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人格障害論の虚像―ラベルを貼ること剥がすこと
 
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人格障害論の虚像―ラベルを貼ること剥がすこと (単行本)

高岡 健 (著)
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   小学校での児童殺傷事件や神戸の少年事件など、社会を揺さぶるような犯罪が起こるたびに、耳慣れない病名がメディアを飛び交う。AD/HD、外傷後ストレス障害、アスペルガー症候群。精神医学では人格障害と呼ばれる類のもので、海外から続々と輸入されている。これらの診断が裁判のゆくえを左右し、犯罪者の心理を説明するために使われる。本書は、輸入精神医学がもたらした怪しげな病名を検証し、人格障害というラベルを貼られた診断の正体をあぶりだしていくという、画期的な書物である。

   人格障害という診断の歴史は、50年代のアメリカからはじまったらしい。郊外住宅地における幸せな家庭という神話を押しつけられた子どもたちの多くが、60年代に入ると、社会から脱落したり、薬物中毒や性的犯罪に走ったのだ。そこで、アメリカ精神医学界が彼らに貼りつけたラベルというのが「人格障害」であった。

   日本社会では70年代に親から子への虐待殺人が相次ぎ、反対に両親殺害事件も起った。そこへ人格障害の概念が輸入され、広く受け入れられることになったという。なぜかというと、人格障害が家庭や学校などの社会を脅かさず、「一切を、個人の病理へと還元していく方法」であり、多くの人にとって都合がよかったからだ。

   著者によれば、人格障害とされるものは実はどれもあいまいで、その症例は、しばしばモラトリアム期の不安や「自分探し」の行動と重なり、即座に精神病と断定することはできない。それなのに「社会全体の安心を目的として、特定の個人を葬り去るために貼りつけられるラベル」として、人格障害は機能してきた。

   犯罪を起こすような「異常者」と、自分たちのような「正常者」はちがう、と言い切れるだろうか。著者は、それがそれほど自明なことではないと言っているのだ。(金子 遊)



内容(「BOOK」データベースより)

AD/HD、アスペルガー症候群、PTSD、境界性人格障害…社会を揺さぶる事件が起こるたび、耳慣れない「病名」がメディアを飛び交う。これら輸入精神医学が貼りつけるラベルをていねいに剥がし、人格の危機形成の考察から、独自の人格障害論を打ち立てた労作。

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5つ星のうち 5.0 らべりんぐ, 2004/11/21
人格障害の本を読んでいると、必ず自分にあてはまるものがあり、なんだか不安になってくる、と友達と話していました。
ある意味、統合失調症の病名より、人格障害の病名告知のほうが辛いんじゃないかととも思っていました。
精神科医によるDSMに基づく丁寧な解説本はもう結構、と思っていたとき、この本を知りました。
あ、精神科医でもこんな風に解釈してくれる人がいるんだな、と救われる気がしました。
さらに、この本の最後にある引用文献は参考になりました。
人格障害に興味がある人には、この見方もお勧めできると思います。
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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 結局、病理は病理?, 2005/8/20
By カスタマー
知人の精神科医にこの本を紹介したところ、人格障害というのはあくまで個性だと言ってました。救いとも無責任ともどちらとも言えます。
この著者の場合、これまでの固定的な見方を批判的に検討し、新たな視点で人格障害を捉えなおそうとしているように見えます。
で、結局は疾患単位としての病気ではないが、病理であるということまでは否定していないと読めますがどうなのでしょう。
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21 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 輸入された言葉, 2005/2/7
By satto40 (北海道札幌市) - レビューをすべて見る
「人格障害」という新しい言葉が、日本に輸入されてきた。
この新しい言葉を使いたがり、それで決着がつくと思っている
心理学の専門家も多い。

矢幡洋・高岡健両氏は、町田静夫氏を批判している。
輸入された言葉で決め付ける町田氏の「専門的判断」を。

色んな書物の文を用いての説明が分かりやすいです。
私にとっては、この本はありがたかったと思います。

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