出版社/著者からの内容紹介
ナチ占領下となったフランス・アルザスに住むシモーヌ・アルノルドとその家族は、聖書研究者(Bibelforscher)として、ナチ体制とナチズムに同化されることを拒み、ナチ国家からの厳しい弾圧を受けることになった。父親の逮捕、放校処分、ナチスの再教育施設への強制送致・・・・・・。恐れと憎しみが支配した時代にあって、自らの良心にしたがって生き抜いた少女時代を今振り返る。
著者からのコメント
-日本語版の読者の皆さまへ-
英語版のFacing The Lion が米国で出版されてから三年が経ちました。その間に、本書はヨーロッパで出版され、今こうして日本語版が出版されることを、私はほんとうに嬉しく思っています。こうした物事の進展は、ずいぶん昔のことになりましたが、まだ子どもだった私が"ライオン"の前に立ったときには想像もできなかったことです。私はこの本を書くことで過去に引き戻され、当時の記憶と感情をすべて思い起こしていきました。過去をさかのぼって自分の内奥で経験したことを探っていくうちに、両親に対する愛と感謝の気持ちがより深いものになりました。家族の試練の時に、両親が私を巧みに導いてくれていたことを実感したからです。血気盛んな女の子だった私が不公平に直面して怒りを燃え上がらせたときにも、母は私が道を誤らないよう助ける方法を知っていました。こうした訓練が私の生涯を通じて役に立ってきたのだと、今よく分かります。
私の訪れたことのない国でこの体験談を読んでいただけるのはたいへん光栄なことです。文化の違いがあったとしても、本書が読者の皆さんに、自分にとっての"ライオン"に立ち向かう勇気と強さを与えるものとなるよう、私は心から願っています。