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心を商品化する社会―「心のケア」の危うさを問う (新書y)
 
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心を商品化する社会―「心のケア」の危うさを問う (新書y) (新書)

by 小沢 牧子 (著), 中島 浩籌 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

「心の商品化」は作為的に作られている!現代人は心に関する悩みが本当に多いのだろうか?専門家が幅をきかせる風潮、「癒し」「心のケア」という言葉が流行する背景には何があるのか?何事にも自己解決が迫られ、それゆえに専門家依存の風潮が進むなかで、「心」さえモノとして商品化されている。こうした、安易な心理主義の流行は、生きていくうえでのさまざまな困難をもたらす社会的な要因を覆い隠し、問題を個人の責任に還元する構図に支えられている。心理主義が社会に浸透することの問題性を白日の下にさらす試み。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

小沢 牧子
1937年北海道生まれ。臨床心理学論、子ども・家族論専攻。いくつかの教育相談の職場を経たのち、和光大学などの非常勤講師、国民教育文化総合研究所の運営・研究委員をつとめた。現在、日本社会臨床学会運営委員、和光大学オープンカレジ講師

中島 浩籌
1946年島根県生まれ。慶応大学、パリ大学ヴァンセンヌ校などで現代思想を学ぶ。都立高校教員を経て、現在、河合塾COSMO、法政大学で講師をつとめる。YMCAオープンスペースliby、日本社会臨床学会運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 新書: 222 pages
  • Publisher: 洋泉社 (2004/06)
  • ISBN-10: 4896918266
  • ISBN-13: 978-4896918267
  • Release Date: 2004/06
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 3.9 out of 5 stars  See all reviews (8 customer reviews)
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21 of 23 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 議論の叩き台として, 2004/9/5
基本的な議論は前著である『心の専門家はいらない』に譲り、本書では
臨床医学にたいする心理主義的な既成観念がどういう経路を辿って利権
へと転化するのかに焦点を絞った議論が展開されている。

「心理主義」というのは、精神的失調の主因を専ら当人の内面に見出す
ことを指す。しかし、その主因は当人の心理にあるのではなく、社会の

側にあるのかもしれない。心理主義は、こうした社会的な問題の要因を
覆い隠し、それを問う力をも奪ってしまうと著者らは言う。また同時に、
文部科学省が全国の小中学校に公布した「心のノート」に象徴される、
精神失調にたいする「予防的まなざし」が徹底されていく管理社会化に
も警鐘を鳴らしている。

ところで著者らは、心理主義がこんにち幅を利かせているその根拠として
個性や自己責任を重視する社会的風潮を挙げている。精神的失調の主因
を当人に求めたり、自己管理・解決を強調するそうした風潮は、お互いに
支え合っていこうとする横の人間関係の構築を阻害する嫌いがある。だが
その一方で、心理主義的カウンセリングによる問題の隠蔽化を回避し、

当人の問う力を強める必要性を主張している。が、これは前段で批判した
はずの個性や自己責任原則を、むしろ強める結果を招きはしないだろうか。
このあたりの議論がやや曖昧、交錯しているように私には思えた。

とはいえ、臨床医学の現場が、公権力の後ろ盾を得た心理主義的立場の
専門家によって独占され、利権化することによる弊害は、それを一旦措いて
議論するべき事柄だろう。本書は、その叩き台を提供するものである。

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17 of 20 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars カウンセリングの危うさに気づく, 2004/6/18
小学6年生女児の同級生殺傷事件など、学校で起こる様々な事件。
当事者である加害者、被害者だけでなく、同じ学校で学ぶ少年少女たちにも、心に深い傷を与える。
そんな彼らの心のケアが必要として、カウンセラーが派遣されるとのニュースを頻繁に見聞きするようになった。

子供達に限らず、過度のストレスにさらされる現代人にとって、カウンセリングの重要性が増しているのは、間違いないだろう。
だからといって、安易なカウンセリングのあり方について、大いに問題があると、著者たちは警鐘をならす。
著者たちの主張は、時に極論と思える部分もあるが、概ね共感できる。

カウンセリングの重要性が高まりつつある時代だけに、変にカウンセリングが万能であるかのような錯覚が生まれる前に、万人に読んで頂きたい。

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12 of 14 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 自分の心のリアクション, 2005/6/6
まえがきの冒頭「なぜみんなが心理学に関心を持つかというと、ひとりで苦しいからですよ」が、本書誕生の現代社会の背景か。現代社会の心理主義に対して、疑問を批判を投げかけている。心理主義とは、人の状態や行動また社会現象を、臨床心理学的な視点から人間の内面のありように還元して解釈し、説明し、問題を改善・解決しようとする立場。

個人の内面を重視する心理主義は、個人が自己解決や自己実現の力を高め、自己管理能力をつけ自己責任を負うための自己教育を重視する。社会構造的な問題も個人の責任に還元される可能性が高まり、弱肉強食の自由競争だ。

文部科学省が公布した「心のノート」については、人間関係、社会的状況の中の自分から、内面への孤立的な内省へ導くという。愛国心教育、「長いものには巻かれろ」状況、コントロール社会化に警鐘を鳴らしている。

本書は、心理主義を批判する立場で書かれているのだが、もちろん、人間の行動には「心」に還元される部分も多い。心理カウンセリングは万能ではないが、それにより救われて人もいる。カウンセリングをうけた子どもの中には、自分の意見をきちんと受け止めてくれず、「ごまかされた」という気持ちがあるというが、問題は心理カウンセリングではなく、カウンセリングをした人の資質であろう。いささかバランスを書く著作か!? いや、著者たちの戦略でしょう。読者は、「なるほど!」「言い過ぎ」「確かにそのとおり」「そんなことは無いだろう」など、自分の心リアクションを楽しめる論争的な著作である。

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5.0 out of 5 stars 台頭する心理主義
一読して、著者らの意見には概ね同意だったが、
何もここまで必死にならなくても、という思いも少なからずあった。... 続きを読む
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