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1983年7月15日、任天堂から発売された「ファミリーコンピュータ」(以下ファミコン)が、発売20年を過ぎて、ある種の「カルチャー生産装置」だったと回顧されることになるなんて当時誰が思っていただろうか。プレイヤーはただ、無我夢中で「面白いもの」を求めていただけだったし、クリエイターも一心に「面白いもの」を提供しようとしていた。本書は、いわばそんな「ストイックなまでに求められた面白いものの記録」と言うことができるかもしれない。
ファミコンのすべてのソフト1252本がパッケージの写真入りで掲載されており、それだけでも感服に値するが、ページをめくったときに感じられるのは資料的価値のみではなく、人の想像力、そして創造力の圧倒的な力だ。それは、かつてのプレイヤーたち──ゲーム機が処理能力を上げ、ゲームが複雑になるのに比例するかのように人生も複雑になってしまった人々──に、忘れかけていたことを思い出させてくれるだろう。ファミコンの色数の少ないドット絵の中でも、プレイヤーたちは確かに世界を見ていたし、そこには必要なすべてのものがすでにあったのだ。
それにしても、「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽をすぎやまこういちが担当することになったきっかけが「たまたまエニックスの将棋ソフトについていたアンケートハガキを氏が出していたから」(堀井雄二氏のインタビューより)というのは、いろいろな才能が垣根なく集まることのできた黎明期ならではの奇跡を教えるちょっとイイ話ではあるまいか。(安川正吾)
内容(「BOOK」データベースより)
ファミコン生誕20周年に贈る!全ソフト1252本総登場。ソフト、歴史、クリエーターインタビューまで、任天堂全面協力の展覧会「レベルX」図録堂々完成。