とシーンに登場し、世界中に<グランジ>の毒が撒き散らされることになった。92年に編集アルバム『インセスティサイド』、93年にサード・アルバム『イン・ユーテロ』を発表し、人気を浮動のものとしたが、この頃からカートはドラッグに深くおぼれ始め、興奮剤の過剰摂取による入院騒ぎ、自殺未遂騒ぎなどを引き起こす。そして1994年4月、自宅のバスルームで頭をライフルで打ちぬいたカートの無残な遺体が発見された。この衝撃の死によって、バンドは解散を余儀なくされた。
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突然の成功に圧倒されながらも、ニルヴァーナはメジャーレーベルからの2枚目のアルバムのリリースに当たって、より荒々しくより耳をつんざく音作りを選択した。シカゴを拠点とするノイズの達人スティーヴ・アルビニ(ビッグ・ブラックでの活動が有名)の力を借りてカート・コバーンと仲間たちが作り上げたアルバムは、暴力的かつ絶望的、そして深く心を揺さぶるものだった。
「Serve the Servants」では名声の代償について、「Milk It」ではアーティストとファンの不健全な関係について歌っているといった解釈がどのナンバーからも読み取れる。もちろん、どれもただ単純にコートニー・ラブのことを歌っているだけなのかもしれない。コバーンのスキャンダラスな一面はさておき、その圧倒的なソングライティングの力量と歌唱力、バンドの驚くほど粗削りなパワーは否定しえない。
心を締めつける「All Apologies」のエンディングで、コバーンはジョン・レノンを思わせる語りかけるような口調で繰り返し歌っている。「みんな誰だってかけがえのない存在なんだ」、と。だが、その言葉もコバーン本人にだけはなんの慰めにもならなかった。(Percy Keegan, Amazon.com)