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睡蓮の池―ステフィとネッリの物語
 
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睡蓮の池―ステフィとネッリの物語 (単行本)

アニカ トール (著), Annika Thor (原著), 菱木 晃子 (翻訳)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

第2次世界大戦下、辛くも中立を保つスウェーデン。そこにナチスの迫害を逃れるため、オーストリアの都、ウィーンの親元を離れ、やってきた姉妹がいた。西岸の都市イェーテボリにほど近い、島の家族と暮らすステフィとネッリ。1年がたち、姉のステフィは中学に進学。イェーテボリでの新しい生活が始まる。遠く離れた両親を思い、島に残る妹ネッリを気にかけながらも、学業にうちこみ、新しい友人やクラスメイト、先生たちと出会い、下宿先の少年に恋焦がれ…。異国の地でむかえたステフィの青春を描く。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

トール,アニカ
1950年、スウェーデン第2の都市イェーテボリのユダヤ人家庭に生まれる。1996年、『海の島―ステフィとネッリの物語』で作家デビュー。『ステフィとネッリの物語』のシリーズ3作目にあたる『海の深み』で、1999年にスウェーデン図書館協会よりニルス・ホルゲション賞を、シリーズ4部作全てに対して2000年にポーランドのヤヌシュ・コルチャック賞を、また1997年に『ノーラ、12歳の秋』(小峰書店)でスウェーデン出版社協会よりアウグスト・ストリンドベリ賞を受賞。さらに全業績に対して、1999年に北欧学校図書館員協会賞、2000年にスウェーデンの児童書出版社よりアストリッド・リンドグレーン賞を受賞。作家活動のほかに映画の脚本も手がける

菱木 晃子
1960年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、スウェーデンのウプサラでスウェーデン語を学ぶ。現在、スウェーデンを中心に絵本、児童文学、ヤングアダルト小説の翻訳に活躍。横浜市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 4.0 13歳。悲劇の中の青春, 2008/7/3
ナチス・ドイツに蹂躙されたオーストリアの都ウィーンから、北国スウェーデンの小島に送られたユダヤ人の姉妹ステフィとネッリ。「この世の果て」とも思えた寂しい島の養父母の元での最初の1年間を描いたのが第1巻でした。この第2巻では、周囲の人々に支えられてイエーテボリの女子中学校に進学したステフィの青春の日々が描かれます。第2巻で新たに描かれたのはユダヤ人に対する偏見や、奨学金のために優秀な成績を収めなければならず、恵まれた境遇ゆえに周囲に対して常に感謝の気持ちを を意識しなければいけない日々に対するステフィの苛立ち、そして切ない恋・・・。さらには離れ離れになったままの両親の置かれた境遇の更なる悪化ですね。 歴史的な背景ともなっているユダヤ人の悲劇・・・ステフィの両親は、最後の悲劇を避けることが出来るのか?と考えてしまいます・・・。

自分自身を保護を受ける身、と意識しているステフィは、困難に直面する度に一歩退いてうつむいてしまいます。ユダヤ人として名指しで罵倒された経験もあって、疎外感を募らせるステフィ・・・。でも、暖かな家族と友人、そして教師が、全て を捨てようと決心したステフィを救います・・・。第1巻もそうでしたが、第2巻でも結末はグッと来ます。

ユダヤ人の悲劇とスウェーデン人の素朴な国民性を背景に少女ステフィの成長を描くこの物語ですが、13歳という年齢を感えるとまだまだ幼い少女で、痛々しい位に自分を追い込んでしまう様は正直言って辛い物がありますが、その彼女を支える周囲の人々の存在が明るい未来を予感させてくれます。
心に沁みる、静かな物語がお好みの方にはお薦めかな。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 戦争と、日常と、友情と・・・恋と。, 2008/12/25
スウェーデンの児童文学者、
アニカ・トールの四部作の二つ目の作品。

時代は、第二次世界大戦。
オーストリアに住んでいたユダヤ人のステフィは、
ナチスドイツからのユダヤ人迫害から逃れるため、
子どもだけを受け入れるスウェーデンへと亡命した。
里親として彼女が向かったのは、
スウェーデン第二の都市イェーテボリから海を渡る、
“最果ての島”だった。
一作目では、
妹と島にやってきたが、
別々の里親の元に暮らすことになり、
つらくもあった1年が描かれていた。

本作では、
小学校を卒業し、
居候させてもらいながら
イェーテボリの中学校に入学し、
新たな出発を果たしたステフィの物語が描かれている。
新しい出会いと、
抱いていた恋心と。
幼いステフィは、
同世代の子どもたちと比べると、
取り巻く状況がつらく、厳しい。

彼女は、小さな選択肢が目の前にあるとき、
いつも小さなミスを犯す。
間違い、あやまちというほど、
そんなに大それたことじゃない。
けれど、
それ、違う選択肢だろう、
と思ってしまう。
そんなことが、
彼女自身を追い込む結果になってしまう。
わかっていながら、
人間そんなに上手にできないよな、と思う。
そんな彼女を救うのは、
やはりかけがえのない友人と、
信頼のおける大人の存在だ。

戦争のみならず、
宗教までもが、
少女の小さな心を押し潰そうとしていた時代に、
それでも生きるとはなんなのか・・・。
そして、
思いとおりに行かない、恋。

そして作者が描くのは、
日常である。
今回特に感じたのは、
季節感であった。
日常の風景と、
季節の移り変わりと、
ステフィの心の変化が絶妙にマッチしていて、
情景が見えてきたり、
寒さが肌に伝わってくる気がした。
これは、翻訳の妙でもあるだろう。

待望の2作目をようやく読めて、
早く続編が読みたいと、
切に思います。
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