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マーケティング・リテラシー―知的消費の技法
 
 

マーケティング・リテラシー―知的消費の技法 (単行本)

谷村 智康 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

広告表現や掲載枠の強さが売り上げを決めていた時代ではないのは、『広告批評』誌の休刊に現れている。「広告が効かない」という話を、広告代理店もメディアも、もう隠さない。
一方で、クライアントの広告予算は減っていない。広告主の責務は「自社の商品をよりたくさん売ること」であり、そのための有効な手段を採用する。広告の表現に凝り、大量に露出しても、賢明になってきた消費者に影響を与えることはできない。だから、消費を決定するツールに広告予算を投下する。例えば、家電量販店のポイント還元に。なぜならば、メディアの広告よりも売り上げに直接効くからだ。
広告は、「広く告げる」ことが目的のビジネスではない。消費を決定することが本来の役割である。ところが、バブルの頃までは、広告で消費を左右できたため、広告それ自体に価値があるかのように錯覚されてきた。
そして現在、広告は「消費を決定するためのメカニズム(本書ではマーケティングをこの意味で使っている)」の一つのプロセスに過ぎなくなっている。私たちが知っている広告は、今、終わろうとしているのである。
では、これからのマーケティングはどう変わるのか?
「自社の商品こそを売りたい」という広告主の思惑も、「良い商品をお得に買いたい」という消費者の姿勢も変わらない。そして、その両者を結びつけていた広告が機能不全を起こし、年間で7兆円とも20兆円とも言われる広告費は宙に浮いている。
「この空白を埋めるマーケティングとはどのようなものか」が本著のテーマである。お題目としてだけは古くからあった消費者主権のマーケティングを具体化する構想と、広告ビジネスの過剰な予算を消費者が主導して効果的に利用する例示がある。そして、その方がメーカーにとっても儲かると言うビジネスモデルが提案されている。
消費者主権の概念は、消費者運動にせよ、福田首相が提唱する消費者庁構想にせよ、弱い立場の消費者をどう守るかの発想となりがちである。これは忘れてはならない視点であるが、「原理主義的」な運動家や官僚が運用すると、安全基準の過重化に終始することが容易に予想される。また、生活協同組合の迷走が証明しているように、生活や消費はもはや一枚岩ではないし、大企業に反発するだけではその役割を果たすことはできない。
本書は、消費者に知的消費の技法を説く教育書であると同時に、「多様な消費を生産者とうまく結びつけるにはどうすればいいか」と言う、グーグルでさえ模索して答えを出せないでいるこれからのマーケティングの課題に回答するビジネス書である。


著者からのコメント

In the past, "advertisement" was the most effective investment for manufacturers to sell their products well. However, under the long term stagnation of family income and the sudden rise of commodities for everyday life, consumers' psychology became more and more suspicious and cautious. Advertisement is now nothing but one process in a mechanism for deciding the trend of consumption.

Mr. Tanimura, the author of this book, proposes a new form of marketing instead of long-adopted advertisement. He presents some ideas to shape up a marketing lead by consumers, and gives some examples for customers to make effective use of the huge money relating to the advertising business.

This book will be a kind of revelation for manufacturers: they can get latent demands by cooperating with consumers. Also, consumers will learn an attitude for choosing better goods intelligently. Recently Prime Minister Yasuo Fukuda suggested establishing the Consumer Services Agency to relieve people's anxiety for living. Consumers must be protected by administration, but they should protect themselves by understanding the system of consumption and by controlling the market. The author teaches us a technique for creative consumer life.


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11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 “未来”のマーケティングの像が書いてある本, 2008/6/22
過去の事例を踏まえた上で、“未来”のマーケティングの像が書いてある本。
広告の非効率さの実態も驚愕でしたが、それ以上に消費者のあり方を考えさせられます。
5年位前から、消費者の時代だ、口コミが重要だと騒がれてきましたが、本当にそうなのか?
広告の終焉と同時に、あぐらをかいていた消費者のあり方も変えていかなければ、また新しい手法に飲み込まれてしまうだけ。
それゆえに未来像が書いてある本書は勉強になりました。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「リテラシー」を身につけるべきは消費者か広告主か, 2008/7/17
いわゆるテレビCM崩壊時代のマーケティングについて語られた本。
類書ひしめく中でも、現状分析が的確で、
かつ業界本位でなく、消費者が主役のマーケティングというものを
しっかり見据えているところがいい。

文章も平易で、具体的に挙げる提案もとてもわかりやすい。
ドコモ2.0がダメな理由とか広島球場立替プランの話とか、すごく面白かった。

ただ、タイトルからすると消費者教育の啓蒙本っぽい感じなので、
それでいいのかなという気もする。
もちろん、消費者に向けたメッセージにはなっており、
著者としても「消費者がイニシアチブをとれ」ということを
言いたいのだろうけど、ここで書かれていることを理解すべき
一方の当事者(メディア・広告・マーケティング関係者)の
感性と合うのかどうか。私の場合、たまたま著者の対談を某記事で見て
この本を知ったのだけど、ただタイトルと表紙を見ただけだったら
買う気になったかどうか…。

ついでに言うと、サブタイトルは「知的・消費の技法」という
意味なのだろうけど「知的消費・の技法」とも読める。
まあ、そのへんはどうでもいいですが。
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 もう一人の“佐藤優”, 2008/8/10
By 野火止林太郎 (埼玉県) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
あとがきに著者は、「もうこんなことはわかっているよ」という批判がくることはわかっている、それでも知らない人もいるからあえて「中学生のためのメディア・リテラシー」として出したのだと謙遜して書いているが、評者の見るところ大半の大人がわかってはいないことが書いてある。そして、それはおそらく最も重要なリテラシーのはずである。
その中身については、他のレビュアーの皆さんがいろいろ書いている通り。評者にも見解はあるが、それをモロに書くと最近本レビュー管理者から掲載されないことが多いので控えておく。多くの評者と大差はないからでもあるが。
一点だけ指摘しておくと(「そんなことはわかっているよ」という人が多いと思うが)、著者はマーケティング業界の佐藤優なのだ。なぜなら、著者の谷村も『正論』と『週刊金曜日』に平行して原稿を書いているから。これは相当にユニークなことである。この姿勢だけでも、どこかに面白いところがあると思う。
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