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暴走する「世間」―世間のオキテを解析する (木星叢書)
 
 

暴走する「世間」―世間のオキテを解析する (木星叢書) (単行本)

佐藤 直樹 (著)
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商品の説明

内容紹介

「空気を読め!」は「世間」の同調圧力である!

日本社会の見えないオキテ、それが「世間」である。事件が起きマスコミで
報道されるたびに「犯人」にたいして極端なバッシングが起きるのも、「空気を読め!」という無言のプレッシャーが生じるのも、ケータイを使ったいじめが起きるのも、「世間」という同調圧力のなせるわざ。「お世話さまです」「おかげさまで」といった物言いにもさりげなく顔をのぞかせ、いじめ・うつ病・自殺の引き金にもなる「世間」。バブル崩壊以降とみに暴走しはじめた「世間」の危ない構造にメスを入れる長編評論。


内容(「BOOK」データベースより)

日本社会の見えない掟、それが「世間」である。事件が起きマスコミで報道されるたびに「犯人」にたいして極端なバッシングが起きるのも、「空気を読め!」という無言のプレッシャーが生じるのも、ケータイを使ったいじめが起きるのも、「世間」という同調圧力のなせるわざ。「お世話さまです」「おかげさまで」といった物言いにもさりげなく顔をのぞかせ、いじめ・うつ病・自殺の引き金にもなる「世間」の力学とは?バブル崩壊以降とみに暴走しはじめた「世間」の危ない構造にメスを入れる長編評論。

登録情報

  • 単行本: 257ページ
  • 出版社: バジリコ (2008/1/19)
  • ISBN-10: 4862380794
  • ISBN-13: 978-4862380791
  • 発売日: 2008/1/19
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0   まずは「ウチの世間」を自分で的確に感じよう。, 2008/7/9
「社会」の概念に人の関係が顔見知りか否かの区別はない。
しかし「世間」には、顔のみえる「ウチの世間」とみえない「ソトの世間」があり、
阿部世間学が対象としているのは前者である。
名刺などを交換し「知りあって」からつくられる[個人個人を結ぶ関係の環](阿部謹也)
だから「世間は狭い」はずである。
贈与互酬の関係、共通の時間、長幼の序などを特徴とする「ウチの世間」からみれば、
そもそも「ソトの世間」は眼中になくどうでもいいのである。
さらに「世間」は「社会」にも包摂されず、掴みどころのない何とも手に負えない代物
である。
 
 本書はそんな「ウチの世間」のオキテ(同調圧力)に呪縛され苦悩している日本人
に、前著『世間の目』と同様「ビビる」や「なーる。」などのヤバイ言葉を駆使(?)
して、軽妙な文章でその悩みの構造を暴いてくれる。
もちろん悩みのタネを明らかにしても「一発即解決」の道を示すことはしない。
それは「世間」がまだ相対化されていない現段階においては,無理ではないだろうか。

(ただ単に同調圧力に負けない対処療法としては、社会学者・宮台眞司の提言する
「多元的所属」(タコ足化)によって「東京がダメなら大阪があるさ」と所属する世間
を複数化することで持ち耐えることは可能であろう。)
しかし、本書でも世間とのつきあい方、捉え方の方向性は、窺い知ることができる。

 対象が「ウチの世間」なのだから、それを一番知っている自分が「疑いえない」
ただ一つの自分の感覚で体験をすればいいといい、フッサールのエポケー(現象学
的判断停止)を援用し、従来の西洋の二元論的認識方法を一旦棚上げにして「感じた」
ことに言葉を与えろという。
 案外フッサールのいう「生活世界」と「世間」は近いのかもしれない。
 著者はこれを自身の「恋」の体験を例に説明しているが、物足りない読者は著者
の別書『世間の現象学』を紐解けば、その本意をさらに詳しく知ることができると思う。

「世間学」のユニークな視点は、西欧が「世間」をキリスト教により歴史的に無くして
きたと規定し、特殊なのは日本の方ではなくヨーロッパ文明社会であるとするところである。
これは単なる逆転の発想ではない。読んで目からウロコが・・・・・。

 



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5つ星のうち 3.0 恋は世間を変えるか, 2008/4/5
 佐藤氏は述べる。西欧ではキリスト教会の「告解」という制度を通じて「世間」は解体していったが、キリスト教の影響の薄い日本ではそれは生き残り、80年代にはついに、それまで世間の外側にいた子どもたちもが大人並みの「プチ世間」に囚われて行った。そして90年代には、「世間」が「膨化・肥大化」して「暴走」を始めたという。それを招いたのは「格差社会の拡大」であったという。それが「ねたみ・そねみ」を肥大化したからだ。
 そのような前提のもと、イジメ事件もそのような「プチ世間」の同調圧力(はみだすことが許されない息苦しさ)が引き起こしたものであり、従って、加害者たちの精神の内部に何か異常なものを見つけてそれに対処すれば事足りるとする心理主義的な分析・対応は無効だ、と宣している。――賛成である。
 だが、私が聞きたいと思うのは、どうやってそういう「世間」に風穴を開けるかということである。「KY」という言葉が力をもつ現場の例をいくつもあげられてもうんざりだ。そんなものはよく知っているからだ。
 佐藤氏は「世間学」の始祖・阿部謹也氏の弟子にあたる人だろうが、世間の根強さ、恐ろしさばかりを語ることは結局「KY」に肩入れすることになるのではないか。いくら「『世間』を変えてゆかなければならない」と言ったとしても、中身が「世間」の手強さのオンパレードであれば、読む方は萎えるというものである。
 その佐藤氏も最後には「世間学的エポケー」を提起し、世間を相対化してみることの大切さを述べていた。そして、その例として彼が上げていたのは「恋すること」であった。
 だが、それだけでは寂しいのだ。
 もっと「世間」と闘い、「世間」を変えようとする人々を勇気づける内容にしてほしかった。主体性への可能性を垣間見させるものは何も恋だけではないはずだ。「世間」研究者だからこそ見えるはずの「世間の変え方」を示して欲しかった。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 散漫な印象, 2008/5/20
By みか (宮城県仙台市) - レビューをすべて見る
もっと世間を突き詰めた本かと期待したら、あっちこっちに話が飛ぶし、他の人の著書からの引用も多いしで、なんだか散漫な印象でした。目のつけどころはいいんですが…。あと日本の“世間”を欧米キリスト教国の“社会”と対比していますが、欧米礼賛知識人風の視点が気になりました。「日本ではこうだが、欧米ではこうだ」みたいな切り口にはちょっとへきへきです。日本の世間もうっとうしいけど、“欧米”の個人主義も厳しいですから。それに、日本の息苦しさを実際にどうにかしたいと思ったところで、あまり“欧米”は参考にならないと思います。
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